やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

L'Amour d'Un Jour - Jos�・ Reyes & Los Reyes

2016-02-19 | 音楽を
ジプシー・キングスの音楽に衝撃を受けて以来、彼らのCDを求め漁り、今でもよく聴く。

ただ、全盛期の圧倒的な音楽から、やがて、音をいぢくり始め、こねくり始めたころからすこし腰が引けた。
集めた彼らの代表的な名盤のなかに、初期のものが一枚ある。

皆が集まって、ワイワイガヤガヤと録音した、みたいなCDですが、でもとても好きです。

Youtubeに流れてゐるこの曲も、きっと、そんな彼らのまだ陽の目をみる前のものです。

L'Amour d'Un Jour - Jos�・ Reyes & Los Reyes


冴えないジャケットから流れてくるのは、でも、なんと胸を打つ音楽なんだらう。

街角で、その頃の彼らの音楽を聴いて、ひとり名優のチャプリンが涙を流し続けた、といふエピソードは余りにも有名ですが、きっと、同じ血を感じたのでせう。

その独特な歌唱法と歌声は、すぐに彼らのルーツが中東付近であることがわかります。
インド北西部といふ説もありますが、きっとはるかな昔、故郷を棄て、土地を棄て、財産を棄て、家族を棄て、愛も棄て、きっと、今のシリア難民の方々のやうに、海を渡り、山を越えて生きる糧を欧州に求めた。

たどり着いたところで、おそらく、手にしたものは何もなかったのかもしれないが、でも、歌ふことは出来た。

過酷な昨日と、見へない明日でも、今日はしばしの間、歌ってやり過ごす。
そんな、途方もない絶望と希望が、初期の彼らの音楽にはあった。



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