以前にほんの一部だけ見ることができて、でもほとんどを見逃し、残念に思ってゐたNHKのグールド伝の番組がこの8月に再放送されてゐて、今回はしっかりと全4回を見ました。
CDで聴く事はできても、映像はなかなか見ることはないので、その膨大な映像の数々に、まさしく鬼才グールドの天分を再認識した夏でした。
4回の話を、デビュゥの《ゴルトベルク》で始めて、そして、死の直前の《ゴルトベルク》再録音で終り、その凄まじいばかりの天性に感動しました。
番組のなかで、僅かに挿入された《フーガの技法》の演奏のなんと美しかったことか!
自ら選択した孤高のなかで、ひたすら自らを研ぎ澄ませていったグールドのバッハを、この秋にまた聞きなほしてみやう、と思ふ。