角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

老後の模範像。

2008年06月17日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズLグループ25cm土踏まず付き〔4500円〕
茶色基調のふくろう和柄プリントをベースに、合わせはグレーです。ふくろうがメインの和柄プリントなんですが、ゴチャゴチャ感がなんともイイですね。合わせも落ち着いた色調で、シブい草履になりました。

下半期実演初日を終えました。天気も上々、気温も少し暑いかなくらいでとってもイイですね。ただJRの乗り放題チケット期間にしては、お客様の数が幾分寂しいかも知れません。無理もありませんね、首都圏から角館へ来るには宮城・岩手を通らなければいけませんから。

下半期実演最初の“お嫁入り”は、一昨日のブログでご紹介した「小花プリントに三色合わせ」の草履でした。
お買い上げは仙台市からお越しのご夫婦、奥様は70歳代とお見受けしましたが、こちらの草履を選ばれるだけあって可愛い印象のおばさまです。選択肢をふたつ残してこちらに決めたのは、ご主人の勧めでした。奥様にはいくつになっても可愛い草履を履かせたい、老後の夫婦像としてお手本と思います。

仙台と聞いてやはり気になったのは先日の地震です。『被害はなかったですか?』とお訊ねすると、『そうねぇ、飾り棚からずいぶんモノが落ちたわ。これから帰って片付けしないとねっ』。
あらら、地震の片付けより旅行が優先ですかっ!?

でもこうして肝が据わったご年配者は、やはり「模範」と言えるんじゃないでしょうか。『ガタガタ言ったってはじまらないわよぉ』みたいな度量、見習いたいもんです。

「岩手・宮城内陸地震」の余震確率は、今もマグニチュード5以上で90%だそうです。被災地へお見舞いを申し上げると共に、『それでも旅行には行くわよっ』とおっしゃる方々を笑顔でお迎えしたいと思います。

コメント
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