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世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

自然の摂理

2009年09月25日 | Weblog
母方の祖父は私が大学4年生の秋に亡くなった。秋の日溜まりのような穏やかな人だった。通信簿を見せに訪ねると必ず本を買ってくれた。

彼が亡くなったとき、父っ子だった母の悲しみはそのまま私の悲しみとなった。
足尾銅山観光で暗い銅山内を一緒に歩いた7歳の夏。握ったお祖父ちゃんの手のぬくもりやポマードの匂いを私は忘れないだろう。

就職した初夏。
私はある事件に巻き込まれる寸前という状況に陥った。
でも助かった。
お祖父ちゃんが私を守ってくれた…根拠はないのだが、なぜだかそう強く思う。

母の姉はとても美人な人だった。笑うと品のある目鼻が桜のように舞うようであった。たぶん親族では一番容姿に恵まれた人だったのではないだろうか。
でも15年前、癌で亡くなってしまった。

祖父が末期癌の叔母を見舞いに行ったとき。
叔母は
「(遠くまでこさせてしまって)(こんな風になってしまって)…ごめんね」
と謝った。

祖父はただ静かに
「いいんだよ…」
と言ったらしい。

弱った娘を前にして、どれほど苦しかったのだろうか。お祖父ちゃん。


叔母、祖父母も亡くなってしまった。
母と母の兄は疎遠な関係にある。

一つの団欒が、時とともに無くなっていく切なさが、なぜか今日、強く強く私に押し寄せてきた。

私の実家の団欒も、いつか自然の摂理で崩壊していくのだと思うと、怖くて切なくて、死んでしまいそうになる。
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3 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (みな)
2009-09-25 23:24:08
大丈夫だ。
血ってそんなにカンタンに切れるものじゃないよ。

ミナも常々、じい様が近くにいるなと感じております。
先祖ってありがたい☆
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こんばんわ (GASOLINE★SODA)
2009-09-26 02:57:56
きっと、おじいちゃんが助けてくれたんですよ


形あるものは壊れゆき、命あるものは死んでゆく‥‥

誰一人として、避けることの出来ない大宇宙の摂理ですね


それが解ってるから、自分より先に逝ってしまう娘を、ただ見守る事しか出来ない父親の気持ちが痛く伝わります


俗世にドップリ浸かってるので、醜く執着してるオレだが

願わくば、これより先の人生で、すこしでも精進できたらな~と思いました
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Unknown (亮子&吉熊)
2009-09-26 22:13:24
みな殿

お彼岸だからでしょうか。亡くなった先祖のことを考えてしまうのは。
昨日は無性に祖父に会いたくなっちゃいました。


GASOLINE★SODA殿

やはり親より1秒でも長く生きるのが子供の任務だと思いました。
叔母も死にたくて死んだわけではないのですが。
弱りゆく娘をただ見るしかできなかった祖父の無念は、こうして文章にすることで多くの人に伝わるんですね。


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