チャイコフスキー作曲、交響曲第6番「悲愴」の聴き比べを再開してから約1か月半。
その間、約80枚のCDとレコードを聴いた。
自分にとっての「名盤」を未だ特定するには至っていないが、かなり絞り込まれてきている。
この曲は、私にとっては人生を変えたと言っても過言ではないほど、大きな影響を与えてくれた特別な曲だ。
あの20代の最も苦しく、危険だった頃に、天が差し伸べてくれた救いの音楽であった。
30年以上経ってからあらためて聴き比べしてみると、指揮者により驚くほど解釈が異なることが分かる。
この曲から作曲者であるチャイコフスキーの本当の感情を読み取って表現することは至難の業だ。
とくに第4楽章では、チャイコフスキーが恐らく人生の大半に渡って苦悩したであろう、深刻な心の叫びが聞こえてくる。
生き地獄のようなどうすることもできない、心の苦しみ、それは心の深いところまで抑圧され、開放されずにため込まれたさまざまな強いマイナス感情が引き起こしているものであったに違いない。
チャイコフスキーはこの苦しみから抜け出せなかったから、この曲を書けたのである。
感情を開放し、苦しみを乗り越えたとしたら、恐らくこのような生々しい曲を書くことは出来なかったであろう。
私も当時の抑圧されていたざまざまなマイナス感情が殆ど開放された現在、この曲を聴いて感じる度合いは30数年前とだいぶ異なっている。
当時はものすごく感情が放出された。
同じように人生に大きな影響を与えた曲として、「木琴」という合唱曲があった。
今までの人生で最も幸福だった中学3年生のときに合唱大会で歌った曲だ。
この曲がその後の人生でふと頭に流れてくることが何度かあった。
しかしこの曲の曲名を忘れてしまっていたので、聴きたいと思っても探し出すことは出来なかった。
30年経過した40代半ばの頃、偶然、Youtubeでこの曲に再会した。
この時の衝撃と感動は今でも忘れることはできない。
それから約2か月間の間、毎日、この曲を何度も再生し、感情が開放される日々が続いた。
今日現在まで聴いた「悲愴」リストを下に貼っておく。
黄色表示が心に残った演奏だが、まだまだ聴き込みをしないと判定できない。
今後入れ替わることもありうる。
作曲者がこの曲に求めているのは、上手く綺麗に演奏することではないだろう。
チャイコフスキーが歩んだ生き様、人生の縮図を頭に描いて「意図的に」ではなく、自分のものとして表現できるものが大きな感動を残してくれるのではないかと思う。
指揮者 | 楽団 | レーベル | 録音年 | 録音形態 | 録音場所 |
ユーディ・メニューイン | ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団 | mcps | 記載無し | スタジオ | 記載無し |
ヴァレリー・ゲルギエフ | ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 | PHILIPS | 2004.09 | ライブ | |
エーリヒ・クライバー | パリ音楽院管弦楽団 | LONDON | 1953.11 | ||
ヘルベルト・フォン・カラヤン | ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 | グラモフォン | 1984.01 | スタジオ | ウィーン |
小澤征爾 | パリ管弦楽団 | PHILIPS | 記載無し | スタジオ | 記載無し |
シャルル・ミュンシュ | ボストン交響楽団 | RCA | 1962.03 | ボストン | |
アルトゥーロ・トスカニーニ | NBC交響楽団 | RCA | 1953.01 | ニューヨーク | |
ロヴロ・フォン・マタチッチ | チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 | コロンビア | 1968.02 | プラハ | |
ヴァレリー・ゲルギエフ | サンクトペテルブルク・キーロフ歌劇管弦楽団 | PHILIPS | 1997.07 | フィンランド | |
ヘルベルト・フォン・カラヤン | ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 | グラモフォン | 1976.05 | ベルリン | |
エフゲニー・ムラヴィンスキー | レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団 | グラモフォン | 1960.09 | ウィーン | |
グィード・カンテッリ | フィルハーモニア管弦楽団 | EMI | 1952.11 | ロンドン | |
ヨーゼフ・ウィレム・メンゲルベルク | アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 | LYS | 1937 | ||
カルロ・マリア・ジュリーニ | ロスアンジェルス・フィルハーモニー管弦楽団 | グラモフォン | 記載無し | 記載無し | |
レナード・バーンスタイン | ニューヨーク・フィルハーモニック | グラモフォン | 1986.08 | スタジオ | ニューヨーク |
朝比奈 隆 | 大阪フィルハーモニー交響楽団 | CANYON | 1990.12 | 大阪 | |
クルト・ザンデルリンク | ベルリン交響楽団 | DENON | 記載無し | 記載無し | |
エフゲニー・ムラヴィンスキー | レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団 | メロディア | 1949.04 | レニングラード | |
クラウディオ・アバド | シカゴ交響楽団 | CBSSONY | 1986.10 | スタジオ | シカゴ |
クラウディオ・アバド | ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 | グラモフォン | 1973 | ハンブルグ | |
イーゴリ・マルケヴィッチ | ロンドン交響楽団 | PHILIPS | 記載無し | 記載無し | |
エフゲニー・スヴェトラーノフ | ソ連国立交響楽団 | メロディア | 1967 | 記載無し | |
小澤征爾 | ボストン交響楽団 | エラート | 1986 | ボストン | |
アントン・グター | リビュリアーナ・ラジオ・シンフォニー・オーケストラ | DDD | 記載無し | 記載無し | |
エフゲニー・ムラヴィンスキー | レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団 | ビクター | 1982.10 | ライブ | レニングラード |
エフゲニー・ムラヴィンスキー | レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団 | メロディア | 1950.2 | ライブ | 記載無し |
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー | ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 | ジョイサウンド | 1938 | ||
ジャン・マルティノン | ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 | ロンドン | 1958.04 | ウィーン | |
ヘルマン・アーベートロート | ライプツィヒ放送交響楽団 | Deutschc schllpatten | 1952.01 | スタジオ | ライプツィヒ |
ヘルベルト・フォン・カラヤン | ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 | ダイソー | 1948 | 記載無し | |
ユージン・オーマンディ | フィラデルフィア管弦楽団 | RCA | 1968.05 | ||
リッカルド・ムーティ | フィラデルフィア管弦楽団 | ANF | 1982.09 | ライヴ | ロンドン |
円光寺 雅彦 | 仙台フィルハーモニー管弦楽団 | DIGITAL | 1989.5 | 東京 | |
ヘルベルト・フォン・カラヤン | ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 | グラモフォン | 1964.02 | ベルリン | |
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー | ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 | グラモフォン | 1951.04 | ライヴ | カイロ |
ピエール・デルヴォー | アムステルダム・フィルハーモニック協会オーケストラ | Audio Fodelity | 1959 | ライブ | |
ヘルベルト・フォン・カラヤン | ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 | EMI | 1971.09 | スタジオ | |
セルゲイ・クーセヴィツキー | ボストン交響楽団 | RCA | 1930 | ||
フェレンツ・フリッチャイ | ベルリン放送交響楽団 | グラモフォン | 1959 | スタジオ | |
セルジュ・チェリビダッケ | ミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団 | EMI | 1992.11 | ミュンヘン | |
エフゲニー・ムラヴィンスキー | レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団 | ALTUS | 1975.6 | ライヴ | 東京 |
サー・ゲオルグ・ショルティ | シカゴ交響楽団 | LONDON | 197505 | シカゴ | |
ロリン・マゼール | クリーヴランド管弦楽団 | CBSSONY | 1981.10 | スタジオ | クリーヴランド |
ベルナルト・ハイティンク | ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 | PHILIPS | 1978.10 | アムステルダム | |
アンタル・ドラティ | ロンドン交響楽団 | Mercury | 1960.06 | スタジオ | ロンドン |
マリス・ヤンソンス | バイエルン放送交響楽団 | SONY | 2004.06 | ライヴ | |
ドミトリー・キタエンコ | ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団 | OEHMS | 2010.01 | スタジオ | |
ヘルベルト・フォン・カラヤン | NHK交響楽団 | グラモフォン | 1954 | ライヴ | 東京 |
エリアフ・インバル | フランクフルト放送交響楽団 | DENON | 1991.02 | フランクフルト | |
ウラジーミル・フェドセーエフ | モスクワ放送交響楽団 | JVC | 1981.06 | スタジオ | モスクワ |
クルト・マズア | ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 | シルヴァーレーベル | 1986 | スタジオ | |
オットー・クレンペラー | フィルハーモニア管弦楽団 | EMI | |||
ウラジーミル・フェドセーエフ | モスクワ放送交響楽団 | ビクター | 1991.03 | スタジオ | モスクワ |
小澤征爾 | サイトウ・キネン・オーケストラ | PHILIPS | |||
小林研一郎 | チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 | EXTON | 2000.10 | プラハ | |
ウラディーミル・フェドセーエフ | モスクワ放送交響楽団 | ARTHAUS | 1991 | フランクフルト | |
カール・ベーム | ロンドン交響楽団 | グラモフォン | 1978.12 | ロンドン | |
サー・ジョン・バルビローリ | ハレ管弦楽団 | ROYAL CLASSICS | 1958.08 | ステレオ | マンチェスター |
キリル・ペトレンコ | ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 | King | 2017.03 | ステレオ | ベルリン |
ディミトリ・ミトロプーロス | ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団 | コロンビア | 1961.09 | ステレア | 記載無し |
イーゴリ・マルケヴィッチ | ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 | グラモフォン | 1953.12 | ステレオ | ベルリン |
フェレンツ・フリッチャイ | バイエルン放送交響楽団 | ORFEO | 1960.11 | ライヴ | ミュンヘン |
ギュンター・ヴァント | 北ドイツ放送交響楽団 | RCA | 1991.12 | ライヴ | ハンブルク |
ヴァレリー・ゲルギエフ | マリインスキー劇場管弦楽団 | MARINSKY | 2010.01 | ライヴ | サル・プレイエル |
キリル・コンドラシン | モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団 | Altus | 1967.04 | ライヴ | 東京 |
ヤシャ・ホーレンシュタイン | ロンドン交響楽団 | SERAFHILM | 記載なし | ステレオ | 記載無し |
ラドミル・エリシュカ | 札幌交響楽団 | PASTIER | 2014.04 | ライヴ | 札幌 |
ラファエル・クーベリック | ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 | EMI | 1960.11 | スタジオ | ウィーン |
セミヨン・ビシュコフ | ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 | PHILIPS | 1987.01 | スタジオ | アムステルダム |
イーゴリ・マルケヴィッチ | NHK交響楽団 | NHKCD | 1983.01 | ライブ | 東京 |
ジュゼッペ・シノーポリ | フィルハーモニア管弦楽団 | グラモフォン | 1989.08 | スタジオ | ロンドン |
ヴァーツラフ・ターリッヒ | チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 | PARLIAMENT | 1954 | スタジオ | 記載無し |
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー | モスクワ放送交響楽団 | メロディア | 1972 | スタジオ | モスクワ |
ギュンター・ヴァント | BBC交響楽団 | “O””O””O”CLASSICS | 1987.04 | ライヴ | |
ギュンター・ヴァント | BBC交響楽団 | “O””O””O”CLASSICS | 1988 | ライヴ | ロンドン |
ロヴロ・フォン・マタチッチ | NHK交響楽団 | Youtrbe | 1967.01 | ライブ | 東京 |
カルロス・パイタ | ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団 | amazon prime | 1980 | スタジオ | ロンドン |
ピエール・モントゥー | ボストン交響楽団 | Youtrbe | 1955 | スタジオ | ロンドン |
パウル・ファン・ケンペン | アムステルダム・コンセルトへボウ管弦楽団 | PHILIPS | 1951.05 | スタジオ | 記載無し |
ウラディミール・ゴルシュマン | ウィーン国立歌劇場管弦楽団 | Youtrbe | 1959 | スタジオ | ウィーン |
ズービン・メータ | ロサンジェルス・フィルハーモニー管弦楽団 | London | 1977.08 | スタジオ | アメリカ |
ヘンリー・リバイス | ロイヤル・フィルハーモニー・オーケストラ | EYEBIC.INC | |||
ギュンター・シュテーン | ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 |
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