今日の草履は、彩シリーズ25cm土踏まず付き〔五阡円〕
黒や濃紺で統一した草履は、私の中で「カッコいい」の典型例です。女性サイズで編んでもあっさり売れて行きますから、やっぱり「カッコいい」は男女共通の憧れなんでしょう。
最近新たに購入した作務衣も、ひとつを「墨黒」にしました。
大型連休が終わってからの角館は、連日散策にうってつけの好天が続いています。今日も気温が高い割りに湿度が低いですから、気持ちの良い青空の下、お客様のお顔にも笑顔が多いですね。
そしてお客様の多さは今日も続きました。兵庫県からお越しのおばさまグループは、『今くらいならまだ桜があるかと思って計画したんだけどねぇ』。まだ「第二次桜ざんねん旅」は確かにおられますが、新緑の散策目的の方も増えているのでしょう。
おかげさまで角館草履の在庫もだいぶ少なくなりました。25cmに次いで26cmが完売となり、22cmと24cmが残り数えるくらいです。
在庫が少なくなると、ぴったりサイズにお気に入りの配色が合わなくなるんですね。するとオーダーとなるわけですが、お客様によってはそこで迷いが生じます。
静岡県と高知県からお越しのおばさま四人旅。元々静岡県の幼友達のようです。みなさん角館草履に関心はあるのですが、お好きな配色とサイズが合いません。草履そのものも安くないうえに、オーダーすれば別に送料が掛かってしまいます。さらにそもそも論を言えば、角館草履がなければとても困ることはないわけです。
おばさま四人は悩みました。帰りの新幹線時刻が迫っていますから、よくある『少し考えてまた来ま~す』というわけにもいきません。やがておばさまたちが結論としたのは、『いつか桜も見たいし、次の機会にしますぅ』。
縁というのはそういうもので、無理に勧めて良いものではありません。これは草履職人生活で学んだ経験則です。
ところが1分後、『次の機会がやたら早かったみたい…』と照れ笑いのおばさまたち。米蔵を出てすぐ、もう一度「会議」が開かれたようです。今度こその最終結論は、おばさま四人全員定番配色③でオーダーでした。
おばさまたちが草履コーナーに立ち止まってから、この時点でおそらく20分は経っていたでしょう。ラストの数分が最高の笑顔に見えましたね。