角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

初ハイカラさん。

2008年03月20日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズMグループ23cm土踏まず付き〔4000円〕
ピンク基調の桜プリントをベースに、合わせはクリーム地の小花プリントです。淡い春を想わせる可憐さがありますね。文句ナシ、可愛い草履と思います。

「今日の草履」は、そろそろお孫さんがいらっしゃるくらいのおばさまがお選びくださいました。ある程度年齢を重ねられた女性がこうした配色をお選びになると、作り手としてはほんとに嬉しいもんです。
今期実演“初記念写真”は、こちらのおばさまがお買い上げの草履を手に「パチリッ」と相成りました。

こちらも今期初は、西宮家名物「はいからさん」です。はいからさんに扮したお若い女性お二方と、それぞれのお母さんと思しき女性四人旅でした。ひとりのお母さんが明らかに言葉が違ったので、『どちらからですか?』とお尋ねすると、そのお母さんは四国高知県、もうおひとりのお母さんは新潟県だそうです。いかにも土地が離れてるので『親戚とかですか?』とお尋ねすると、『いえいえ、この子たちが秋田の大学に来てて、明日の卒業式に来たんですぅ』。

はいからさんに扮していた女性は秋田市にある大学の友人同士、明日の卒業式を最後に秋田を離れるんだそうです。ご実家から卒業式出席のためにお出でのお母さんと、最後の秋田を愉しんでいたんですね。
ただ草履をお買い上げくださったのはそれぞれのお母さん、「卒業記念」ではなく「娘の卒業式のために秋田を訪れた記念」というわけですね。もちろんなんの問題もございません、誠にありがとうございました。

お帰り際ふたりの卒業生へ、『機会があったらまた遊びに来てくださいねっ』と言うと、ありったけの笑顔で『はいっ、また来ま~す!』。
元気ではつらつとした女性ふたり、秋田県からいなくなってしまうのはちょっと惜しいと思いました。これから船出する世間の荒波、その笑顔と元気があれば大丈夫でしょ。

希望に胸ふくらませる若人たち、やはり春はイイですなっ!

コメント
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