ヤンソンス/サンクト・ペテルスグルグ・フィルのラフマニノフの交響曲第2番を初めて聴く。
この録音(15年ほど前かー)は知ってゐたけれど、ほとんど食指は動かなかった。
同曲の録音は、アシュケナージの演奏で初めて聴いて好きになり、スヴェトラーノフ、ザンデルリンク、ほか数枚のディスクがあったはずである。
ともに、情緒綿々たる演奏で、それはそれでよかった。
ところが、ヤンソンスの演奏は、あれっ! と思ふほどのアッサリ系。
オーケストラが、あの、かつてのレーニングラード・フィルであることを思へば、もっとロシア風の演奏かなと思ってゐたら、かつて指揮をしてゐた北欧のオーケストラの味はひでした。
カップリングの《ヴォカリーズ》も同じやうな演奏ですので、ヤンソンスの指向なのでせう。
曲自体が大変ロマンティックな曲想ですから、あるひは、これで充分なのかもしれません。
そして、北欧やロシアのローカルなオーケストラで聴くと、意外にラフマニノフの心のひだが聞こへるのかも知れません。