角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

角館三昧。

2009年05月20日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡円〕
赤まだら、黄まだら、紫まだらの三色使い、なんか早口言葉みたいですが、「まだら三昧」とでも名付けましょうか。
こうした奇抜な配色は、長い期間展示されることはまずありません。『面白いっ!』というだけでお選びになる方が必ずいらっしゃるんですね。今日も気に入ってくださったお客様がいらしたのですが、残念ながらサイズが合いませんでしたぁ。

先日来の雨で、街の緑がみずみずしくなった気がします。まだ風は強めですが、日中は暑いくらいになりました。人影もまばらな今どきの角館、散策にはもってこいの季節と思います。

昨日北海道から修学旅行の中学生がお越しでした。男子2名に女子3名の小グループ、男子はさほどでもなさそうでしたが、女子3名は草履実演に飛びつきましたね。角館草履の素性を詳しく知ると、『なんかあたしたちスゴいもの観てるんじゃない!? やっぱり角館にして良かったっ!』。

聞いてみると三つのコースから選択なんだそうです。ひとつは盛岡市、ひとつは遠野市、そしてこちらのグループが選んだのが当地角館というわけでした。
ほかのふたつももちろん愉しい土地とは思いますが、角館を選んだ生徒たちに喜んでもらえたのが幸いです。やっぱり散策は角館でしょ。

大仙市大曲と岩手県北上市からお越しのおともだちふたり組、共にお若い女性です。ちょうど「今日の草履」を編みあがったところで出逢いました。私が『この草履、面白い配色でしょっ!?』とお見せしてから、しばしのおしゃべりです。

北上市も「桜の名所」と謳われて久しいです。北上、弘前、角館は北東北の桜名所として、観光ツアーも組まれてますね。北上にお住まいの女性へ、『やっぱりスゴい人出なんでしょ?』とお訊ねすると、『かなり多いですねぇ』。『今年の角館はどうでした?』のご質問から、角館の観光談義と相成りました。

かねてからお伝えの通り、角館には年間200万人を越える観光のお客様がお越しです。でもその7割とも8割とも云われる人数が、武家屋敷通りだけを小一時間ほど散策してお帰りなんです。せっかく角館へお越しになって、これではもったいないと言うのが私の考えなわけです。

こちらのお二方も私の話に同調してくださいました。『あたしも車って好きじゃないんです、やっぱり歩いてみなければ愉しくないですよっ』。
お若いのに見事なお考えと思いますよっ。西宮家のある外町から武家屋敷通りへ、角館三昧してくれたことでしょう。

山形県酒田市からお越しの母娘ツーペア4人旅、ずいぶん歩き回ったのか、実演席まで来るとすっかり座り込みましたね。それからしばらく草履の話題になり、それぞれ一足ずつとお土産用を一足、合わせて五足のまとめ買いとなりました。誠にありがとうございますっ。

酒田市と聞いたので、カミさんの妹が近くに嫁いでいる話をしました。『○○病院に看護師として勤務してるんですよっ』とお教えすると、ひとりのおばさまが『えっ!?』と驚いたとたんメモ帳を開き、『妹さんってなんていう名前?』。
聞いてみるとおばさまの親族がその病院に入院中なんだそうです。おばさまの勢いからすると、ホントに訪ねるかも知れませんね。

お帰り際、『あ~、愉しかったっ!』。そのお言葉の一部に角館草履との出逢いがあったことを祈りながら、やっぱり角館散策がすべてと思うんです。
角館散策は、文字通り「角館三昧」というわけですね。

コメント
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