(前回からの続き)
スープも麺も残らず完食した。
さてお次はどこへ行こうか。時間があまりないので奥の方(蔵のたくさんある場所)には行けない。
ここはあらかじめ調べておいた、2つの酒蔵を訪れることにした。1軒は大和川酒造。大きな酒蔵で古い歴史のある蔵。江戸時代(1700年代)創業だと言う。
蔵の中に見学コーナーがあって、古い酒造りの道具や器、瓶などがたくさん展示してあった。
また酒造りの工程や基礎知識も解説してあり日本酒の基礎を学ぶのであれば、ここに来れば十分に成果が得られるであろう。
出口手前には試飲コーナーがあり、6つほどの銘柄の酒を試すことが出来た。この喜多方でも最も大きな酒蔵らしく、サービスは十分に行き届いていた。
試飲して最も旨かった純米酒1,260円(720ml)を1本、みやげに買った。見学の最後に酒造りに使うという、湧き水を飲ませてもらった。
まろやかでおいしい。水道水とは全く違う。
酒造りには水も重要な材料であることが分かる。
次に訪れたのは、清川酒造。
店は小さい。商店という感じだが、中は暗い。人もいない。何か嫌な感じがよぎったが、あらかじめ決めていたので迷わず中に入った。
中に入ったら、店に誰もいない。すると私の気配を感じたのか、1人の老人が出てきた。なんか怖そうな感じがした。
「試飲できますか」と恐る恐る訊いたら、無表情、不愛想に「そこにある」とひとこと。
3本、試飲用の瓶が並んでいた。ややぶっきらぼうな不愛想な声で「酒をつぐときは、おちょこを持ってついで」と言われた。
客がこぼすのを嫌がってのことであろう。
ヤフオクの決まり文句「神経質な人は入札をお控え下さい」に該当する輩だ。
純米酒と古酒(3年もの)と吟醸の3種類を試す。2つ目の古酒が独特の味で旨かった。
店の中の商品を見ると、20年ものの古酒があった。確か3千円だったと思うけど、これを買えばよかったかな。買ったのは3年物の1,700円のやつ。
店主は愛想が悪いが何か素朴さを感じるいい店だと思った。飾り気、商業主義的な雰囲気は全くなかった。
1軒目の酒蔵とは全く対照的な店だった。
いい時間なので駅に向かって歩いた。
駅に着いたら、記憶していた時刻の列車が掲示案内板に無い。「あれ、変だぞ}。
手帳の時刻を確認したらなんと1時間早く見ていた。次の列車まであと1時間もあるのだ。これは失敗だ。これだから普段から用意周到に抜け目なく準備しておかないからこういうことになるのだ。
仕方ないので荷物をコインロッカーに預け、再び、ラーメン街の奥の方まで行くことにした。
(次回に続く)
【追記】
帰宅してから大和川酒蔵と清川酒造の酒を飲んだが、清川酒造の3年物の古酒がとてもおいしかった。
アマゾンなどで通信販売していないかネットで調べたが見当たらなかった。
この酒を飲もうと思ったら現地に行くしかないのか。それとも電話して注文したら送ってくれるかな。
(ただ、あの不愛想で怖そうな老人に電話をするのは気が引けるな)