やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

櫻の死

2009-04-02 | 櫻探訪
十日ほど前でしたか、新聞の山形版が一本の櫻の死を報じてゐました。
昨年はまったく花が咲かず、すでに枯死してゐる、との記事でした。

中山町にある、お達磨の櫻、です。
以来、気になってゐて、やっと見に行く時間がとれました。

その姿に、悄然としました。










そぼ降る冷たい雨のなかで、立ちつくすその姿に、声もでませんでした。
樹齢500年とも、600年とも云はれた名櫻でしたが、今、この春に、人は(小生も含めて)一本の櫻を死に追ひやってしまったことの罪を感じます。

近くに高速道路が出来たので、水みちを切ってしまったのかもしれません。
周りの若木の櫻は根を延ばせたのかもしれませんが、老いた彼には、すでにその力もなく、もはやこれまで、と生きる力を断ってしまったやうです。

3年前に行った時も、その痛々しいほどの姿に涙し、見に来てゐた老婆が涙を流さんばかりに「痛ましい…」と声を上げてゐました。

3年前の写真が↓です。
6年前には、けれどしかし、老いてなほ、江戸彼岸らしい、ちいさく強靭な花を付けてゐたのですがー。
















最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
痛ましいですね (フロム*ヤマガタ)
2009-04-02 10:29:14
nagaokaと申します。
原生林の老ブナの倒木は、痛ましさと同時に、命を次代に受け継ぐ覚悟や希望のようなものを受け取るのですが、「独居の死」のいたたまれなさを感じます。
返信する
衝撃ですね… (越後屋)
2009-04-05 19:27:34
越後屋は一度も見に行けなかったですが…切ないですなぁ。
本日同じ江戸彼岸桜”わに塚の桜”を見に行ってきましたが、
去年とはやはり佇まいが変わってたのが寂しかったなぁ…
返信する
Unknown (神丘 晨)
2009-04-06 11:50:21
フロム*ヤマガタ 様

ご覧頂き、有難うござゐます。

云はれたやうに、まさに、独居の死、の感でした。
久保の櫻のやうに、壱千萬もかければ延命もできたのでせうがー。
それにしても、櫻を殺す人間の存在を感じて、辛いです。
返信する
Unknown (神丘 晨)
2009-04-06 11:57:48
越後屋 殿

そなたは、見たことがなっかた! とな?

染井吉野は、ほぼ人間の寿命と同じといはれ、
生まれた時に植ゑた樹も、その人間が死ぬる時には朽ち果てる。
けれど、江戸彼岸は、参百年も、伍百年も、千年も生きる。

そのことを思ふと、辛い話よー。

新しい居酒屋を見つけ申した。
黄金週間には、時あらば、一献!
返信する

コメントを投稿