アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
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衆院選候補選考で女性を落とした「オール沖縄」の愚挙

2024年09月14日 | 日本の政治・社会・経済と民主主義
 

 9日付の琉球新報、沖縄タイムスによれば、衆院沖縄4区の候補者選考を続けてきた「オール沖縄」勢力は8日の統一候補者選考委員会で、立憲民主党公認の金城徹氏(オール沖縄共同代表)を統一候補にすることを全会一致で決めました(写真右)。

 候補に上がっていたのは、金城氏のほか、比嘉京子氏(沖縄うない代表)、山川仁氏(れいわ新選組公認)の計3氏。山川氏は「多数決で決めないことなどを改めて要望したが、選考委は受け入れなかったため欠席」(9日付琉球新報)しました。

 同区の候補者選考は昨年から行われてきましたが、女性グループなどから女性候補者の擁立を求める声が高まっていました。比嘉氏自身も強い意欲を示してきました。

 たとえば、「オール沖縄」勢力側から女性国会議員を誕生させる市町村議員有志の会は昨年10月20日、県庁で記者会見し、玉城デニー県政与党各派(オール沖縄)に「衆院選沖縄4区で女性候補を擁立することを求める要望書」を提出したことを明らかにしました。

「要望書は女性市町村議11人の連名。会見後、有志の会の玉那覇淑子北谷町議らが比嘉京子県議に出馬要請した。…玉那覇氏は…女性の沖縄選出国会議員が非常に少ないことから、…女性の声を国政に反映するべきだとした」(23年10月21日付沖縄タイムス=写真左)

 「オール沖縄」はこうした声を踏みにじって、比嘉氏を選考から落とし、前回も出馬して落選した金城氏を候補者に決定したのです。

 これは沖縄の1選挙区の候補者選考にとどまらない重要な問題を提起しています。

 第1に、日本のジェンダーギャップ指数は世界118位(2024年)とどん底で、とくに国会議員(衆院)の男女比0・115は世界129位です。女性の国会議員(とりわけ衆院議員)を増やすことが大きな課題であることは周知の事実ですが、今回の「オール沖縄」の決定はそれに正面から反するものです。

 第2に、沖縄の国会議員ジェンダーギャップはさらに深刻です。前回21年の衆院選では1~4区に計11人が立候補しましたが、女性候補は自民党の島尻安伊子氏(当選)ただ1人。「オール沖縄」の女性候補はゼロでした。次の衆院選でもその轍を踏むことになります。

 第3に、衆院選だけではありません。沖縄の女性国会議員といえば糸数慶子参院議員(沖縄社大党)の活躍が光っていましたが、2019年の参院選で、糸数氏が続投の意欲を示していたにもかかわらず、社大党は経過不明のまま糸数氏を高良鉄美氏に交代させました。糸数氏はそれに抗議して社大党を離党しました。

 第4に、こうした国会議員選挙をめぐるジェンダーギャップは、政治分野に限らず、「男尊女卑」の制度・風習・習慣が沖縄に根強く残っていることを象徴的に示すものと言えます。

 第5に、政治のジェンダーギャップ是正の点でも、「男尊女卑」の制度・風習の改革の点でも、めざすべき方向に逆行する今回の決定を、立憲民主党、日本共産党、社民党など国政野党の「オール沖縄」勢力が行ったという事実です。
 それはこれらの党が口にする「女性を国政に」「女性の権利擁護」などのスローガンいかに実態を伴わないものであるかを示しています。日本の政治・社会にとってきわめて深刻な事態だと言わねばなりません。

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