朝刊に、オトマール・スウィトナー氏の死亡記事が出てゐた。
ルドルフ・ケンペとともに、ドイツ系の指揮者では敬愛の指揮者でした。
ベルリンの壁崩壊のあと、病のせゐもあったのでせうが、忽然と引退をし、やがてこの時がくるのを悲しく待ってゐました。
確か、大昔、一度だけNHKホールで彼の姿をみました。
まさに、マエストロに相応しい姿でした。
スウィトナーの演奏を初めて聴いたのは、モーツァルトの29番の演奏でした。
古い録音です。
けれど、ゆったりとしたテンポと、細やかな演奏にこころ打たれました。
1980年台、彼の絶頂期に録音されたベートーヴェン、モーツァルト、シューベルト、ブラームス、ブルックナー、等々は尽きることのない名演奏です。
よすがに、ブラームスの2番と4番を聴きました。
当時の、ふくよかな音色のシュターツカペレ・ベルリンの音色ととも、大向かふを狙はない、地味だけれどとても真摯な演奏が改めて聴いてもこころに響く。
当時からすでに四半世紀は過ぎ、世代も数世代は替はってきてゐますが、小生のやうなジイには、かれの慈しむやうな音楽が、まさに、宝です。
合掌。
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