先日、NHKのラジオで柳澤寿男さんを紹介する番組を聞いた。
コソヴォのオーケストラの指揮者になったといふ。
あの、ヴァルカン地域の、コソヴォである。
人種のるつぼといはれる場所で、40人ほどの小さなオーケストラを任せられたひとりの東洋人の、淡々とかたる話に感動した。
演奏中に罵声はもちろん、石が投げられることもあるといふ。
プログラムは、人種に優先順序があってはならにので、それぞれの言語で数種類を作らざるをゑないといふ。
どんな迫害があるかわからないので、団員の名前は一切公開できない。等々。
まったき平和な日本では想像できない状況で、若い指揮者は、それでも音楽で風穴をあけやうとしてゐる。
団員に(!)「音楽で何かを打開する!? できるものか!」といはれ、それでもベートーヴェンの7番の演奏後の聴衆の歓喜に、近づいてきたくだんの団員は「少しは、可能性があるかもしれない、な」と語ったといふ。
どんなオーケストラなのか、一度聴いてみたいと思ふ。
柳澤寿男さんのサイトがありました。
こちらです。