角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

密かな願い。

2012年05月07日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡四百円〕
角館草履は多様な配色が持ち味のひとつと自負していますが、やはりその中にも選ばれ易い色があります。それは一般に「可愛らしい配色」なんですね。圧倒的に女性支持層の多い角館草履では、これもまた当たり前なのかもしれません。

ゴールデンウィークが昨日で終わり、世の中は今日から「普段の日」。当然散策の人数は大きく減ると思いきや、午前10時の開店と同時にお客様が入り出し、午後3時くらいまでは間断ないご来客で賑わいました。正直、ちょっと意外な展開です。

実はこの現象を、もしかしたらの「密かな願い」に思っていました。と言うのは、ゴールデンウィーク終盤の5月5日。そろそろ帰路に着く人も多いですし、桜はない、天気は雨の悪条件。ずいぶんお客様が減るだろうと思いきや、案外そうでもなかったんです。

それは昨日のゴールデンウィーク最終日も同じ現象でした。昨日のブログでも触れた通り、桜の満開日を連休後半に予測して旅を計画された方々が、桜はなくともキャンセルせずお越しなんですね。
そしてこの現象は、連休が明けた今日も続いたということでしょう。

素直に喜びたいのは、東北に、秋田県に、角館にお客様が戻っていることです。去年はゴールデンウィークが終わったとたん、人影はパタっとなくなりました。その寂しさは怖いくらいに感じたものです。
あれから観光キャンペーン等、いくつもの施策が功を奏したのでしょう。この現象を「密かな願い」に思っていたのは、観光に携わるすべての人じゃないでしょうか。

そしてもうひとつ「密かな願い」に思っていたこと。3月15日のブログにご登場の北海道の青年。「母の日」に初任給で草履を贈りたいと言っていた彼から、昨晩ご注文メールが届きました。お母上のみならず、お父上の草履と2足です。

嬉しくないご注文などありませんが、青年があのときの心を持ち続けてくれたことがなにより嬉しいです。
母の日まであと六日。北海道の青年の親を想う心を、角館の草履職人がしっかりと届けてみせましょう。
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