角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

とんちんかん。

2007年12月29日 | 家族の話


今日の草履は、彩シリーズMグループ21cm土踏まず付き〔4000円〕
黄色基調の桜プリントをベースに、合わせは紺です。この「紺」、いつも使っている定番の紺より「青」に近いんですが、この生地は町内の草履ファンのお母さんからご提供いただいたものです。保管状態が極めて良かったので、ありがたく使わせていただきました。

「聞いているようで聞いていない」、あるいは「聞いていても答えがとんちんかん」っていうこと、案外日常にありますよね。
新聞を読んでいるときに『今日は何時に出発する?』と尋ねられ、『あぁ、それでイイべぇ』なんて答えたことがありました。
特に三女によく言われます、『父さん、今の話聞いてた?』。

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あるところに平助という若者がおりました。この平助、気は悪くないのですがなにしろ「愛想」というものがありません。
ある日の朝、平助が玄関先の掃き掃除をしているところへ、ご近所のご隠居さんが通りかかります。
『おぅ平助、精が出るなっ。それにしても今朝は冷えるのぉ』。こうした世間話や挨拶にも、平助はほとんど無言です。

この様子を家の中で見ていた平助のお父さん。
『これ平助、どなたからでも言葉を掛けられたなら、うまくそれに答えねばならん。今朝は冷えるのぉと言われたら、そうですね山は雪かも知れませんくらい言えなくてどうする』。
すっかりお父さんに叱られてしまいました。

翌朝も掃き掃除をしていると、またご隠居さんが通りかかります。
『おぅ平助、精が出るなっ。それにしても今朝は昨日と違って暖かいのぉ』。
平助は昨日お父さんに教えられた「山は雪」しか覚えていません。でも暖かくて「山は雪」ではおかしいと思いました。
平助の口からとっさに出た言葉、『そうですね、きっと山は火事でしょう』。

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三女にもこれくらいのユーモアで答えたいもんです。

コメント
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