やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

ブラームス/弦楽六重奏曲第一番

2005-11-17 | 音楽を
先の、ピアノ三重奏曲に続く、室内楽の第二作。
1860年、ブラームス27歳の時の作品。

アマデウス四重奏団に、C・アロノヴィッツのヴィオラと、W・プリースのチェロが加はった演奏で聴く。

ある意味、ブラームスの室内楽では有名な曲、です。
第一楽章、冒頭のヴィオラのさざめく旋律で曲は始まり、牧歌的な、穏やかな曲想が広がってゆく。まだ、大きな曲に自信をもって手を染めることが出来なかった当時のブラームスの、ためらひのやうなものが、それでも、充分にスケールの大きい広がりをもってー。

有名な第二楽章も、ヴィオラの哀切なメロディで始まる。
ルイ・マル監督の「恋人たち」で、確か、主人公の女(ジャンヌ・モローの、何と退廃的で、美しい演技!)の不倫相手? の青年がダンスを始めるためにラジオを付けると、薄暗い部屋にこの曲が流れてきた、と記憶してゐます。

それよりも、このたび、ブラームスの年譜を見てゐたら、完成の年の夏に、未亡人クララとヴァイオリニストのヨアヒムとでライン旅行をしてゐます。
甘く、切ない、憧れをもったメロディは、船上で河風を受けながら彼方を見やるクララの横顔を、覗き見るやうにしてゐたかもしれないブラームスの、外に出せない秘めた想ひのやうなものが感じられて、これでよい、と納得したブラームスが9月に完成の楽譜を公開したのかしらん、と勝手な想像を膨らませました。



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