昨日は、”白露”でしたが、今年は一気に秋が深まりさうです。
道路沿ひでは、冷夏を撥ね退けるやうに秋の果実がたわわに実り、
我が家でも、連日の野菜の収穫です。
秋の冷気を感じたら、何故か急に《第九》が聞きたくなり、
初めてイッセルシュテットの演奏を聞きました。
この、ドイツの古武士のやうな指揮者は嫌ひではありませんでしたが、
さほどディスクはありません。
ベートーヴェンの6番と、バックハウスに伴奏した協奏曲の全集、あとは、確かブラームスの演奏があったかしらん。
昔から名盤の折り紙つきのヴィーン・フィルとの全集でしたが、
不思議なことに、第九は聞いてゐませんでした。
けれど、圧倒的な演奏でした!!
半世紀近くも前の、しかし、ヴィーン・フィルの強靭な演奏力とイッセルシュテットの老練で推進力ある演奏。
当時のデッカの録音技術の素晴しさが充分に残り、当時65歳だった彼ですが、昨今の演奏にも決してひけをとらない、否それ以上にこれ見よがしのない、強い演奏でした。
少し調べたら、最近再評価が高い、といふ。
確かに、余りにも分析的な演奏が多い中で、この豪快にして明晰な演奏は、ウロコを剥ぐに充分なのかもしれません。
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