角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

わらび座ミュージカル「為三さん!」。

2015年05月12日 | 地域の話


お休み初日の今日、かねてから楽しみにしていたわらび座ミュージカル「為三さん!」を観てきました。秋田県北秋田市出身の作曲家、「成田為三」の生涯を描いた作品です。♪あした浜辺をさまよえば…で始まる「浜辺の歌」、♪歌を忘れたカナリアは…で始まる「かなりあ」、♪赤い鳥小鳥なぜなぜ赤い…で始まる「赤い鳥小鳥」など著名な作品が多い中で、私たち秋田県民にとってはどうしても「秋田県民歌」がその筆頭に挙がるでしょう。


秀麗無比なる 鳥海山よ

狂瀾吼え立つ 男鹿半島よ

神秘の十和田は 田沢と共に

世界に名を得し 誇の湖水

山水皆これ 詩の国秋田



秋田県民とはいっても、学校や年代によって親しみに若干の差はあると思います。実際私は小学校でこの歌を歌った記憶は薄いです。それでも折に触れて聞きますし、大曲の花火ではBGMにこの曲が流れますから、県民以外でも聴いたことのある方は多いんじゃないでしょうか。いずれ秋田県民の多くが知る歌です。

詩を書いたのは師範学校時代から為三の友人である、倉田正嗣という人物です。劇中でも描写されますが、為三に作曲の依頼があったとき、作詞者の名前を見て大いに喜んだようですね。故郷秋田で学校の講師をしている倉田と、東京へ出て第一線の作曲家として活躍していた為三。立場は違えど友人と共に一つの曲を創るのはよほど嬉しかったのでしょう。

これから観劇される方のために多くは書きませんが、人の心にある「故郷」は今昔を問いませんよ。また故郷秋田が好きになる作品でした。中でも「秋田屋」という飲み屋で展開される人の縁は、その描写と共にがっつり心に響きます。主演者にもそのことだけは伝えてわらび座をあとにしました。おそらくあと二回は観ると思います。
コメント (2)
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