角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

地元民のお祭り。

2015年09月04日 | 地域の話
バケツをひっくり返したような雨と、気持ちの良い青空が交互にやって来た今日の角館です。天気予報を見ると、明日からお祭りが終わる10日未明までは「晴れ」もしくは「くもり」、場合によって若干の降雨はあるかもしれません。それでもヒドく荒れることはなさそうですから、地元民は一様に安堵の顔ですね。今日の天気がお祭り中だとしたら熱も冷めてしまいそうです。

お祭りPRのため、実演席前で昨年のお祭りDVDを流しています。




お立ち寄りの旅人が関心高く見入っていますが、ほとんどの方は角館のお祭りを知りません。これはこの十年余り同じ感想を書いているような気がします。9月1日のブログにも綴ったように、角館のお祭りは観光資源として大声で宣伝するのになかなか難しい一面があります。一言で言ってしまえば、賛否を別に「地元民による地元民のためのお祭り」ということでしょう。近年生まれたイベントではなく古から続く伝統の祭りには、そうした要素が少なからずあるんじゃないでしょうか。

角館に生まれ育った人間の多くは男女を問わず、物心ついたときから「お祭り」が大きな存在となります。ピアノや習字と同じように3~4歳から「お囃子」「手踊り」を習い始め、学年が進みスポ少や部活が始まっても並行して続けます。ヤマの若衆も同じで、白タスキを掛ける責任者の多くは三十代。それでも下積みからの経験年数は二十年に達するでしょう。「地元民による地元民のお祭り」とされるのは、こうした郷土環境があるからなんですね。

今日は雨の中を白岩小百合保育園の子どもたちが寄ってくれました。





半分の子どもが草履職人ではなくお祭りDVDに見入っていたのには、私も地元民の一人としてなんの違和感もございません。
お祭りまであと三日となりました。
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西宮家お祭りテント。

2015年09月03日 | 地域の話
お祭りの準備が着々と進む角館です。9月1日は角館駅前の大置山に人形が飾られ、今日は安藤家の大置山に人形が飾られました。十八台の曳山はそれぞれ自分の丁内でヤマ造りが進められるため、一般の目に触れられることはまずありません。ですから私たちが「お祭り近し」を感じるのは、町内五ヶ所の大置山というわけです。西宮家にほど近い立町大置山にも、今日黒木綿が張られました。6日までには神明社と薬師堂の大置山にも人形が乗り、いよいよお祭り開始となります。

お祭り期間の角館草履営業時間は、7日通常(10時~17時)、8日10時~15時、9日はお休みとなります。続けて10日と11日もお休みをいただき、九月はこの三日間を手の休息にあてることとしました。
西宮家のお祭り恒例となっておりますテイクアウト専門「お祭りテント」は、8日と9日の二日間営業します。時間は二日間とも18時から22時、場所は米蔵側駐車スペースです。毎年クオリティの高いお祭りメニューをご提供しているところですが、今年の新メニューをご紹介しましょう。


「手羽先御狩場揚げ」(てばさきおかりばあげ)1パック約5本で300円


手羽先をピリ辛味噌で味付けし揚げたものです。私も今日試食しましたが、ビールや日本酒のおつまみにも、ご飯のおかずにもよく合います。これは旨いですよ!


「天使のエビ串揚げ」1本250円


昨年初登場のこちらは、閉店一時間前に完売してしまいました。身のびっちり詰まったプリプリ感をお楽しみください!






8月11日のブログでご紹介した「みつばちコーン」が、角館初登場です。糖度21超えを誇る甘さを、角館のお祭りでぜひ実食してほしいと思っています。

そのほか、西宮家お祭り名物となっています「お祭りコロッケ」が、今年も一個100円の大奉仕。飲み物メニューでは気温の低さが懸念されるため、「あったか飲み物」をラインアップです。

■熱燗もっきり300円  ■ホットワイン300円  ■ホットコーヒー150円

今年も角館のお祭り見物に訪れました際は、ぜひ西宮家の「お祭りテント」へお立ち寄りください。草履を編んでいない草履職人がお待ちしております。


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お祭りプチ情報。

2015年09月01日 | 地域の話
わらび劇場で目下好評公演中の「為三さん!」チームが、角館のお祭りにやって来ます。お祭り用のオリジナルステージとのことですから、すでに観劇された方もそうでない方もぜひご覧ください。

■と き・・・9月9日午後5時~5時30分
■ところ・・・立町舞台



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「本番」と「観光用」。

2015年09月01日 | 地域の話
数日前のこと、関西弁のご夫婦が中学生くらいの孫娘さんと三人でお立ち寄りでした。装いがいかにも普段着で、いわゆる旅行者とは少し違う雰囲気です。奥様が「何度か見ていますけど、いい仕事してますね~」とおっしゃるので詳しくお聞きすると、毎年七月から九月までの三か月間、田沢湖に借りた一軒家で過ごすという大阪のご夫婦でした。孫娘さんは夏休みを利用して、祖父母の元を訪ねていたんですね。

草履をオーダーくださったご主人へ、「お引き取りはお祭り見物のついでにいかがでしょう」と話してみました。すると、『いや、一度ゆっくり観たんやけど、なんか長いこと話し合いしてましたな~。草履はお祭りの後でかまいませんから~』。要するにお祭り見物にはお越しにならないという意味でしょう。
ときに見物人から言われる交渉時間の長さは、角館のお祭りを観光資源としづらい一つの要因と思っています。ヤマとヤマが向かい合ったとき、どういう方法(手順)で交差するかを話し合うのが「交渉」です。場合によってはこの交渉時間、一時間や二時間ということもあるんですね。

角館のお祭りは「ヤマの激突」がウリのように云われますが、ぶつけるのは交渉を重ねて決裂した場合に限ります。ですからハナっからぶつける気で交渉を開始することは基本的にないわけです。確かにそこには本音と建前があるのですが、自身のヤマにとって最良の結果は相手のヤマに道を作らせること。互いが相手に道を作らせるべく交渉が続き、「これ以上問答無用」の状態に達したとき力づくでの前進が始まるわけです。

ただしこれは八日の一部と九日の「本番激突」であり、先回のブログでご紹介した「観光用激突」は別です。出来る限り決まった時刻に二台のヤマが場所に着き、大きくお待たせすることなく始まるでしょう。ちなみに「観光用」と「本番」はそのぶつけ方も異なりますので、九日の夜から十日未明まで見物できる方々には、ぜひその辺りもお楽しみください。
お祭りまであと六日となりました。
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