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角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

場違いな話。

2010年01月04日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ25cm土踏まず付き〔四阡五百円〕
紺基調の絣風プリントをベースに、合わせは辛子色基調の和柄プリントです。
ときにこうした無地をベースにプリントを組み合わせる配色を編むのですが、一般的にはこの逆が多いため、むしろ目立つんですね。なかなかお洒落に仕上がったと思います。

ひとまず寒波のピークは過ぎたでしょうか。大晦日からここまでの寒さは緩みました。降雪も小雪がちらつく程度ですから、これくらいであれば散策のお客様も少しは増えますね。
明日からは気温がまた上がりそうです。寒さが緩むのは嬉しいのですが、これまで積もった雪がザフザフ状態になってしまうでしょう。ほんとはこれが一番厄介なんですよねぇ。

今日、昼食を終えて実演席に戻ると、母息子さんペアと思しきお二人が草履を試し履きされていました。作務衣姿の私を見て、すぐに草履屋と分かったのでしょう。お母さんが、『今この草履を見て感動していたんですぅ』。
「感動」とまで言われると少々照れますが、お母さんより30歳代と思しき息子さんのほうが特に気に入ってくださいました。

息子さんは東京に暮らしていて、ご実家の秋田市へ帰省していらしたそうです。お母さんは、『今日は少し寒さが緩んだので、冬の角館を見せに連れて来たんですぅ』。
嬉しいですね、昨日までの大寒波で角館はほんとに冷え切っていました。こうして町外の方がお越しくださってこそ、本当の角館というわけです。

東京に暮らす息子さんが、『スリッパが性に合わなくて、でもなにか履かないとヘンなんですよ。それで思いついたのがビーチサンダルで、今も自宅では履いてるんです』。
ビーチサンダルを室内で利用している方というのは、こちらの男性が初めてではありません。憶えているだけでも三人ほどお会いしましたか。親指の付け根に首のツボがあることを思えば、ビーチサンダルでもその点の効果は期待できます。
男性は、『こりゃあ、面白いものを見つけたなぁ』とご自身用をお買い上げくださいました。

「室内でビーチサンダル」。北国暮らしの私たちにはなかなか思いつかないアイデアと思いますし、先入観なのかなんとなく場違いな感じがしてしまうんですね。
かつて角館草履を見て、『夏にビーチで履きたいよねっ』と言っていたお若い女性がおりました。編み目に砂が詰まってタイヘンですから、それはやめといたほうがイイとお話した記憶があります。

「室内でビーチサンダル」が場違いなら、この大雪の真冬に「夏のビーチ」の話を思い出すのも場違いですかね。

コメント
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