角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

小足に優しい草履。

2008年06月27日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズLグループ26cm土踏まず付き〔4500円〕
青基調のおかめ・ひょっとこプリントをベースに、合わせは青です。浴衣を想わせるベース生地に清涼感を感じますね、夏向きの配色と思います。

ここ数日は平年並みの気温に戻っています。朝晩は少し寒く日中は若干汗ばむ、ちょうどイイ気候じゃないですかね。ときに梅雨らしい雨もあるのですが、降る時間帯が夜なんですね。西宮家となりの建築現場も、思うように進んでいるようです。

一昨日、ネクタイ姿の比較的お若い男性お三方が訪れました。うちのおひとりが草履を気に入ってくださり、ご自分用をお買い上げです。
試し履きの草履は履き心地を試していただくのが一番なんですが、同時にサイズ確認の意味もあります。男性、女性どちらも計れるよう、23cmと26cmを用意しているんですね。

こちらの男性がなんの躊躇もなく23cmに足を入れました。大きな足の人が小さな草履を履くと、先ツボが伸ばされて履き心地が悪くなります。でも試し履きしているお客様へそれはなかなか言えませんから、伸ばされたら付け直すかくらいに思っていました。
するとこちらの男性、23cmの草履に見事足が収まったんです。靴のサイズをお訊きすると23.5cmとのこと。これまでの実演で男性がご自分用に23cmの草履をお買い上げは、ご年配の方で二人か三人でした。

今日こちらの男性が再度お越しになり、お母上用の草履をお買い上げくださいました。そのサイズは21cm、土踏まずが付くMグループの中で最小です。
成人女性の21cmは、案外珍しくありません。そしてそんな女性によく言われるのが、『履物で色が選べるなんて嬉しいっ!』。

成人用で21cmという履物は、市場にかなり珍しいそうです。『21cmの靴を見つけたら、否応ナシに買わなきゃならないの。次いつ巡り会うか分からないのよぉ』、こんな言葉をよく聞きます。
とりあえず室内履きの草履でよろしければ、角館の草履職人にお任せくださいっ。

そして先の男性は、一年に一度だけ三日間角館に滞在する盛岡市の方でした。この稀な三日間でお母上とご自分用の草履をお買い上げいただけた、この縁にも感謝したいものですね。

コメント
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