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緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

中国地方ローカル線の旅(5)

2023-09-15 21:37:49 | 旅行
(前回からの続き)

2022年9月25日(日)

5:30起床。けたたましい目覚まし時計の音で目が覚める。6.5Hは寝ただろうか。もう少し寝ていたいところだが、身支度をしてチェックアウトした。



三次駅に向かう。外は昨日より肌寒い。天気はくもり。人通りは無い。
駅に着くと広島行の総オレンジ色、4両編成ディーゼルカーが止まっていた。



ディーゼルカー独特のエンジン音と燃料のにおい、古い昭和時代の車両。今回の旅行でこの列車と同じ車両に乗れていない。この列車は6:40に発車した。発車間際に何人かの乗客が駆け込んできた。

6:55発の備後落合行の列車が入線してきた。ディーゼルのワンマンカー1両編成。ホームには私一人しかいない。右側のボックス席に座る。







6:55定刻発車。昨日もそうだったのだが、運転席の中から中学生のような甲高い女性のアナウンスの声が聞こえてきた。何か指令するような内容のアナウンスだ。これは初めて聞く。
神杉で列車行き違いで待ち合わせ。反対車線に三次行の同じ車両のディーゼルカーが入ってきた。

雨が降って来たようだ。社内は寒い。ジャンパーを着てきて良かった。
古い瓦ぶきの民家と田んぼが点在する風景。





山陰地方の奥の地域独特のものだ。1年前に山陰、山陽間の因美線の車窓から見えた民家の造りとは微妙に違う。今回見た民家は白壁に間隔を開けて茶色の縦と横の線(木材か?)が引かれている。
蔵の側面上部には丸い紋章のようなものが描かれている。去年、因美線から見た蔵の紋章は丸で囲んだ「寿」の文字だったはずだ。
七塚で鉄道ファンが外でこの列車に向かってカメラを構えていた。こういう古民家はもちろん畳の部屋だろう。中はどのようになっているのか。見てみたいものだ。
備後庄原駅で、「がんばろう芸備線」という白い垂れ幕がかかっていたが、廃線の危機にあるのだろうか。コロナによる収入減でJR各社はローカル線廃止の動きを加速させている。大糸線、因美線、芸備線、木次線や、函館本線の倶知安・長万部間などが廃止になるかもしれない。

ここから列車は登りとなるようだ。スピードがかなり遅い。右手に渓流が蛇行して流れ、その川を縫うようにして走っていく。ゆっくりした速度は自転車と同じくらいか。
高駅だろうか。「やっぱり、芸備線はええのよお!」という垂れ幕が見えた。また若い男性がホームの外からカメラでこちらを写していた。
しかしこの古民家の部屋数はいくつくらいなのだろか。掃除するだけも大変だ。2世帯住んでいるのだろうか。
平子からまた速度が遅くなる。渓流から随分上がった高さを走るようになった。「キヤマ」と書かれたレンガ造りの長い煙突が見えた。風呂屋か。こんな田舎で?。
備後西城は比較的大きな駅で周りの住宅も多い。ホームに古い使い古しの小汚い椅子が三脚並んでいたのがほほえましい。
ここからは平地だ。速度も速くなった。また睡魔に襲われてきた。眠ると体が冷えてくる。ここから両側が山(?)となり、民家は途絶える。スピードも遅くなる。木の枝が窓を擦る。車内が冷えてきた。居眠りをするとなおさら体温が下がる。そうこうしているうちに、次が終点の備後落合というアナウンスが聞こえてきた。

8:16、備後落合到着。









駅の改札を出ると、元芸備線の機関士だったというボランティアの方が話しかけてきた。駅舎の壁に掲示しているパネル写真などを解説してくれた。別の小屋のような所で、1970年当時の備後落合駅のジオラマを見せてくれたが、当時のこの駅の規模の大きさが、現在と比べ物にならないほど大きかったことが分かる。





しかしこの芸備線も一部を残して廃止対象にあげられているのだと言う。時代の流れの大きさを感じる。
これから乗る木次(きすき)線は標高が一番高い所で720mと勾配差の大きな路線で、途中でスイッチバックがあるとのこと。

(次回に続く)
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中国地方ローカル線の旅(4)

2023-08-19 23:07:57 | 旅行
2022年9月24日(土)
4:00に目が覚める。目覚まし時計は4:25にセットしておいたが、眠れそうもないので、そのまま起きることにした。昨日案内所で買った菓子パン2個を食べる。
フロントにキーを預け、5:30出発。外はそんなに寒くない。曇り空、まだ暗い。

10分程で駅に着く。



今日は府中経由で福山から「芸備線+福塩線」→井原鉄道を経由して総社(そうじゃ)、新見を通り(伯備線)、ふたたび芸備線に乗って三次まで帰ってくるというルートだ。切符はまず福山まで、1,690円で購入。



6:00発、府中行のディーゼルカー1両編成、ワンマンカーに乗る。単線だ。しばらくすると左手に大きな川沿いの走行となる。
列車内は意外と寒い。しかし朝焼けが見えることから今日は晴れて、気温は上がるだろう。



古い建物(民家)や田んぼが点在する。列車のスピードが遅い。乗客は私含めて3人のみ。やはり車内は結構寒く感じる。上着を来てくればよかったか。荷物は小さなバック1個のみだ。
ヤフー天気で調べてみると、今日の福山市の天気は快晴で気温が25℃まで上がる。もう少しのしんぼうだ。
時々木の枝と列車の車両が接触するために徐行運転をする。昨日の寝不足のせいか眠くなってきた。吉舎(きさ)で列車待ち合わせのためしばらく停車。

昨日の寝不足のせいか、いつのまにか眠ってしまった。目が覚めたら、車内は多くの高校生の乗客が乗りこんでいた。
あと10分で終点の府中だ。次の府中で1分の待ち合わせで7:51発、岡山行の列車に乗り換える。電車3(?)両。向かい側のホームだったので、すぐに乗り換えが出来た。ホームや電車の写真を撮っておけばよかった。
府中から住宅や工場などが増えてくる。建物も新しい。





今日は3連休の中日とあって、乗客は少ない。駅と駅の間隔が短く、発車時のドアはあっという間に閉まる。単線だ。駅も無人駅。
何故写真を撮らなかったかを考えていたら、「自分に対して自分で制限を設けている」という言葉が浮かんできた。自分で「こうに違いない」と勝手に思い込んで、「しない方がいい」と勝手に自分を抑えてしまっているのだろう。
この認識のためにどれだけ過去に体験したいことを逃してしまったことであろう。やれることは恐らく無限であっただろう。しかし過去の記憶に縛られ、行動を制限しているのである。
(ただこのようになってしまった自分を責めるのはもうよそう。このような自分になる過程で様々な体験があったのだ。どんな生き様であってもそれぞれ意味があり、良い悪いの評価をせずにまずはそれを受け入れる必要があるのだ)

神辺(かんなべ)駅反対ホームに後で乗車する井原鉄道「清音」行が停車していた。清音は総社の手前だ。何故、総社まで行かないのか。時刻表で確認したら乗る予定の9:25発は総社まで行くことが分かった。良かった。

この路線は両側を山で囲まれているようだ。「横尾(よこお)」という駅で高校生がたくさん下車した。ここからしばらく民家は途絶え、川沿いを走る。備後本庄の手前からまた民家が見えるようになった。次は乗換駅の福山だ。

8:38福山着。改札を出て神辺までの切符210円を買う。



8:44府中行に乗る。電車2両、ワンマンカー。ホームから美しい城が見える。福山城?。福山というところは観光地なのか。あとで調べておこう。



3つ目の神辺で井原鉄道に乗り換えだ。神辺まではさっき三次から来た路線を少し引き返すことになる。

8:57神辺着。「かんべ」ではなく「かんなべ」という。ここから井原(いばら)鉄道に乗り換える。総社までの切符を1,120円で購入。









小さな駅だ。ディーゼルのワンマンカー1両編成がホームに止まっていた。







9:25発なのでだいぶ時間がある。晴れ間が広がり気温も上がってきた。星座のイラストをデザインした車両、鉄道ファンの人気度はどの程度なのだろう。





9:25定刻発車。スピードは結構遅い。山合の平地に住宅が点在するような地域だ。合間に田んぼが見える。田舎ではあるが過疎地ではない。
途中、「子守唄の里 高家」という駅に着く。どんな子守唄なのだろう。これも後で調べておこう。井原駅は比較的大きな駅だ。
「早雲の里 荏原」駅で運転手交代。「早雲の里」と名前はどんな由来があるのか。
また眠気に襲われた。やはり旅の途上での睡眠不足は良くない。
「矢掛」という駅で、家族連れなど数人の客が降りた。また乗ってくる客も数人。ここは観光地なのだろうか。「三谷」で行き違い列車の待ち合わせ。

この後、急に眠気に襲われて眠ってしまった。運転手の「お客さん、どちらまでですか」という声掛けで目が覚めた。「総社まで」と答えると、運転手は「清音かと思って」と言った。丁度、清音で停車したところだった。親切な運転手だ。
この清音に何があるのか。用意周到に綿密に下調べせずに行き当たりばったりの旅をしようとするからこういうことになる。
急行列車待ち合わせのためにしばらく停車。次は終点の総社だ。

10:29総社着。ここからJRで新見行に乗り換えだ。切符990円を買う。駅構内や駅周辺は静かでのどかだ。備中国分寺という寺があるらしい。観光地という感じはしなかった。







この総社・新見間は、丁度1年前のローカル線の旅の時も乗車した。そうだ、あの津山の野郎によって嫌な思いをさせられた旅だ。

10:44総社発。縦並び2列席の普通列車。車内は冷房ががんがん効いていた。せっかく冷えた体が暖まってきたところなのに、元の木阿弥だ。



新見まで約1時間。そこで昼飯だ。今日も乗るだけの旅。鉄道に乗るのが好きでないと退屈でしょうがないだろうな。
この路線、伯備線も同じような景観だ。山に囲まれた平地に住宅や工場などが点在するという感じ。

しばらくすると左手を大きな川沿いに走るようになる。日羽(ひわ)駅で、小さなホームであったが、2人ほど三脚を立ててカメラを構えていた。鉄道の撮影スポットなのか。すぐにトンネルに入る。
備中高梁(びっちゅうたかはし)駅で3号車より後ろの車両切り離し作業が行われた。社内アナウンスの声が聞き取りにくかったため、そのまま3号車で座っていたら、車掌から前の車両に移るように促された。
しばらく停車だ。10:14発車。ここからワンマン2両編成となる。古い家並みと新しい住宅が混在した山に囲まれた所だ。

ローカル線というのは山合いを縫うように走行するのが多い。井倉までの間、右側に渓谷が見えた。川の水量が少ない。台風の影響を受けなかったのか。民家は崩れかかったような古いものが多い。
井倉駅のそばに、石灰石という生産量国内№1という日鉄鉱業(株)の井倉鉱業所のさびれた工場が目に入った。もうすぐ新見だ。

11:49新見着。総社よりも大きな駅、町だ。駅前の観光案内所に入る。駅前のマップは無かった。日本酒や備前焼のぐい飲みなどが売られていたが、これというものが無かったので買うのをやめた。







さてお昼をどこで食べるかだ。駅のそばに、いかにも駅前食堂といった感じの小汚さそうな食堂があったが、もう少し探してみることにした。スマホのマップで店を探す。駅から結構離れた所に居酒屋などがあったが、ラーメン屋などは無さそうだった。駅のすぐそばに軽食ランチを出す小綺麗な喫茶店があったので、そこで食べることにした。日替わりランチ850円を注文した。ライス、サラダ、生姜焼き、スープ、食後のコーヒー、一口和菓子付きという内容で高くないし、おいしかった。
まだ時間は30分ほどあったが、駅前の案内所で時間をつぶすのにとどめた。

13:02、新見発の備後落合(びんごおちあい)行の、ディーゼル、ワンマンカー1両編成に乗る。



初秋のあたたかい日差しを浴びながら列車は山合いを抜けていく。この路線はかなりローカル色が強そうだ。切符は三次まで買った(1,980円)。途中で、ジグザグに山を登っていく急こう配の道路が見えた。こんな山の中を行く人がいるのか?。道の先に何があるのだろう。
そうこうしているうちに睡魔に襲われてしまった。40、50分は寝ただろうか。気が付いた時、向かい側に座っている男性(鉄道ファンだと思われる)がカメラでしきりに景色を撮っていたのだ。車窓は山深く入ったところであった。列車のスピードを落として、渓谷を下にしながらゆっくりと登ってゆく。所々小さな集落が見える(内名の手前)。





これはおすすめの路線だ。こんな山奥でも小さいながら集落はあるし、田んぼもあり、丁度、稲刈りをしている時であった。



この路線はずっと上りの勾配を、勾配の大きさによってスピードを変化させながら進行していくようだ。この登りは終点、備後落合の手前まで続く。
備後落合の手前から下りとなり、やや登ってから備後落合駅に到着した。

列車から降りると、大勢の鉄道ファンが一斉にスマホで写真を撮り始めた。乗客の殆どが鉄道ファンだったと言っていい。こういうのは初めてのことだ(いや、野辺地から二戸までの廃止直前のレールバスに乗ったときもそうだったな。もうだいぶ昔のことだったけど)。若い世代が意外にも多いようだ。
備後落合駅は木次(きすぎ)線との分岐点となっていて、木次線のホームにもたくさんの鉄道ファンが列車を待っていた。芸備線の新見→備後落合間がこんなに人気路線だとは思わなかった。
天候にも恵まれ最高の鉄道旅行日和だ。惜しまれるのは、途中で寝てしまったこと。















14:43、備後落合発、三次行のディーゼル、ワンマンカー1両編成に乗る。この列車も冷房が効きすぎている。この路線は下りなのか、速度はゆっくりしている。山の中を走っていく感じだ。車両の両側に木の枝や草がこすれる。トンネルも多い。







下を良く見ると、右側が切れ落ちている。だからゆっくりの速度なのだ。下は川が流れているようだ。しかし鉄道ファンってみんな同じような感じがする。独りで、お互いに話さない。自分の世界にこもるタイプだろうか?。

だいぶ下って、川の位置に近づいてから列車のスピードが上がった。比婆山から集落が視野に入ってきた。
こういう地域というのは考えてみると文明の発達から取り残されているような感じがする。
何十年も変わらない建物で農業(?、漢字判読困難)をしているような感じなのだ。言い換えるると、これが最後の日本の原風景なのか。観光地に行くのもいいけど、こういう〇〇〇〇(判読不能)ありのまま、そのままの自然の美しさを見せてくれる所を訪れる方がずっと非日常の体験が得られるような気がする。

備後西城までまたゆっくりの速度となった。急こう配なのだろうか。左下に渓谷が見える。
車両が木の枝を擦っていく。やはり平地に変わってからスピードが上がった。
高から備後荏原までの間でまた、ゆっくりとしたスピードで走行する所があった。スピードを落とすのはだいたいが渓谷を下にしている場合だ。反対側は山肌で木が生い茂っている。線路のカーブも多い。

初秋の午後のおだやかな太陽の日差しを浴び、銀色の穂先が微風に揺れている。
芸備線とは中国地方で一番長いローカル線という垂れ幕が、備後荏原駅に掲げられていた。この駅で3分程停車。
また睡魔が襲ってきた。今日は21時には寝よう。明日は5時起きだ。



16:03三次着。





向かいのホームに広島行の快速列車が入線していた。これに乗り換える人が殆どなのだろう。
改札を出て、昨日寄ったみやげ物屋に入り、迷ったけど2019年製造の3年物の山岡酒造の720ml入り純米酒を買った今晩はこれを半分飲むことにしよう。さすがに4合びんを2日連続で空けるのはきつい。しかし、いい酒はたくさん飲んでも、後に残ったり二日酔いにはならないものだ。昨日飲んだ美和桜もそうだった。

ホテルのフロントで昨日同様また待たされた。ルームキーを受け取り、部屋に入るとタバコ臭は無かった。鏡に映っている自分の顔を見たら目がうつろだった。そうとう疲れているのだろう。
バスルームもイスも髪の毛1本もないほど綺麗に清掃してあった。清掃した人が昨日とは別の人だったに違いない。仕事に誠実さと誇りを持っている人かどうかがこういうところで見えてくるものだ。たかが掃除という認識しか持てない人は何をやってもいい仕事は出来ないだろう。

17:30頃、ホテル内の食堂で唐揚げ定食を食べる。部屋に戻る時、うっかりスマホをテーブルに置き忘れてしまったが、店員さんがすぐに届けてくれたので助かった。ありがたい。
部屋に戻って、途中のドラックストアで買った納豆を食べる。3個パックのうち2個食べた。残り1個は次の宿で食べることにしよう。
三次駅前のみやげ物屋で買った3年物の日本酒(山岡酒造)を飲む。やや甘口であるが旨い。いい酒だ。地方の酒でも、規模の大きな酒蔵の中には人工的な甘みのある、うんざりするようなものがあるが、この酒は全然違う。3分の2ほど飲んで残りは次の宿で飲むことにした。
シャワーを浴び22時前には床に入ったが、24時頃目が覚めた。部屋の温度が高いのか汗だくで、結局1時まで眠れなかった。エアコンの温度を下げたら眠れた。
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中国地方ローカル線の旅(3)

2023-08-17 22:30:25 | 旅行
(前回からの続き)



三次までの切符1,340円を買い、芸備線のホーム9番線に行く。ディーゼルエンジンの音が聞こえる。列車はすでにホームに入線していた。2両編成のディーゼルカー。ワンマンだ。





14:35定刻発車。車両は満席状態、4人掛けボックス席の1つに座る。三次までは1.5時間近くある。単線のようだ。
700系の古い新幹線の車両が見えた。しばらくは住宅街沿いを走るようだ。膝の上に乗せている、床にこぼれていた立ち食いソバのつゆの染みのついた荷物が大きいし、重い。
向かいの客に染みが接触しないように気を遣う。

進行方向の右手に山があり、山肌に家が建っている。インド製万年筆のインクが無くなった。インクスペア2本持ってきたが、足りそうにない。書きすぎた。ヨーロッパ標準カートリッジインクなので、よほど大きなデパートでないと売っていないだろう。どこかでボールペンを買おう。安芸矢口駅の反対側ホームに総オレンジ色のディーゼルカー1両が止まっていた。自分の乗っている列車の発車と同時にその1両編成の列車も発車した。
行き違い列車なのだろう。次第に家は少なくなってきた。山の中を進んでいくような景観に変わってきた。



下深川で反対ホームにレトロな総オレンジ色のディーゼルカー2両編成が止まっていた。こっちの方の車両に乗りたかった。車両のデザインは新しくなればなるほどダメになってきている。
山の中はとっくに抜けて、また住宅地を通り抜けていく景観に戻っていた。すき家だってワークマンだってある。
1年前に山陽・山陰間のローカル線に乗ったときの景観とはだいぶ違う。今回はあまりローカル色を感じない。

列車は登りに入ったようだ。これから山の中に入っていくのか。上深川(かみふかわ)から大きな川沿いに走る。水量は少ない。反対側は山だ。
彼岸花が咲いているのが所々見えるが、去年ほどではない。次第に家並みが古くなってきた。
確か、下深川からだったと思うが、2両目の車両のドアが開かないとアナウンスがあった。反対側からの列車との行き違いが結構ある。この路線はわりに本数が多いのかもしれない。
沿線の草木が車両に触れる。家並みは大体が古い造りの瓦屋根の家だ。
何をして生計を立てているのだろう。田んぼや畑らしきものが所々見えるが、小さい。しかし古くて立派な家はたくさんある。もしかして林業を営んでいるのか。



志和口(しわぐち)近くからちょっと開けてきた。しかしこの日本独特の古い家の造りというのは、なかなか魅力的だ。
甲立(こうたち)でまた広島行の総オレンジ色の2両編成ディーゼルカーと行き違い。ここから三次市に入る。
しばらく盆地のような所を走ったあと、16:15、三次駅に到着した。





三次は意外に小さな駅だった。駅のそばにコンビニ等は無く、左手に小さな観光案内所と高速バス(広島行)の待合室とみやげ物屋があった。
みやげ物屋で酒があるかどうか気がかりであったが、地元の日本酒である美和桜と山岡酒蔵の酒が何種類か置いてあった。これはついている。広島駅で買わなくて正解だった。
美和桜の純米酒720ml瓶が1,144円と安い。他に山岡酒造の2019年製造の3年物があったが、美和桜の方にした。今日、美和桜を1本、明日、山岡酒造の3年物を1本飲もうと考えた(そんなに飲めるかな?)。
案内所で、この近辺でコンビニ等があるか訊いたら、ホテルと反対方向の7分の所にあるとのこと。他にホテルに行く途中に大きなドラック・ストアがあるとのことであった。
今日泊まるビジネスホテルまでは約10分、途中に夜遅くまで営業しているドラッグストアがあったので、買い物には不自由しなくて済みそうだ。

ビジネスホテルはこの土地に似合わないような大きな建物だった。
フロントに着くと、20人くらいの行列がすでに出来ていた。よく見ると作業服を着た、工事関係者の方がほとんどだった。今日、明日とこのホテルに泊まる。残念ながら和室旅館ではない。
列の前に並んでいた60過ぎくらいのおばさんが話しかけてきた。旅行会社のパックで旅行中なのだという。一人旅のようだ。
フロントのすぐ横にレストランがあり、予約なしで食事ができるとのこと。今日の夕食はここにすることにした。
部屋は4階のシングルだ。部屋に入るとタバコのにおいがが。「うへ、クサイ!」。
ネット予約するときによく確認しなかった。喫煙ルームを予約していた。
バスルームやイスに前の泊り客と思われる人の髪の毛が結構落ちていた。「ゲッ」だ。ちゃんと掃除せずに手抜きしたようだな。しかし昔泊まった盛岡の4千円のビジネスホテルのようにシャワーカーテンに夥しいくろカビは生えていなかった。



1階のレストランでサンマ塩焼き定食、800円を食べる。まだ客は私一人だけだ。
部屋に戻って日本酒、美和桜を飲む。





くせの無い、甘さを控えた飲みやすいいい酒だ。日本酒らしい日本酒と言える。精米歩合が70%であまり磨いていないけど、酒米の銘柄がちゃんと記載されている酒に伝統的な本物の日本酒に出会うことが多い。
これを飲みながら、記事をスマホに打ち込むことにした。文字打ちに慣れていないので時間がかかる。1時間以上かけて完成させていざ投稿ボタンを押したら、何と投稿されておらず、バックアップも取られていなかった。(普通は自動でバックアップされる)。変な操作をしたのではないかと、色々調べたが原因は分からなかった。幻の記事となってしまった。ああ疲れた。

なんだかんだ言って、日本酒1瓶空けて、時間を見るとかなり遅い時間に。急いでシャワーを浴びて床に入る。また寝不足だな。

(次回に続く)
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中国地方ローカル線の旅(2)

2023-08-16 22:22:37 | 旅行
(前回からの続き)

可部線の車両は電車だった。ローカル線という感じはしない。1番先頭の車両に乗る。座席は長椅子ではなく、両側縦並びの2人掛けだった。







次の駅で中学生の大群が押し寄せて来た。休日なのに学校に行くのか。
沿線はごくありふれた風景だ。住宅、スーパー、マンションなどが密集する。しかし駅は小さい。

古市橋で少し長めの停車。反対側から広島方面の列車が入線してきた。ということはもしかしてこの路線は単線?。単線だ。これは意外だった。線路の両側は住宅などが密集して立ち並んでいる。しかし駅のホームの作りは粗末な感じだった。
陽が差し込んで来たが、気温は高くはない。体が冷えている。

列車は山の方角に向かっているようだ。山の頂上は濃い霧がかかっている。しかし電車で単線というのもめずらしい。通勤、通学の時間帯は過密ダイヤにならざるを得ないだろう。
未だ景観は変わらない。あと10分ほどで終点のあき亀山だ。駅の数が多く、間隔が短い。
可部駅に着く。ここが以前は終点だったようだ。山に近づいている。駅はどれも比較的新しいが粗末な作りだ。

だいぶ陽が差し込んで来た。この分だと、明日は晴れだろう。景観は殆ど変わらない。多分、山に迫ってきているのは間違いない。この山が亀山というのか。平地からいきなりそびえているという異様な感じのする山だ。

12:52あき亀山着。駅舎というものは無い。殺風景な駅だ。無人駅で切符はボックスで回収する。









駅のそばに大きな病院が目立つだけだ。それ以外は、乗車している間、終始見えていた山がすぐ近くにあるくらいだ。
一応、観光マップが掲示してあったが、沿線に古くからの酒蔵がいくつかあるようだ。これらの酒蔵を訪れるとなると半日を要するだろうからやめた。



13:03発の広島行に乗って引き返す。途中、大町という駅で広島高速鉄道(アストラムライン)に乗り換え可能で、可部線の新白島駅で合流可能であることが分かったが、次の芸備線への乗り換え時間に間に合うか分からないのでやめた。



しかし今日はトイレが近い。東京駅で買って飲んだホットほうじ茶300ml入りしか飲んでいないのに3回トイレに行って、今もトイレに行きたいくらいだ。
各駅の周辺には大型店舗も目立つ。人口の多い地域なのだろう。途中、広島駅近くの駅付近、左手に大きな川と河川敷が見えた。行きのときには見えなかった風景だ。

13:44広島着。改札を出る前に立ち食いそば屋でそばを食べる。かき揚げそばにした。520円。かき揚げは大きくて紅しょうがが中に入っている。衣が大きく、関東で食べるかき揚げとは全然違う。広島のかき揚げはみんなこんな感じなのか。



ショルダーバックをテーブルの下の棚に置いていたら、いつの間にか床に落ちてしまっていた。床にこぼれていたそばのつゆがバックを直撃し、染みを付けた。ウヒャだ。
ウェットティッシュに店の消毒用のアルコールを大量に染みこませてふき取る。

14:35発、芸備線の発車まで時間があるので駅構内のみやげ物屋に入って日本酒を見ることにした。広島の有名な酒が置いてあったが、自分としては今日の宿泊地、三次の地酒が飲みたいので見送った。三次の地酒、美和桜が置いてあったが、1,744円と高いのでやめた。三次駅前に酒屋があるかどうかだ。無かったら失敗だけど。

(次回に続く)
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中国地方ローカル線の旅(1)

2023-08-15 23:41:28 | 旅行
2022年10月23日、「中国地方ローカル線の旅(序)」というタイトルで同年9月下旬に訪れた中国地方のローカル線の旅行記の書き出しを記事にしたが、その後順を追ってメモによる記録をもとに連載していくことにしていたが、急に引っ越しをすることになったため記事にする機会を失い、ずっとそのままにしていた。
約1年ぶりで記憶ももうおぼろげになってしまったが、旅の間に記録を取ったメモを元に、これから少しずつ記事にしていきたい。
旅行記はブログに記録を残しておかないと振り返ることが出来なくなってしまうということもあるためだ。

まず最初に、2022年10月23日の記事に書いた旅行の行程を再掲載しておく。

2022年9月23日
自宅⇒東京⇒広島 可部線乗車:広島~あき亀山 往復
広島⇒三次 芸備線乗車

9月24日
三次⇒府中⇒福山⇒神辺 芸備線・福塩線乗車
神辺⇒総社 井原鉄道乗車
総社⇒新見 伯備線乗車
新見⇒備後落合⇒三次 伯備線・芸備線乗車

9月25日
三次⇒備後落合 芸備線乗車
備後落合⇒木次⇒宍道 木次線乗車
宍道⇒出雲市⇒出雲大社 山陰本線・一畑電車乗車
出雲大社⇒出雲市⇒米子 一畑電車・山陰本線乗車
米子⇒富士見町 境線乗車

9月26日
富士見町⇒境港 境線乗車
境港⇒米子⇒出雲市⇒大田市 境線・山陰本線乗車
大田市⇒石見銀山⇒大田市
大田市⇒浜田 山陰本線乗車

9月27日
浜田⇒益田⇒長門市⇒下関 山陰本線乗車
下関⇒小倉 山陽本線

ここから旅行記のスタート。

9月23日(金)

4:35起床。天気雨。やや肌寒い。
昨日は寝るのが遅かったが、夜中に何度か目が覚める。
5:53発、自宅近くのバス停からバス乗車。
6:18、JR某駅発、東京方面行きJR線乗車。列車は10両編成であったが、休日のせいか座れた。
7:10頃、東京駅着。東京駅構内は朝早いのに旅行客でごったがえしていた。昨日ひいたと思われる風邪もほとんど良くなっていた。悪化していなくて良かった。ギター演奏で大量の汗をかいたおかげか。
それにしても東京駅は混んでいる。キヨスクでホットほうじ茶を買って7:51発博多行きの、のぞみ13号6号車に乗り込む。品川駅でほぼ満席の乗車率となる。大半が旅行客だ。先週の3連休が台風のため出かけられなかった人々がこの3連休に集中したと思われる。







雨は止んだようだ。広島方面は明日、明後日は晴れるようだが、26日は午後から雨の予報だ。この日は石見銀山の観光なので晴れることを願う。
やはり旅は列車の方が気楽だ。旅行記を書けるのも、列車の旅ならではのものだ。車の旅だとそうはいかない。12時過ぎには広島に着いてしまうので、4時間丁度の時間だ。

8:08新横浜着。やはりホームにはたくさんの人であふれている。みんなどこへ行くのだろうか。新横浜でもう満席だ。(注:この文言から、私が潜在的に人間を嫌っていて、避けようとしていることが何となく分かる)
車内アナウンスの声が小さい。ほとんど聞こえない。こういうことはよくあるが、JRは社員教育で気を付けて指導していないのだろうか。

新幹線の速度が増していく。今日は広島で降りて、可部線を往復、広島から今度は芸備線で今日の宿泊地三次(みよし)に行く。今日は列車に乗るだけの旅程だ。
そもそも旅行の目的がローカル線の乗車だから、これは当たり前と言えば当たり前だ。
今日、明日が一番混むことであろう。コロナによる制限も無い。
そう言えば新幹線って、上り、下りが無いような気がする。常に大地と平行に走っているような感じだ。その代わりトンネルがやたら多いのも事実だ。

小田原近くで吊り橋の高速道路が見えたが、こういう道路も(車で)走ってみたいな。1年前に中古で買った2,500CCの大型車は1年で3,000kmちょっとしか乗っていない。もっと遠出をしてみたい。
8:28熱海駅通過。山とマンションが立ち並ぶ。リゾートマンションか。
眠気がしてきた。この所の睡眠不足と昨日、3時間くらいしか寝ていないせいだろう。居眠りをすると体が冷えて風邪が悪化するから気を付けなくては。

9:30名古屋着。外はどしゃぶりだ。広島から乗るローカル線が運休になっていなければいいが。名古屋も結構都会だ。しかし5分もすれば田んぼが広がって来た。広島の天気はどうなのだろう。
スマホで天気を調べる。今日は夕方まで雨、明日(24日)から26日までは訪問地は全て概ね晴れ。27日はくもり時々雨という予報だ。27日は列車に乗るだけだからいいか。
しかしこれだけ混んでいると、弁当やらお菓子やらのにおいがしてきてやだなー。マスクしているからまだましだけど、マスクしていなければひどいもんだろう。

10:07京都着。乗客は結構降りたため、若干ではあるが空いてきた。雨は小降りなったようだ。新幹線のスピードが上がる。
10:20新大阪着。ここでかなりの乗客が降りた。大阪旅行だろうか。ここからは多方面の観光地の入口でもある。
しかしまたここから乗客が結構乗り込んできた。ふたたびほぼ満席となる。
この新幹線では3人横並びの座席の窓側に座っていたのだが、新大阪で隣2席の乗客が入れ替わった。代わりに座ったのは小学生の姉妹だろうか。通路を挟んで彼女たちの母親と思われる方が座った。
しばらくこの姉妹を観察していると2人は全然会話しない。お姉ちゃんはすごくおとなしくてお行儀がいい。身動きを殆どしなかった。一方、妹の方はちょっとやんちゃっぽい感じがした。こういう対照的な姉妹って結構いるのではないか。子供ではあるが、この時はお姉ちゃんのほうに魅力を感じた。

新神戸を過ぎてしばらくすると雨は止み、日差しも若干出てきたようだ。降車駅の広島まであと50分程、トイレに行く。乗客たちはどこで降りるのだろう。博多か?。この天気だと広島から来るローカル線は雨の中を走ることになるだろう。

11:44広島着。



雨は止んでいた。広島駅構内で多くの人々で混み合っていた。次は可部線(あき亀山行)へ乗り換えだ。計画では12:08発だが、11:48発があるではないか。あと2分。止めた。写真を撮っていたりしていたら間に合いそうもない。ここは予定どおり12:08発で行くことにしよう。改札を出てあき亀山行の切符を買う。420円。
ついでにICカードのチャージ5,000円をしようと思って5千円札を入れたけど、機械の中に札が入っていかない。何度試しても同じだ。仕方ないので1万円札で再チャレンジ。今度はすんなり入ってくれた。何で?。
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