角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

人生のステージ。

2007年12月06日 | 実演日記

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、11月29日、秋田市からお越しくださったおばさまのオーダー草履です。
「今日の草履」は娘さんへのプレゼントで、「細い割りに長く、親指が突出して長い」と分析するおばさまのご説明に合わせて作ったものです。『娘はとっても珍しい足なのよぉ』とおっしゃっていましたが、それほどではないですね。かつて、幅9cm・長さ26cmのオーダーを作りましたが、さすがにそのときはひょろっとした草履に見えました。
同時発送のお孫さん用、17cmと18cmはこちらです。3足揃って、お約束通り明日着きますよ~。





昨晩は今年の忘年会第二弾、角館あきんど塾忘年会でした。いろんなお酒が混じったせいか、昼ごはんを食べるまで久しぶりの二日酔いでしたねぇ。
あきんど塾創設時からの会員である前代表が、このたび退会することになりました。これまでの功績は実に大きいものがあります。
前代表はここ数年、仕事の傍らいろんな活動に携わっています。どの会も「名前だけ」ではなく、実務に参加しているようです。今彼の頭には、あきんど塾より少しだけ優先しなければならない、彼にとってあるいは社会にとって重要な活動があるんですね。ですから私はこの退会を、「発展的退会」と思っているんです。

人生の中で、自分のそのときその時代にどうしても取り組みたい何かと巡りあうことがあります。生業の中でもあるでしょうし、趣味の世界にもあるでしょう。そしてこれは、「社会活動」にもあるんですね。そのときその時代に巡ってくる、ひとつの「ステージ」じゃないでしょうか。

平成14年9月6日、仲間に呼びかけて発足した子育てサポート『はっぴぃ・マム』。発起人である私が代表に就き、県や市との行政交渉、活動内容や利用料金の策定、利用希望者からの問い合わせ窓口、そしてサポーターの手配。そんな活動を、仕事の傍ら一手に扱ってきました。
事務作業は夜や空き時間で出来ますが、利用希望者からの問い合わせや依頼はいつ何時あるか分かりませんし、行政主導の各種会議は平日日中です。
県児童福祉行政からの会議招へいはたびたびでした。この類の活動を男性が主宰するのは全国でも稀で、全国大会のパネリストや、市町村の担当者が集まるシンポのコーディネーターもしました。「地域の子育て」をテーマにした県制作のテレビ番組に、三女と共に出演したこともあります。中には、『いくらなんでもそれは荷が重いでしょ』というのもありましたねぇ。
こうした対外的な活動は、設立から2~3年の間がピークでした。今想えば、ほんとに精力的に動いていたと思います。

かつてはなんとかこなしてきましたが、草履職人となって公開実演をはじめてからは、これらの作業が現実的でなくなっていました。今年の初頭に会議を開き、サポーター会員に事情をご理解いただきました。すぐに問い合わせ窓口とサポーター手配を交代してもらい、一定期間を過ぎたところで私の完全退会を承諾してもらったんです。
今年の公開実演が終わったら間もなく、すべての引継ぎをして私は『はっぴい・マム』を去ることに決まっています。

『はっぴぃ・マム』創設時、私のひとつのステージは乳幼児託児という社会活動にありました。もちろん今も重要な課題なんですが、この活動は私でなくともちゃんとできるメンバーがいます。比較して「角館の布巻草履」と「公開実演」、これはほかに誰もいないんですね。『はっぴぃ・マム』よりほんの少しだけ優先したい、今の私の「ステージ」なんです。ですからこれも、「発展的退会」と言えるでしょう。

今年のステージは残り二日、しっかり務め上げてきます。

コメント
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