昨年の芋煮会の時に、新刊がでたよ、と仰ってゐた高橋義夫先生の小説
『恨み半蔵』(中央公論新社)を読みました。
いつものやうに、丁寧な描写と端正な文章で、感心しきりです。
今年の新年会の時に、飲み足らない幾人かで高橋先生を囲んでゐました。
その時出てゐた名前が(小生が出したのだった、かしらんー)、
近松秋江とフィリップ・ロス、でした。
(若い人は、名前も知りません、でしたがー)
意外にも、そのふたりの作家については高橋先生も面白い、といはれ、
小生は特に、以前『別れたる妻に送る手紙』を読んだ時の面白さが衝撃的で、
最近、彼の傑作といはれる『黒髪』やその後の連作を読み、ますます、その面白さに惹かれてゐます。
おそらく、今どきであれば、”サイテー!”といはれるやうな、ストーカーのやうな、男としての度量も矜持も無くして女を追ひかけてゆく姿を描きながら、しかしその近代的な文章と美しい自然描写と、なによりも、妙な女々しさがなく、あっけらかんとしてゐる読後感が素晴しい。
検索してみると、県立図書館に全集があって、一冊借りてきましたが、
15,6年経てゐるのに、誰も借りた気配がなく、なにか一寸得をしたやうに
しばらく彼の世界を探ってみるつもりです。
『恨み半蔵』(中央公論新社)を読みました。
いつものやうに、丁寧な描写と端正な文章で、感心しきりです。
今年の新年会の時に、飲み足らない幾人かで高橋先生を囲んでゐました。
その時出てゐた名前が(小生が出したのだった、かしらんー)、
近松秋江とフィリップ・ロス、でした。
(若い人は、名前も知りません、でしたがー)
意外にも、そのふたりの作家については高橋先生も面白い、といはれ、
小生は特に、以前『別れたる妻に送る手紙』を読んだ時の面白さが衝撃的で、
最近、彼の傑作といはれる『黒髪』やその後の連作を読み、ますます、その面白さに惹かれてゐます。
おそらく、今どきであれば、”サイテー!”といはれるやうな、ストーカーのやうな、男としての度量も矜持も無くして女を追ひかけてゆく姿を描きながら、しかしその近代的な文章と美しい自然描写と、なによりも、妙な女々しさがなく、あっけらかんとしてゐる読後感が素晴しい。
検索してみると、県立図書館に全集があって、一冊借りてきましたが、
15,6年経てゐるのに、誰も借りた気配がなく、なにか一寸得をしたやうに
しばらく彼の世界を探ってみるつもりです。