世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

濃密な一年

2022年05月30日 23時46分12秒 | Weblog
小学校5年生の1年間は今振り返っても濃い一年だった。
担任のフクダ先生(男性)がとても熱血先生だったからだ。
東京の私立大学で哲学を専攻していた彼は、教科書以外のことまで色々と教えてくれた。

まず、クラスの歌がドイツ語で「喜びの歌」だった。
外国語なんて「ハロー」しか知らない我々5年2組の生徒たちは、聞き慣れないドイツ語の歌詞を必至になり、覚えて歌った。
大人になり、このことを友人に話すと「私立小学校卒業なの?」と訊かれるが、バリバリの公立小学校だった。
だいたい私が私立小学校の存在を知ったのは小学校6年生でテレビで見た「教師びんびん物語」の番組内である。

それから…

●朱熹の詩「偶成」
少年老い易く
学成り難し
一寸の光陰 軽んず可からず
未だ覚めず池塘 春草の夢
階前の梧葉 已に秋声

●カール・ブッセの「山のあなた」
山のあなたの空遠く
「幸さいはひ」住むと人のいふ。
噫ああ、われひとと尋とめゆきて、
涙さしぐみ、かへりきぬ。
山のあなたになほ遠く
「幸さいはひ」住むと人のいふ。

を教えてくださり、暗記するよう命じられた。
ほかにも「雨ニモ負ケズ」などを暗記しないと、放課後、いつまで経っても帰れなかった。
唐突に、東京の私立中学校の入試問題を解かせ、これも正解しないと帰れなかった。


「お前ら、本当にバカ」「●●小学校(前任校)の生徒とは比べられないほど、お前ら、バカ」が口癖だったが、生徒たちは素直に先生に従った。

あれは夏だっただろうか。
今度の算数のテストで平均90点以上だったらサーティーワンのアイスをごちそうしてくれる、という太っ腹な企画を先生が企画してくれた。
しかし、平均点は80点。ごちそうにはなれなかった。90点以下の子たちは一人ずつ立たされ点数を暴露されるという屈辱を受ける。
あのとき、一人一人を立たせて叱咤していた先生が生徒よりも一番悲しそうだった。
(もちろん私も足を引っ張り、立たされた)

あのテストの日から、生徒たちには「もっと先生に報いなければ」という気持ちが芽生えたような気がする。

厳しい先生だったが、今まで知らなかった魚偏、虫偏の漢字を教えてくれたり、昼休みに屋上で給食を食べさせてくれたり、生徒たちを邸宅に招待してくれラーメンをごちそうしてくれたり、百人一首のおもしろさも教えてくれた。
スパルタだったけれど、子供たちの世界を拡張してくれたことには間違いない。
サービス精神旺盛な先生であったと、今、ようやく気付く。

44年生きていたけれど、たぶん一番濃密だった一年に思う。

当時9歳だった私も44歳になった。
ふと、一寸の光陰 軽んず可からず、が口から滑り、思わずあの一年を振り返ったのだった。


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2022年05月30日 22時54分10秒 | Weblog
今日は朝から頭痛が減げしく、微熱もあり、イマイチであった。

夕食は王将へ。


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風呂に浸かりながら、「奇跡」、読了。

うーん。ひたすらラブラブファイヤーな話であった。
「不機嫌な果実」のように汚い内情を主人公に吐かせてほしかった。
まあ無理かもしれない。主人公は、実在実名、存命だし。梨園の妻をやりつつ、子育て、不倫をこなすシーンはパワフルで光っていた。

出張マリコ書房やりますよ〜『奇跡』※詳細は概要欄


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頭痛、明日は引いてますように。