角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

まもなく連休終了です。

2012年05月05日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡六百円〕
金の和柄が美しいベースに、セオリー通りのエンジを組み合わせました。やはりこうした色調が最も早く選ばれるような気がします。昨年末から今年の桜まつり用にずいぶん編んだ草履たちも、サイズによってはそろそろ在庫の底が見えてきました。

今日も朝から肌寒い一日で、夕方近くからは冷たい雨も落ちています。思えば4月中旬くらいまでは、ちょうど今頃に満開を迎える予測をしていました。それは私たち地元民だけじゃなく、県外のお客様もそう見越して今日の角館に降り立ったわけです。

栃木県からお越しのご夫婦旅。『あらっ、草履を編んでらっしゃるの?』と奥様が実演を覗き込むと、素材のイ草に気づかれました。そして角館草履のご説明が終わる頃には、『職員室で履いたらいいんじゃない?』とご主人と共にお買い上げです。
ご清算のあとご主人がおっしゃるのは、『てっきり今くらいが満開と思ってたんだけどねぇ』。

3日からのゴールデンウィーク後半に入って、この言葉を何人から言われたか分かりません。新幹線もホテルも事前に予約が必要ですから、みなさんギャンブルのように満開日を予測するわけです。
今年は地元民を含め、このギャンブルに勝った人は僅かしかいないでしょう。

さて先のご夫婦。「職員室」と聞いたので、『なにかの学校ですか?』とお訊ねすると、『いえ、保育園と幼稚園をやってましてね』。なるほど、つまり園長先生ご夫妻というわけです。
近年保育園や幼稚園で、子どもたちが草履で過ごすという活動を聞きます。園長先生ご夫妻が率先するならば、また効果も上がるでしょう。

保育士を目指すわが家の長女は、近々また保育実習のため角館へ戻るとのことで、この連休は青森で過ごす予定でした。しかし仙台の次女が帰省するのを知って、やっぱり帰りたくなったようです。二人とも正味たったの三日間をふるさとで過ごし、明日それぞれの学校の地へと戻って行きます。

ゴールデンウィークも明日が最終日、角館を散策される人影もいつもの日曜日くらいに戻るでしょう。みなさんいろんな思い出を胸に、明後日からまたいつもの生活が始まるんですね。
コメント
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