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緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

磐城・常陸・磐越地方ローカル線の旅(5)

2022-09-11 20:49:14 | 旅行
(前回からの続き)

5月3日(火)

6:30起床。
ホテルには簡単な朝食サービスがあった。和食の弁当かロールパン+ウィンナー・スクランブルエッグのどちらかの選択であったが、後者にした。
ボリューム感のある和食弁当はちょっと食べきれそうになかった。食事は部屋でも可であったが、ロビーの一角で食べることにした。
しばらくして、怒鳴り声が聞こえてきた。ある中年の男性客がソースが無いことに腹を立て、従業員に罵声を浴びせていたのだった。

いわき発、郡山行の列車は8:30発で十分時間があったが、7:50過ぎにチェックアウトした。外は快晴だったが、風は冷たい。今日までは気温が低いようだ。
しかし十分睡眠をとったせいか調子はいい。やはり健康でいるためには睡眠を十分にとることが重要だということが分かる。
いつも4,5時間の睡眠なので疲れている感じだ。記憶力や判断力の低下といったことがこのところよく起きていた。





8:30定刻発車。郡山行ワンマンカー、2両編成、ディーゼルカー、単線だ。「磐越東線(ゆうゆうあぶくまライン)」という路線だ。







1両目先頭の長イスに座る。乗車率は50%くらい。昨日の水郡線と違って、山あいを縫うようにして走っていく感じだ。
赤井からやや上りとなる。
農地が多いが、駅の周辺に新興住宅が立ち並び、農地は水田が多い。
小川郷から短いトンネルが多くなる。山林の中にところどころ、薄紫色の「ふじ」の花が咲いているのが意外だった(天然ものか?)。
トンネルに入るたびに汽笛が鳴る。東北電力赤井川水力発電所が見えた。

この路線もかなりのローカル線だ。速度も遅い。駅は無人駅だが、雨をしのぐための小さな屋根付きの待合所はあった。
天然の藤の花がいくつも咲いているのが見える。中井を過ぎるとトンネルの数が増えてきた。
運転室内の速度計を見ると40㎞手前を指していた。将来この路線も廃止される運命なのか。
渓流が見えてきた。線路沿いに道路が通っている。ドライブするには最高の道ではないか。
川前で2分停車。乗客の中に30代くらいだろうか、私と同じようにローカル線の旅行に来ていると思われる男性客がいた。
あのでかい時刻表を見ていたから、相当の鉄道好き(マニア)に違いない。旅行にあのサイズの時刻表を持っていく人はそういない。
行き違い列車が来てから発車。川前からずっとゆるやかな上りだ。短いトンネルもさらに多くなる。
夏井の手前で勾配は平らになり開けてきた。駅舎も若干大きい。無人駅ではないようだ。ここからは平野となり、建物も多くなる。

こういうローカル線で、過去に乗っておくべきだった路線として思い浮かぶのは、北海道の朱鞠内線、夕張線などだ。
小野新町からやや下りとなる。郡山までずっと下りだろうか?。菅谷あたりから眠気が催してきた。
大越から客が乗ってきた。正面の窓がふさがった。その後でたくさんの乗客が乗ってきたが、いつの間にか眠ってしまった。目覚めたのは終点郡山の手前であった。

10:10郡山着。



ここからは磐越西線の会津若松行、快速「あいづ1号」に乗り換える。トイレに寄ろうかと思ったが、微妙な時間だ(10:15発)。そのまま乗車することにした。4両編成の電車であったが、凄い混みようだ。





発車してしばらくは、建物の新しい新興住宅地を通り、そこを過ぎると運送会社の拠点や工場などが点在するようになるが、その後は次第に農地が広がる風景に変わってゆく。
途中、「猪苗代湖」駅で多くの乗客が降りる。それでもほとんどの客が会津若松駅で降りるようだ。路線と並行して走る道路の車の数も多い。
1時間ちょっとで終点、会津若松駅に着く。
会津若松には今から25年くらい前に訪れたことがある。お城や武家屋敷、白虎隊などの関連施設が思い出される。あとは、泊まったビジネスホテルが意外に綺麗だった(風呂のカーテンに黒カビは生えていなかった)ことや、ホテルの近くの道路でビヤガーデンが催されていたことや、かつ丼専門店で、おいしいエビカツ丼を食べたことが記憶に残っている。
そうだあの時は会津若松からバスで五色沼まで足を延ばし、ユースホステルに泊まったのだ。だけど五能線の十二湖の方が美しかったな。

11:25会津若松着
5分の待ち合わせで、喜多方行の普通、ワンマンカー、ディーゼル2両編成に乗り換える。





田んぼの広がる大きな平野にを進み、20分弱で喜多方駅に到着。
喜多方駅周辺は意外と閑散としていた。駅でもらったガイドマップを広げて喜多方ラーメンの店を目指す。老〇〇という黒いのれんのある店がいいようだ。数十店が登録されているとのこと。



れんが造りの建物が多い。





ラーメン店が集まる場所まで歩いて約20分。結構駅から離れている。駅から近い店はすでに行列が出来ていた。時間もちょうど12:00ちょっと前。
なるべく奥の方を目指す。行列の出来ていない店があったので、そこに入ることにした。
〇〇という店。小さな店で12人くらい入るくらいの広さであったが、運よく未だ混んでいなくて座れた。



チャーシューメン(950円)を注文する。10分くらい待ってチャーシューメンが来た。



チャーシューがいっぱい入っている。スープは魚のダシ風で、あっさりしていて油分がほとんど無い。
このスープは自分に合っている。しかもおいしい。麺は太目でちぢれている。色は黄色ではなく、薄い茶色で半透明といった感じだ。
やや腰がある。チャーシューはどうかといと、意外にも薄切りだった。というのは東京有楽町駅近くのガード下(小汚い立ち飲みの居酒屋(日の基とか言ったかな)の隣だったか)で食べた喜多方ラーメン専門店(坂内とかいったかな)で初めて食べたときのチャーシューは厚切りだったので、喜多方ラーメンのチャーシューは厚切りが特色だと思い込んでいたからだ。
もしかすると店によって違うのかもしれない。私は今日食べた店のチャーシューの方がずっと味に深みがあり、やわらかくておいしかった。
同じ喜多方ラーメンでもこうも違うものなのかという感じだ。もしかすると大都会で出ている喜多方ラーメンの専門店は本物でないのかもしれない。店を拡張すれば、作る人も現地の人ではなく、教わった都会の人が作るようになるからだ。
やはり本物の味を味わうのであれば現地を訪れて昔からある店で食べるに越したことはない。大満足の一杯であった。

(次回に続く)
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母面会前夜

2022-08-11 19:36:36 | 旅行
施設にいる母に面会するために北海道に帰ってきた。
今、某駅近くの宿に泊まっている。
やはり関東より10℃くらい気温が低い。

千歳空港に着いてから空港でてんやの天丼を食べてから、札幌に出て母に食べてもらうお菓子を買うために六花亭の本店に行って3,150円の詰め合わせを買う。
その後、ソフトクリームが食べたくなったので、島村楽器に立ちよったbillの小綺麗そうな喫茶店に入ってソフトクリーム275円プラスホットコーヒー500円、計775円を注文した。
ちょっと高いけど、いいやと思った。

ソフトクリームがうまい。コーンにいっぱいクリームが詰まっていて、味もいい、クリームの量が見かけより多かった。
コーヒーの味もなかなか。今まで口にしたことのない甘い香り。
休日の至福のひととき。
会計をしたら何とセット割引とかで385円。安い。
ラッキー😃💕
次に帰省したらまた来よう。

その後宿で飲むための日本酒をビックカメラで買った。
宿は民宿のような感じであった。



四畳半の畳の小さな和室。



過去に泊まった客が、恐らく酔い潰れて、おびただしい量のゲロを吐いたとおもわれる大きな染みが2箇所ついていたが、まあいいや。
学生時代にマンドリンクラブでない方の団体の合宿で、カビの大量にはえたゲロ布団に寝るという経験をしているので、このくらい何でもないのである。(きたない話題で申し訳ありません)

夕食は近くのスーパーで弁当を買って食べる。
北海道産のミニ納豆も買って食べてみた。









夕食後は北海道産の吟風という酒米を使った国士無双モシリという旭川の高砂酒造の酒を飲む。
やはりうまい。





吟風を使った酒はこれまでに、増毛の国稀酒造と新十津川の金滴酒造の純米酒を飲んだことがあるが、いずれも米の風味を重視した味作りの日本酒らしい日本酒であり、昨今の甘ったるいだけの酒とは一線を画すのである。

いい気分のところでシャワーを浴びてきたが、今日の宿泊客は私一人だけのやうだ。
今までもそういうことが何回かあったな。

しかしそれにしても静かだ。部屋にテレビもラジオもない。
こういうの大好き。
持ってきた心理学の本を読みながら、思索にふける。
最高の至福感だ。


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磐城・常陸・磐越地方ローカル線の旅(4)

2022-07-10 23:19:17 | 旅行
(前回からの続き)

13:48、水戸駅着。次のいわき行きの発車まで約1時間ある。
ここで昼飯を食べることにしよう。まず立ち食いそば屋が駅構内にないか探したが無かった(ホームにはあったかもしれないが)。
改札を出てみると、地上よりも高くなっている。駅ビルと併設されているのだ。
駅ビル内に何か食べるところがないか探したら、4Fにラーメン屋が3軒入っているのが案内板で分かったので、行ってみることにした。
4Fまでエスカレーターで行って店を探したが見つからない。「変だな?」。
また元の場所に戻って案内板のあるビルの4Fに今度はエレベーターで行ってみたら、またさっきと同じ場所。
「あの案内板は一体何なんだ」と思いつつ、ラーメンは諦めて反対方法の出口へ行ってみることにした。
すると吉野家があった。吉野家でもいいかと思ったが、この先に何か店があるのではないかと思って行ってみたら、何とさっきの案内板にあったラーメン屋の案内板がここにもあるではないか。
どうやらラーメン屋はこっちのビルの4Fにあるらしい。最初の案内板は一体何だったのか。すっかりだまされた。
発車時刻まであと30分ちょっとしかなかったが、とりあえず4Fまで行ってみることにした。
ラーメン屋は3軒あったが、うち2軒は出口付近に待ち客が数名、もう1軒はやけに空いていたのでラッキーと思って出入口のメニューを見たら、一番安くて1,230円!。これはいくら何でも高過ぎだ。
時間も無いのでラーメンは諦めて吉野家にすることにした。

吉野家で食べるのは久しぶり。工場勤務時代は仕事帰りによく立ち寄ったものだったが、ここ数年は殆ど行っていなかった。
店のメニューを見たら驚いた。
親子丼、ユーリンチー定食(&丼)、からあげ定食(&丼)、焼肉(&丼)、サバ味噌煮定食、うな重、従来の牛丼以外のメニューの多さにびっくり。
いつからこんな路線に変わってしまったのだろう。(カレーもある)

親子丼を注文。味は悪くない。なか卵よりもうまいかもしれない。388円、これはいい。
私が初めて吉野家の牛丼を食べたのは1987年、就職で東京に出てきてからだ。東京有楽町駅前の店(今でもある)だったけど、当時のメニューは牛丼と牛皿の2種類しかなかった。
サイドメニューでお新香や生卵もあったかな。この当時は特別おいしいとは感じなかったが、店はいつも混んでいた。
狂牛病問題が発生してから豚丼になり、その後牛丼が復活したが、店内が何故か牛肉の生臭いにおいが充満しているのを感じて、それ以来足が遠のいた。
しばらくして、牛すき鍋膳など、特別メニューが出てくるようになってからまた行くようになったが、この頃からメニューが増え始めたのだと思う。そう言えば「ベジなんとか丼」って無くなったのか?。
昔、牛しゃけ定食というのがあったが、これをよく注文したものだった。この定食のごはんに生卵をかけて食べるのが好きだった(今でもあるのか)。

14:38発、いわき行きの5両編成の電車に乗る。今日最後の乗車となる列車だ。





さて、今日の晩飯は何にするかな、などどと考える。
まもなく睡眠不足からかいつの間にか居眠りをしてしまった。
目が覚めたのは「植田」という駅。中学生の大軍が乗り込んできて、にわかに車内が密集状態となりにぎやかになる。
中学生軍団の殆どは終点のいわき駅で降りた。
いわきの手前は田舎という印象であったが、駅の周辺は結構都会であった。風があり寒い。







ビジネスホテルは駅から5分のところ。和室の安宿は見つけられなかった。
今日は満室のようだ。フロントはひっきりなしに客の対応をしていた。

部屋に荷物を置いてから、地酒を買いに出かける。
途中、駅前ビルの中の寿司屋で、かつおの竜田揚げ定食、1,350円を注文した。随分とふんぱつしたもんだ。
やはり高いだけあってボリュームがあり、味もいい。これはおいしかった。久しぶりに満足感のある食事だった。
夕食後、ネットで調べた日本酒専門店でいわきの地酒300ml入りと福島県の地酒「廣戸川」という銘柄の180ml入りびん各1本を買ってホテルで飲む。



20:00頃、シャワーを浴びる。カーテンは新しく、黒カビは生えていなかった。
浴室、トイレ、ベッドなど部屋の中の設備は清潔で不快な感じはしなかった。



欲を言えば、せっけんがあって欲しかった。液体のヌルッとしたボディソープがボタンを押せば出るようになっていて、それを顔を洗うのに使ってくれ、ということであるが、香料のにおいとネバネバ。ヌルヌルの感触が思わず「ウェッ!」とさせるものだ。

夜21:00過ぎに床に入る。
毎日、バイブルのように読んでいる心理学の本を読む。
その本の中で、「自分はどうなりたいのか」、「自分が今、手に入れようとしているものは何か」、その自分の欲について、良い悪いの判断(ジャッチ)を入れずに、ただしばらくそのことに焦点を合わせて観察し、感じてみることに時間を割いてみて下さい、たっぷり時間をかけて、と提案していた。
「将来、何をすればいいのか」、「どう行動すれば良いのか」は考えなくて良いという。それはあなたが自分の本当の欲が解ったと悟った後にやって来るという。
なるほど、私は今までずっと長い間、前者のことは考えず、後者のことをまず考え、優先し、がむしゃらに頑張った結果、心を病み、生きづらい人生を送るはめになってしまったのではないかと思った。

「自分の本当の気持ちではなく、人に認めてもらうため」、「人に受け入れてもらうため」、「人の迷惑にならないように」というような恐怖を動機とした生き方をして来たのだと思う。
その背景としては、自分を否定された過去があり、その体験を起点として自己否定の構えが根付いてしまったことが考えられる。
このような生き方が心を病む原因となって、不幸な人生を送る原因になっているのだが、これに気が付けないで生きている人は案外たくさんいるのではないだろうか。
そんな事を考えているといつの間にか眠りについてしまった。
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磐城・常陸・磐越地方ローカル線の旅(3)

2022-06-05 22:03:47 | 旅行
(前回からの続き)

11:20「常陸大子」(ひたちだいご)に到着。ここからワンマンになるとのアナウンスがあった。
運転手も交代する。
運転手は60代半ばくらいの方だった。若い運転手との楽しそうな交代のやり取りを見ていると、都会と違って田舎はいいものだと感じてしまう。
ここから川沿いを走るようだ。天気はくもり。
既に茨城県に入ったと思うが、方言はやはり県ごとに(県単位で)違うのか。県境に住んでいる人はどうなのだろう。
袋田(ふくろだ)という駅で、袋田の滝の看板が立っていた。これって群馬県でなかったっけ?。
昔群馬方面に林道に行ったときに通りがかったところが袋田の滝で、実際に見物もしたことがあるのだが、名前を間違いて憶えていたか(吹き割りの滝?)。
近くに袋田温泉という温泉もあるようだ。

農家が殆どであろうか。水田は見かけない。畑作か?。
列車はゆるやかに下っていく。福島県内の途中からずっと下りのような気がする。茨城の方が標高が低いのか。
「中舟生」という駅は待合室のようなものが無く、小さなホームのみ。ホームから直接、外に出られるようになっていた。
「山方宿」という駅。近くに古い旅館が見えたが、昔は宿場町でその名残りが残っているのだろうか。
商人宿か。こんな田舎に泊まりに来る人がたくさんいるとは思えないが。

「常陸大宮」あたりからだいぶ開けてきた。この後は水田が広く拡がっている。
そのうちうとうとと居眠りをしていたら、乗り換え駅の「上菅谷」駅の近くまで来ていた。
12:20、上菅谷着。ここで12:35発「常盤太田」行きに乗り換える。



駅員に乗り換えの列車を確認する。「常盤太田」行きは1番線に停車していた。







2両編成のワンマン、ディーゼルカーに乗車する。単線。
沿線は農家ばかりで、遠くには水田が拡がる。駅は粗末な無人駅だ。
「額田」(ぬかだ)を過ぎるとしばらく林の中を走っていく。
「河合」で客がけっこう降りた。ここからは水田の平地が広がる。
そうこうしているうちにあっという間に終点の「常陸太田」駅に着いた。12:49着。





「常陸太田」駅の駅舎は比較的新しい。広い待合室には誰もいなかった。
待合室の隣に小さな観光案内所兼土産物屋があったので、中に入ってみた。
常陸太田のガイドマップをもらい、案内所の方と2,3会話をする。
ガイドマップを見ると結構見どころはあるようだった。古い建物が点在する「鯨が丘」商店街が散策するのに良い所のようである。
駅からちょっと遠い。時間があれば行ってみたいのだが、今回の予定にはなかったので、次の機会に譲ることにした。(全部見るのには半日くらの時間が必要だろうか? 来るのであれば車もいいな)







13:11、常盤太田発、上菅谷行き2両編成ワンマンカーに乗車。(写真を撮るのを忘れた)



途中の駅は駅舎など無い粗末な無人駅ばかり。







13:25、上菅谷着。ここで単線の水戸行きの普通列車(2両編成、ディーゼル、ワンマンカー)13:31発に乗り換える。
行き違い列車の遅れで2分程遅れて発車。







ここからは17分で水戸駅に着く。水戸で遅い昼食を取って、いわきへ直行することになる。
だいぶ開けている路線であるが、電化はされていない。
本数が少なく、乗客数の少ない路線に莫大な投資は出来ないだろう。ディーゼルカーも需要はまだまだ健在だ。
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磐城・常陸・磐越地方ローカル線の旅(2)

2022-05-22 22:33:08 | 旅行
(前回からの続き)

水郡線の列車のホームの端に、既に列車が停車していた。ディーゼルの2両編成、ワンマンカーではないが単線だ。





車内は空いていた。1両目の4人掛けボックス席に座る。
やはりディーゼル車の音はいい。これをうるさいと感じる人は間違いなく鉄道好きではないな。

住宅地や工場などと農家が混在しているような景観。しばらく進むと田んぼが広がってきた。
やはりローカル線はいい。気持ちが高揚してくる。リフレッシュするには最高だ。
今度は新緑の林の中に列車は入っていく。駅は無人駅だ。
「磐城」と書いて「いわき」と読む。この2文字が付く駅が福島県側、「常陸」の2文字の付く駅が茨城県側ということだろうか。

谷田川駅の表示板に「奥久慈清流ライン」と書いてあった。
谷田川から丘の上の走っていく。山の中に入ったようだ。しかししばらくするとまた水田のある景色が続くようになる。つかみどころのない車窓だ。
山のようで山でない。完全な平野でもない。林の中の線路は雑草で覆われていた。ローカル線特有の景観だ。

運転席右わき正面の窓の所に行って、写真を撮ろうかと一瞬思ったが、昨年9月のあのいまわしい津山でのトラウマ体験がフラッシュバックしてきたのでやめた。
しかし駅の目の前すぐが家やアパートというのは便利だ。列車の本数が少ないので音もあまり気にならないだろう。
所々、太陽光パネルが設置されていたが、あまりいい感じがしない。景観を損ねるし廃棄の課題も多いのではないか。

磐城石川駅で列車行き違いため10分停車。この駅は無人駅ではなかった。
列車が駅に到着するとすぐに反対側から列車がやってきた。
近くに「片倉温泉」という温泉があるようだ。上手く探せば、空いている穴場の小さな温泉は意外にたくさんあるのではないか。

10:13発車。しばらくすると眠気に襲われる。
ここからの景観はのどかな水田が広がり、トンネルは殆ど無い。勾配はゆるやかに下っているようだ。
「清流ライン」というけど、まだ清流どころか川そのものが現れない。
「磐城棚倉」という駅周辺に民家が点在するようになった。磐城塙あたりからだいぶ家が多くなってきた。それでも古い民家も点在している。
磐城石井の手前から下りが終わり、平地走行に戻ったようだ。東館にて5分程、列車行き違いのため停車。11:02発車。
矢祭山駅近くに来ると、ようやく清流らしき川が見えてきた。





清流を見る前にトイレに入った。ローカル線列車には似合わない大きなトイレで、ドアの開閉は自動ボタンを押す。最初操作方法が分からず戸惑う。
閉めるときもドアのボタンを押すが、自動でドアが閉まるものだと思って出た私は、この大きなドアを開けたまま出てしまった。
席に戻る途中でひょっとしてと思ってトイレを見たらドアが開きっぱなしだった。急いで戻って開閉ボタンを押す。
列車はゆるやかに下っているところだった。清流沿いにずっとのどかな景色が続いていた。





(次回に続く)
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