日本の、これから （医療～安心できますか～）

未成年のくせに、吉熊は酒をたしなむ。

今夜は私の傍らで「銀座カクテルメロン」をちびちび飲んでいた。
容器にゴージャスさがうかがえる商品だ。
そもそもネーミングに使用されている「銀座」という文字は、「高級」といった意味も内包されがちである。

「たまにはセレブになりたいよぅ」
生意気なことを言う吉熊におねだりされて購入をした。

味は…甘い！

昔、小関内科でもらった子供用のシロップ薬級の甘さだ。
飲んだ後に喉の乾きを覚えた。


NHK番組「日本の、これから」を観た。
テーマは「医療～安心できますか～」
高齢化による医療費の増大、医師不足、…医療を取り巻く環境に綻びが生じ始めている。安心して医療を受けられるためにはどうしたらいいのだろうか？というのが今回のテーマだ。

肝炎を患った私と同年代の若者のVTRが流れた。
容態が急に悪くなることもあり彼は定職に就けないでいる。
月収15万円。
これで治療すれば治るといわれる薬があるのだが、
一年という月日と月に5万円という治療費がかかるので躊躇している。
今は生活を切り詰めて治療費を貯蓄しているが、治療を始めたとて、その副作用で1年間は働けない。その間の生活費のことを考えると治療の目処が立たないとのこと。

観ていて暗澹たる気持になった。
彼の精彩が失われた瞳や、夢も希望もない表情には、絶望という文字しかなかったからだ。
命に格差はあってはならない…でも、実際には彼みたいな人がたくさんいる。

なかなか医療のことなど考えない私だが、明日は我が身かもしれない。
老人にしか関係がないと思っていた医療問題だったが、そんなことはない現実を知った。
（当番組の三宅民夫アナウンサーも体調を崩し、今回は出演を辞退したそうだし…←何気に彼のファン。穏やかな語り口調がスキ）

とりあえず、私が今出来ることは貯蓄ぐらいだろうか。

呑気にクマとカクテルなんか飲んでいる場合ではないのかもしれない…。