後輩女子Sちゃんと吉原・玉ノ井ツアー、決行。
日本最大の遊廓街であった吉原、迷宮の私娼街の玉ノ井を歩くというもの。
彼女は私に小説「吉原炎上」を貸してくれたり、旅行会社が企画する吉原散策ツアーに一人で参加するほどの遊女ヲタ。
私も永井荷風の世界観が好きなので、好みが一致。
今回のツアーは2年前から企画されていた。
南千住駅で下車。
駅の「御手洗」の看板にさっそく萌える。
そう、瀬戸内海に浮かぶ大崎下島(広島県呉市)の港町・御手洗は遊女で有名。
私もSちゃんも訪れたことがある。
まずは馬肉で有名な中江にて。創業は明治38年。
https://www.sakuranabe.com/
吉原名物桜鍋ランチ。
タイムトリップした感じ。
人生初の馬肉!臭みがなくて食べやすい。
ガスの操作を誤り、火を消してしまう我々。
お店のおばちゃんに「消えたの?消したの?火は勝手に消えないから」と怒られる。てへぺろ。
母ヨーコたんが作ってくれた遊女っぽい巾着。
Sちゃんとお揃い。
ふ~。お腹一杯。
現代でもスタミナをつける食事を「馬力をつける」というが、これは吉原の桜鍋が起源らしい。
うん、たしかに元気いっぱいになった気がする。
あれ?あれ、ジョーじゃね?
「あしたのジョー」の舞台は南千住~泪橋辺りが舞台らしい。
そこから少し歩いて、「遊郭専門書店 カストリ書房」へ。
ここ、我々の聖地。
NHK歴史探偵に出た有名な店主さん(渡辺豪先生)におすすめ遊郭を尋ねたりした。
「個人的な趣味とかあると思うんですけど」と前置きし、色々と教えてくださった。
遊郭跡地は負の遺産。取り壊されるスピードは年々増しているので、行きたいと思った時に行っておいた方がいい、とのこと。
気さくにお話してもらえて感激!
吉行淳之介の本をゲット。プラス100円でカストリ書房のブックカバーもかけてもらえる。
渡辺豪先生と歩く吉原ツアーも気になる。
https://helloaini.com/users/33399
よし原大門から向こうは、ソープ街。
ソープ街を歩くのは人生初。
横目で見た店の開け放たれたドアの向こうは、怪しい照明が灯っているが薄暗い。
店前に立つ黒服の男性たちはどこか威厳があり、凛としていた。
吉原神社。
吉原弁財天。
大正12年9月1日の関東大震災で多くの遊女たちが焼け死に、圧死し、溺死した場所。
池に鯉が泳いでいるのだが、丸々と太っていて生命力に満ちていた。
鷲神社。
ほうじ茶が無料で飲める。
飲みすぎてお腹がたっぽんたっぽんな我々。
おかめさん。ぺたぺた。
浄閑寺に向かって歩く。
晴れていて汗ばむ陽気だ。
「あれ?これ、飛不動尊じゃね?」
そう、小惑星探査機はやぶさファンならみんな知っている航空の神様を偶然見かけた。
去年来たのだが、ここだっけ?(この辺の地理がよくわからない)
ヲタヲタしく説明する私にSちゃん、ドン引き。
浄閑寺。旅のハイライト。生まれては苦界 死しては浄閑寺。
死んだ遊女が投げ込まれた寺である。
永井荷風の石碑。
髪飾りのお供え。
この柵越しに骨壺が見える。
吉原の遊女に関係するもの以外にもいろいろと見所がある。
本庄兄弟 首洗いの井戸はおどろおどろしい感じだった。
山谷老友会が建立したひまわり地蔵尊。ひまわりの花は、太陽の下で一生を働きぬいてきた日雇労働者のシンボル。
管理人のおじさんと色々と話を聞いた。
案内図をいただく。
(この煙草ケースはSちゃんからもらった誕生日プレゼント)
管理人のおじさんは「本当に投げ込まれたと思う?俺は思わないなあ。人間だもの。そんなことできっこないと思いたい」と静かに言い残して去って行った。
浄閑寺からバスで玉ノ井へ。
バス停で見たスカイツリー。おお、やっぱり大きいんだな。
永井荷風の作品にも出てくる白髭橋で下車。
「ずっこけ」という飲食店の看板がジワる。
玉ノ井は戦前から1958年(昭和33年)の売春防止法施行まで存在した私娼街。
永井荷風がラビランス(迷宮)と称した玉ノ井の私娼窟跡。
Sちゃんが行きたがっていた玉ノ井カフェに到着。
雰囲気がよくて居心地抜群。
無花果のキャラメルソースがけのケーキと永井荷風ブレンドをチョイス。
見事な美味しさだった。
店主さんに玉ノ井のカフェー建築について尋ねると、色々資料を出してくれた。
ありがたい。
店主に送り出され、街を少し歩く。
東向島駅(玉ノ井駅)から電車に揺られる。
落ちかけた日とほどよい疲れ、そして旅が終わってしまうことで二人とも言葉が少なくなる。
一昨年は竹原、去年は小室圭ツアー、そして今回は吉原・玉ノ井ツアー。
彼女とは萌えツボが似ているので、行きたい場所、見たいものが重なることが多い。
これからもまた楽しみを見つけて、一緒に出歩きたい。
電車内で離脱。
妹宅へ。
妹夫婦がミスチルのライブに行っていて、父が一人で甥っ子の面倒を見ているとのことだったので、寄ることにした。
(妹、前から6列目で桜井さんのほくろが肉眼で見えたらしい!)
甥っ子がペヤングを作ってくれた。おい、嬉しくて泣いちゃうだろ。
駅前の美味しいお寿司屋さんの上寿司も用意されていた。
21時前に妹夫婦がご帰還。
私と父は挨拶もそこそこに駅に向かう。
玄関先で見送る甥っ子が静かに泣いていてもらい泣き。
歩きながら「上司のいじめはどう?」と訊かれて、心配をかけていることに申し訳なさを感じた。
父は「異動願いを出してほしい」と言う。これ以上、娘が苦しんでいるのを見たくない、と。
親不孝者で申し訳ない。
今日たくさん触れた遊女の苦しみ悲しさと自分のそれとを比較することは、とてもおこがましいと思う。
衣食住に困らなくて、身を売らなくてもいい、自分。
けれども、今の現代社会に生きる人間にもそれなりに辛さはある。
この歳で親に心配をかけるとは思ってもみなかった。
どう対峙すべきなのか。
父を乗せた電車が見えなくなるまで、ホームに佇み、見送った。
日本最大の遊廓街であった吉原、迷宮の私娼街の玉ノ井を歩くというもの。
彼女は私に小説「吉原炎上」を貸してくれたり、旅行会社が企画する吉原散策ツアーに一人で参加するほどの遊女ヲタ。
私も永井荷風の世界観が好きなので、好みが一致。
今回のツアーは2年前から企画されていた。
南千住駅で下車。
駅の「御手洗」の看板にさっそく萌える。
そう、瀬戸内海に浮かぶ大崎下島(広島県呉市)の港町・御手洗は遊女で有名。
私もSちゃんも訪れたことがある。
まずは馬肉で有名な中江にて。創業は明治38年。
https://www.sakuranabe.com/
吉原名物桜鍋ランチ。
タイムトリップした感じ。
人生初の馬肉!臭みがなくて食べやすい。
ガスの操作を誤り、火を消してしまう我々。
お店のおばちゃんに「消えたの?消したの?火は勝手に消えないから」と怒られる。てへぺろ。
母ヨーコたんが作ってくれた遊女っぽい巾着。
Sちゃんとお揃い。
ふ~。お腹一杯。
現代でもスタミナをつける食事を「馬力をつける」というが、これは吉原の桜鍋が起源らしい。
うん、たしかに元気いっぱいになった気がする。
あれ?あれ、ジョーじゃね?
「あしたのジョー」の舞台は南千住~泪橋辺りが舞台らしい。
そこから少し歩いて、「遊郭専門書店 カストリ書房」へ。
ここ、我々の聖地。
NHK歴史探偵に出た有名な店主さん(渡辺豪先生)におすすめ遊郭を尋ねたりした。
「個人的な趣味とかあると思うんですけど」と前置きし、色々と教えてくださった。
遊郭跡地は負の遺産。取り壊されるスピードは年々増しているので、行きたいと思った時に行っておいた方がいい、とのこと。
気さくにお話してもらえて感激!
吉行淳之介の本をゲット。プラス100円でカストリ書房のブックカバーもかけてもらえる。
渡辺豪先生と歩く吉原ツアーも気になる。
https://helloaini.com/users/33399
よし原大門から向こうは、ソープ街。
ソープ街を歩くのは人生初。
横目で見た店の開け放たれたドアの向こうは、怪しい照明が灯っているが薄暗い。
店前に立つ黒服の男性たちはどこか威厳があり、凛としていた。
吉原神社。
吉原弁財天。
大正12年9月1日の関東大震災で多くの遊女たちが焼け死に、圧死し、溺死した場所。
池に鯉が泳いでいるのだが、丸々と太っていて生命力に満ちていた。
鷲神社。
ほうじ茶が無料で飲める。
飲みすぎてお腹がたっぽんたっぽんな我々。
おかめさん。ぺたぺた。
浄閑寺に向かって歩く。
晴れていて汗ばむ陽気だ。
「あれ?これ、飛不動尊じゃね?」
そう、小惑星探査機はやぶさファンならみんな知っている航空の神様を偶然見かけた。
去年来たのだが、ここだっけ?(この辺の地理がよくわからない)
ヲタヲタしく説明する私にSちゃん、ドン引き。
浄閑寺。旅のハイライト。生まれては苦界 死しては浄閑寺。
死んだ遊女が投げ込まれた寺である。
永井荷風の石碑。
髪飾りのお供え。
この柵越しに骨壺が見える。
吉原の遊女に関係するもの以外にもいろいろと見所がある。
本庄兄弟 首洗いの井戸はおどろおどろしい感じだった。
山谷老友会が建立したひまわり地蔵尊。ひまわりの花は、太陽の下で一生を働きぬいてきた日雇労働者のシンボル。
管理人のおじさんと色々と話を聞いた。
案内図をいただく。
(この煙草ケースはSちゃんからもらった誕生日プレゼント)
管理人のおじさんは「本当に投げ込まれたと思う?俺は思わないなあ。人間だもの。そんなことできっこないと思いたい」と静かに言い残して去って行った。
浄閑寺からバスで玉ノ井へ。
バス停で見たスカイツリー。おお、やっぱり大きいんだな。
永井荷風の作品にも出てくる白髭橋で下車。
「ずっこけ」という飲食店の看板がジワる。
玉ノ井は戦前から1958年(昭和33年)の売春防止法施行まで存在した私娼街。
永井荷風がラビランス(迷宮)と称した玉ノ井の私娼窟跡。
Sちゃんが行きたがっていた玉ノ井カフェに到着。
雰囲気がよくて居心地抜群。
無花果のキャラメルソースがけのケーキと永井荷風ブレンドをチョイス。
見事な美味しさだった。
店主さんに玉ノ井のカフェー建築について尋ねると、色々資料を出してくれた。
ありがたい。
店主に送り出され、街を少し歩く。
東向島駅(玉ノ井駅)から電車に揺られる。
落ちかけた日とほどよい疲れ、そして旅が終わってしまうことで二人とも言葉が少なくなる。
一昨年は竹原、去年は小室圭ツアー、そして今回は吉原・玉ノ井ツアー。
彼女とは萌えツボが似ているので、行きたい場所、見たいものが重なることが多い。
これからもまた楽しみを見つけて、一緒に出歩きたい。
電車内で離脱。
妹宅へ。
妹夫婦がミスチルのライブに行っていて、父が一人で甥っ子の面倒を見ているとのことだったので、寄ることにした。
(妹、前から6列目で桜井さんのほくろが肉眼で見えたらしい!)
甥っ子がペヤングを作ってくれた。おい、嬉しくて泣いちゃうだろ。
駅前の美味しいお寿司屋さんの上寿司も用意されていた。
21時前に妹夫婦がご帰還。
私と父は挨拶もそこそこに駅に向かう。
玄関先で見送る甥っ子が静かに泣いていてもらい泣き。
歩きながら「上司のいじめはどう?」と訊かれて、心配をかけていることに申し訳なさを感じた。
父は「異動願いを出してほしい」と言う。これ以上、娘が苦しんでいるのを見たくない、と。
親不孝者で申し訳ない。
今日たくさん触れた遊女の苦しみ悲しさと自分のそれとを比較することは、とてもおこがましいと思う。
衣食住に困らなくて、身を売らなくてもいい、自分。
けれども、今の現代社会に生きる人間にもそれなりに辛さはある。
この歳で親に心配をかけるとは思ってもみなかった。
どう対峙すべきなのか。
父を乗せた電車が見えなくなるまで、ホームに佇み、見送った。