普段はあまり聴かないチャイコフスキーの音楽の中でも、5番の交響曲は、とても好きです。
先日、マタチッチ/NHK響の旧い録音のCDを聴いて、とても感銘を受けました。
これは勿論、ロシア的な演奏ではなく、とてつもなくドイツ的な(あるいは、彼の生まれたユーゴスラビア的なー)演奏ですが、とても胸を打つ。
剛のチャイコフスキーの代表のやうな演奏です。
NHK交響楽団も、あちらこちらで音をはずしますが、それでも、マタチッチの豪腕で、太い筆で書いた墨絵のやうな名品を残してゐます。
チャイコフスキー交響曲第5番マタチッチ
そして、フリッチャイによるモノーラルの5番も聴きましたが、これも、とても素晴らしい。
若くして白血病で亡くなったこの名指揮者は小生の好きな指揮者のひとりですが、最晩年の6番も伝説的な演奏ですが、晩年に近い5番の演奏も、悠々として、ひとつひとつの旋律がことごとく生きてゐて、やはり胸をうちます。
チャイコフスキー:交響曲第5番 Op.64(1957ライヴ)
そして、小生、性懲りもなく、カラヤンの1971年録音の5番を聴いたのですが、やはり、その品のない演奏に驚いてしまひました。
これでは、カラヤン編曲の音楽になってしまひ、まあそれはそれでもよいのですが、圧倒的な音響空間の果てから、残念ながら、なにも聞こえてこない。
チャイコフスキー 交響曲第5番 第4楽章
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