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今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡八百円〕
水玉草履の番外編とでも言いますか、「満天の星空」をイメージしてみました。実は七夕の前日に一作目を編んだところ、すぐ売れてしまったんですね。そのあと2足編み、これもすでに完売しています。水玉草履完売第一号は、紺地の水玉でありました。
昨日のこと、大阪市からお越しのご夫婦旅と出会いました。70代も半ばくらいにお見受けしましたが、大阪からフェリーを使ったマイカー旅です。ご夫婦共にとてもお元気なのは、その関西弁からもよく分かりましたよ。
奥様がかつて布草履を編んだことがあり、『こんなしっかりした草履は、今まで見たことがありませんよっ』と、角館草履にとても感心してくださいました。そしてご主人に勧められるがままに、イ草材料をお買い上げです。
奥様がご主人へ、『この草履を編む台、こしらえてくれる?』。一生懸命写真を撮っていかれたご主人、さてどうなるでしょうかね。
ご夫婦のお話で面白かったのは、冬の「日本脱出」。毎年真冬の二ヶ月間を、台湾で過ごすんだそうです。『飛行機代と家賃はかかりますけど、生活費が安いから差し引きたいしたことはないんですよ。寒い日本にいるよりずっといいんですぅ』とご夫婦。
外国人との出会いが珍しくない私が一番気になったのは、現地での言葉です。その点も、『親日家が多いですから、日本語でさほど苦労なく暮らせますよ。むしろ中国語は使わないほうがいい地域もあるくらいなんです』。
同じように札幌や仙台から来るお仲間もいて、話を聞くだけではなかなか楽しそうでしたね。
そして今朝、ふらりと草履コーナーに立ち止まったのは、20代半ばと思しき女性です。挨拶程度のお声をかけると、片言よりは上手な日本語でした。お国を訊ねるとはにかみながら、『台湾カラキマシタ~』。昨日の今日なので、私もちょっと驚きましたよ。
試し履きをしてサイズを確認すると、じっと配色を見ているのが分かりました。ときどきおしゃべりをはさみながら、眺めること5分は過ぎたでしょうか。実は途中から察していたのが、草履の値段なんですね。おそらく台湾のお若い女性が、衝動買いできる金額ではないのでしょう。やがて言葉もなく米蔵をあとにされました。
そしてそれから数時間が経ち、こちらの女性が再度のお訪ねです。「もう悩むのはやめた。帰国してから後悔しないよう、欲しいものは買って行こっ」という言葉が、満面の笑顔からはっきり見てとれましたよ。
おそらく帰国してすぐ履いてくれるでしょう。ふと足元に目をおとしたときに、「悩みぬいた草履」が日本の良き思い出になってくれたら嬉しいですね。