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余りの暑さに、この夏は幾冊もの本が頓挫してゐた。
やっと涼しくなり、最後を読み終へた。
『ヒトラー政権下の人びとと日常』(原書房)。
ふんだんな当時の写真から、”ヒトラーを支持した普通の人たち”の姿が浮かんでくる。
とても面白かったのは、ヒトラー政権の青少年対策と農業対策、だった。
結局、全ては数年の先に破綻はしてしまふのですが、その、妙な理想主義は、ベジタリアンだったといふアドルフの絵画のやうに、妙に取り澄ました古典的な匂ひがする。
そして、思ふのは、戦時下の日本の軍部の農業政策は如何なるものだったのか、といふこと、です。ただ、庭先にサツマイモを作れ! といったものだったのではー。