今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き[四阡六百円]
エンジのいらかと紺のいらかを、左右互い違いに編んでみました。冬場の在庫作りならではのデザインですね。綺麗な草履の中に面白い草履、こうした「個性」も角館草履の特徴ではないでしょうか。こういう趣味のお客様って、必ずいらっしゃるんですよ。
本日三女が高校を卒業いたしました。体育館の寒さとは裏腹に、心温まる、そして少し目頭が熱くなる素晴らしい卒業式でありました。想えば保育園から四度の「卒業」に接し、子どもの成長というのは目覚ましいものです。「男子三日会わざれば括目して見よ」の格言は、性別と無関係によく分かります。成長していないのはむしろ親のほうではないかと気づかされました。
「人生において、万巻の書を読むより、優れた人物に一人でも多く会うほうがどれだけ勉強になるか」
担任の先生が卒業生に対して贈った言葉です。書物をないがしろにするのではなく、この言葉の意味はおっさんになって近年よく分かります。また別の先生は、卒業生ひとりひとりの「個性」を褒めていました。進学、就職とこの先進路はさまざまですが、若き時代の一年間を過ごしたこの仲間たちと、やがて再会するときが必ずやってきます。年齢を重ねても個性は大事にしてほしいものですよ。
身びいきのそしりを覚悟の上で、わが家の三女も個性ではなかなかのものを持っている気がします。一昨日三女が作った笹餅には、草履のイラストと共に「¥5000」の文字が入っていました。
「決して安価ではない草履を編んでいるのだから、しっかり働きなさい!」と叱咤激励のつもりかもしれません。四月には新社会人となる三女。これまで以上にツラいことが待っているのは間違いないでしょう。気づかないうちに成長していた娘と互いに叱咤激励しながら、51歳のおっさんも頑張って行こうと思います。