角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

応援する人 される人。

2015年05月04日 | 実演日記




今日の草履は、東京都江戸川区の男性のオーダー草履です。茶の唐草をベースにあとはお任せで承りました。ご自分用のほかに母の日プレゼントを含め、合わせて四足のご注文です。ご家族に履かせてあげたいとする男性の心をしっかりお届けするべく、明日の便で草履たちが出発いたしま~す(^^)/
今日も母の日プレゼントにお二人がお買い上げでした。メールによる通販を合わせると、母の日までにお届けするのはもうそろそろ期限と思います。今年もたくさんのお母さんへ草履が届くことになりました。お母さんの笑顔は家庭平和の根幹ですから、及ばずながら私も応援したいと思ってます。

朝ドラ「まれ」が面白くなってきました。主人公の純粋さがよく表現されています。市役所勤務のまれが上司に「お前はなんのためにこの仕事をしているんだ」と叱責されたのに対して、「頑張っている人を応援するためです!」と答えるシーンがありました。自分のことは差し置いて、まずは人様のために働く。まさに彼女はそういう人間です。視聴者はそんな彼女を応援する気持ちでドラマを観ているのでしょう。

4月29日の昼ごろでしたか、ひとりのおじさまが汗をかきながら私を訪ねて見えました。『あ~、これか~。かあちゃんがここの草履を買ってこいって言うんだよ』とおじさま。言葉は明らかに標準語なのですが、上半身の半袖シャツは下着に見えましたし、いわゆる観光でお訪ねとは思えませんでした。詳しくお話を聞くと、なるほど…です。

『小桜舞子って知ってる? ウチのすぐ近所でさ、小さい頃から知ってるわけよ。貧乏歌手でスタッフなんか何人もいないから、俺たちがボランティアで全国ついて回るんだ。車代も宿代も自分持ちだから、結構たいへんなんだけどね。けどやっぱり応援してあげないとさっ!』

小桜舞子さんというのは演歌歌手で、デビュー曲が角館を題材にしています。桜まつりと秋のお祭りに必ず角館を訪れ、ミニコンサートを開くんですね。私は話こそしたことはありませんが、お顔はデビュー当時から知っています。知人には「付き人」のような人もいますよ。
おじさまは舞台設営の手伝いをしている途中、奥様から言いつけられた草履をお求めのため、小走りで西宮家まで来てくださったわけです。

応援してくれる人がいるということは、即ち頑張っているからでしょう。叱咤激励も含めて、誰かに応援されているのは極めて心強いものです。また一方で、応援したい人がいるのも幸せなことではないかと思います。それは汗にまみれた半袖シャツのおじさまの、なんともいい笑顔に表れていました。
コメント (2)
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