角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

優しさの弊害!?

2009年05月10日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ25cm土踏まず付き〔四阡五百円〕
茶の唐草をベースに、合わせは薄茶基調の相撲プリントです。
男性用サイズの定番的配色に、こちらの茶の唐草を準レギュラー化しようと思ってます。東京の仕入れ部長から送っていただく中にも「茶系」があったのですが、これらが案外人気というのが分りました。たしかに「今日の草履」もお洒落ですよね、男性の「優しさ」が表れているように思います。

岩手県大船渡市からお越しのおばさま。まっすぐ実演席を目指して見えたおばさまは、『もう二、三年も前なんですけど、草履を編もうと思ってこちらから草履台を買ったんですよっ』。すぐにお顔を思い出すことは出来ませんでしたが、何人目かの草履職人さんだったんですね。

おばさまは、『親戚の畳屋からイ草をもらってやってみたんですけど、やっぱり難しかったですぅ』。見学に訪れたいと思っても、岩手からじゃ簡単じゃないですからね。おばさまは思い続けながらも、しばしの間草履作りを断念していたようです。

今日ようやく念願叶ったのは、息子さんの「優しさ」でした。昨日のこと息子さんがいきなり、『明日は母の日だべっ、どっか行きたいとこがあれば連れて行くぞ』と言ってくれたそうです。おばさまは、『じゃあ、角館へ行きたいよっ』とのことで本日のお越しというわけです。息子さんはお母上に気兼ねのないよう、ひとり自由散策で時間をつぶしてくれていました。

私が『優しい息子さんですねっ』と言うと、『そうなんだけどねぇ、優しすぎるからまだ独身なんですよぉ。いまどきの男は優しいだけじゃダメなのよねぇ』。
たしかに的を射たご感想とも思う草履職人です。私の友人にもそんなのがいますしねぇ。
でもやっぱり人間は優しくなければダメでしょう。「過ぎたるは尚…」も分らなくはありませんが、優しさがなければ家族は持てないと思いますよ。

桜まつり期間中、例年通り米蔵玄関を賑やかせたアトリエフィエスタさん。こちらの画には、なんとも言えない優しさがあります。横手市の「秋田ふるさと村」に拠点を構えたフィエスタさんは、これからさらに秋田県南部との縁が深まるでしょう。

カミさんもこちらの画にハマっていて、マイカーの運転席シートと助手席シートにこの画のTシャツを着せたいと言い出しました。出店中の空いている時間で描いてもらった画がこちらです。


〔運転席シート〕


〔助手席シート〕

上の画は私とカミさん、下の画は三人の娘たちです。添えられた文言に、フィエスタさんのお人柄がよく表れていますね。
今日お越しくださったおばさまの息子さんにも、下のTシャツに添えられた言葉がやがて実現されることを願ってやみません。

コメント
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