角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

反省と学習能力。

2015年09月22日 | 地域の話
今日も気持ちの良い青空の一日です。シルバーウィークも後半に入り、20日や21日より少し人影が落ちてきました。春のゴールデンウィークもそうですが、終盤へ向かうにつれご来客数が少なくなってきます。明日の最終日はいつもの日曜日くらいでしょうか。
それにしてもこれだけ好天が続くのはとても嬉しいですね。散策されるお客様の笑顔が、さらに嬉しさを増してくれます。

安倍政権の推し進める「安保関連法案」が参議院で強行採決されました。採決の際に見せていた「棒倒し」のような人波は、ただの野次馬根性であれば面白い映像です。真剣になればなるほどの肉弾戦なのでしょうが、話し合いが目的の議会には相応しくない気もしました。
安保法案に反対する主張はいくつも見聞きし、確かに心配は分かります。でも私がどうにもしっくりこないのは、この法案が可決して即ち、日本がかつてのような戦時下に戻るとは思えないんですね。それは「学習能力」です。

日本人だけで300万人もの命が失われた太平洋戦争は、終結から七十年経った今でも折にふれ語られています。その当時の人々が次第に少なくなってきたのは分かるとして、それだけで戦争への反省が薄くなり、やがてまたあの忌まわしい時代へ向かって行くとの予測は、やや極端ではないかと思うんです。今の法案をなにほど詳しく調べていませんから、断言はしません。でもやっぱり私は、安倍政権や右翼的な人たちも含め、日本人の「学習能力」を信じる部分は大きいです。

角館のお祭り事故から二週間が経ちました。町では来年からのお祭りにさまざまな憶測が飛び交っています。意見や主張はそれぞれあっていいのですが、少なくとも現時点で「決まったこと」は何もないに等しいです。見聞する情報には十分な注意が必要でしょう。決まったこととすれば、加害曳山の焼却処分と来年のお祭り不参加を自ら公表しました。町では「二年後はヤマを出す」との解釈が一般的です。私見ですがこれとて、刑事責任の確定や遺族補償がこれからという今、「二年後」に言及したのはいささか腹立たしく思っています。

当該二丁内の身の振り方は別にして、お叱りを覚悟で言わせていただければ、来年のお祭りに特段の制約を設けなかったとしても、私にはあのような事故がまた起こるとは思えません。通常の手順を踏んだ本番激突で、歴史上死者の発生は一度もないことは先日のブログに書きました。今年の事故がいかに稀なケースであったかは明白です。それよりも大きいと思うのは、今このときこれだけの人間がそれぞれの立場で苦しんでいる、これを学習しない人間は角館に一人もいないと思うからなんですね。

そのためにはこの事故の結末に至るまで、角館人はしっかり見届ける必要があるんじゃないでしょうか。もちろんそこに野次馬根性は要りません。刑事責任は誰がどういった容疑で問われるのか。遺族はどの程度の賠償金を請求するのか。それをどうやって支払うのか。そしてその後のヤマとお祭りはどうなるのか。一連の経緯を知れば、自ずと自制心が働くでしょう。「激突至上主義」を過去のものとするのが、亡くなった同期生への一番の供養じゃないかと思うわけです。

「戦争はもう二度としない」。これを英霊の御霊に誓うことが、一番のご供養でしょう。
コメント (2)
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