昨夜のNHKで、思ひもよらず、カルロス・クライバーの来日公演の様子を流してゐました。
それもベト7、です。オケは、伝説を創ったバイエルン国立管弦楽団。
80年後半ですから、彼50代後半。
その、流麗にして力強い、変幻自在のタクトさばきに見入ってしまふ。
勿論、奏でる音楽が見事なのは、いはずもがな。
指揮棒を振らずに、わずかに動く数本の指の先から、まったく正統で、確信をもったベートーヴェンが蘇ってくる。
一年に数回の演奏しかやらない、といふやうな伝説もつくってしまったクライバーですが、また、その美しい指揮姿とは裏腹に、リハーサルは過酷をきはめてゐたやうですが、しかし、やはり、こんな音楽は、滅多に聴かれるものでもありません。
そして、その録音の少なさと共に、彼の早すぎる死は、惜しみて余りあります。
(尚、画像は同番組から)