他部署の次長の最終出勤日。
仕事を取られる、一人だけ会議に呼ばれないといった壮絶ないじめが3ヶ月ほど続いた。
退職願を出して2週間、次長は会社を休んでいた。
いじめていたのは、直属の上司の部長。
ひどかった。みんなが会議に呼ばれているのに一人だけポツンと席に着いている姿にこの三ヶ月ほど、胸が痛かった。
周囲の人も彼を助けたかったらしいのだが、なんせ、組織。「次は自分がターゲットになるのでは」と思うとなにもできなかったっぽい。
女性社員が次長と話していると、あとで部長がその女性社員を呼び出し「何を話していたんだ?」という、秘特高ばりの尋問があったらしい。
とにかく、パワハラまがいの露骨ないじめだった。
NHKの「いじめをなくそう」という啓蒙CMを見るたびに
「いじめか。学生は大変よね」
と他人事に思っていた。
まさか、36歳の私が住む世界でこんなに酷いいじめがあるとは。
しかも役員が54歳の次長をいじめるという、人生の功徳を積み重ねてきた大人が暇つぶしにいじめを行うのだから、会社の品位が疑われる。
結局、次長は追いやられてしまった。
組織の怖さを感じた。
階段で次長に会った。
互いに
「お世話になりました」
と挨拶をしたが、辛くて泣きそうになってしまった。
さほど仕事で接触していたわけではないのだが。
それでも13年間、毎日顔を見合わせ、喫煙室で毎日話していた仲間との別れは辛かった。
もう二度と会えなくなる。
喫煙所で笑いあった日が雪のように溶けていく。
外に出ると、空気はあたたかく、梅の香りまで漂ってきちゃってて、「卒業」という単語を感じさせた。
こんなに悲しい気持ちなのに、空気が読めない空気め・・・と思った刹那、涙が出てきそうで困った。
飲み込んだ涙の味と梅の香りは、たぶん一生忘れない。
夕方、次長は静かに去っていった。
仕事を取られる、一人だけ会議に呼ばれないといった壮絶ないじめが3ヶ月ほど続いた。
退職願を出して2週間、次長は会社を休んでいた。
いじめていたのは、直属の上司の部長。
ひどかった。みんなが会議に呼ばれているのに一人だけポツンと席に着いている姿にこの三ヶ月ほど、胸が痛かった。
周囲の人も彼を助けたかったらしいのだが、なんせ、組織。「次は自分がターゲットになるのでは」と思うとなにもできなかったっぽい。
女性社員が次長と話していると、あとで部長がその女性社員を呼び出し「何を話していたんだ?」という、秘特高ばりの尋問があったらしい。
とにかく、パワハラまがいの露骨ないじめだった。
NHKの「いじめをなくそう」という啓蒙CMを見るたびに
「いじめか。学生は大変よね」
と他人事に思っていた。
まさか、36歳の私が住む世界でこんなに酷いいじめがあるとは。
しかも役員が54歳の次長をいじめるという、人生の功徳を積み重ねてきた大人が暇つぶしにいじめを行うのだから、会社の品位が疑われる。
結局、次長は追いやられてしまった。
組織の怖さを感じた。
階段で次長に会った。
互いに
「お世話になりました」
と挨拶をしたが、辛くて泣きそうになってしまった。
さほど仕事で接触していたわけではないのだが。
それでも13年間、毎日顔を見合わせ、喫煙室で毎日話していた仲間との別れは辛かった。
もう二度と会えなくなる。
喫煙所で笑いあった日が雪のように溶けていく。
外に出ると、空気はあたたかく、梅の香りまで漂ってきちゃってて、「卒業」という単語を感じさせた。
こんなに悲しい気持ちなのに、空気が読めない空気め・・・と思った刹那、涙が出てきそうで困った。
飲み込んだ涙の味と梅の香りは、たぶん一生忘れない。
夕方、次長は静かに去っていった。
読ませて頂いて悲しくて震えました。
「お疲れ様でした」と挨拶をされた亮子さま。のお気持ちが胸に染みます。
次長さんの会社での事‥ご家族は知っていたのでしょうか‥
帰宅された次長さんを優しく迎えてあげられたでしょうか‥
次長さんは二度と出社をしない今朝をどう感じたのでしょうか‥
どうか心を壊されませんようにと思います。
拝読していて、人の温もりが欲しくなり、20年程前に出版された[乙一/暗いところで待ち合わせ]が読みたくなりました。
次長さんに暖かい手が届く事を祈りつつこれから再読しようと思います。
「乙一/暗いところで待ち合わせ」を
20年程前にと記しましたが12年程前でした。スミマセン。。
会社を去った次長さんの幸せを祈ります。
こういう役職は、もう1つ上のポストへ向かう途中の人と、そこ止まりの人に分かれますね。
とても他人事とは思えません。
52歳の経営企画部次長より。
酷い話ですよね。
去り行く人に冷たい会社だなということがよくわかりました。
ちなみに経理部です。
ステイサム殿
>次長さんの会社での事‥ご家族は知っていたのでしょうか‥
やはり、ご家族のことを考えてしまいますよね。
子供が二人とも大学を卒業し終えた、持ち家、ということは知っているのですが。奥様にどう切り出したのかなどを考えますと胸が締め付けられます。
次長は再就職のことで忙しいと言っていたので、それだけが救いです。
>「乙一/暗いところで待ち合わせ」を
機会がありましたら読んでみますね。
sakurayouko殿
いい死に方はしないだろうね、部長。
次長には幸せな新天地が待っているはずです。
優秀な人でしたので。
56made殿
>こういう役職は、もう1つ上のポストへ向かう途中の人と、そこ止まりの人に分かれますね。
周囲を見渡し・・・激しく同意です。
>52歳の経営企画部次長より。
56まで、あと4年ですね。
当社の次長は、一昨年の秋、部を代表して部長の横暴さを社長に言い(クーデター)、社長は双方を宥めました。
一年後の昨年秋、部長は課長・係長を傘下に取り入れ、次長は追い詰められました。陰湿な席替え(女性社員の群れに移動)とか小学生レベルのいじめもありました。
この一連の流れを見てて、本当、組織って怖いなと痛感しました。一家の大黒柱の人生を狂わせた部長は良い死に方をしないと思います。