慌しい時間を過ごしてゐて、耳に入る音楽がありませんでした。
そんな時は、やはり、モーツァルト! と、ジュリーニの演奏を聴きました。
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮/ニュー・フィルハモニア管弦楽団による
1960年代半ばの録音。
ジュリーニが、まだ50歳頃の録音か。
後年、彼はベルリン・フィルと幾つかの交響曲を録音しますが、
さう多くはない彼のモーツァルトの交響曲の録音では、小生はこの頃の演奏が好きです。
LPの時と違ひ、このCDでは音がずゐぶんと円やかに再現されてゐて、
そのお蔭もあるのかしらん、
決して悲愴ぶらない、スマートな演奏が聴けます。
晩年になるにつれて、ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナー、マーラー等の
長大な曲が、より長大な(曲によっては、必要以上にー)演奏になっていった中で、
やはり、モーツァルトは、きっと、さうはいかなかったのでせう。
(時代的にも、すでに、ピリオド奏法が確固たる地位を占めて来た時期でもありましたがー)
それは兎も角、40番にしても、3楽章や終楽章の颯爽とした演奏は今もっても素敵な演奏であり、
41番も、大柄なジュリーニの指揮の下、再編成されたばかりのオーケストラの意気込みが
伝はってくるやうな快演奏です。
雑誌等での、ベスト○○にはノミネートされない演奏かもしれませんが、
ある意味、鮮度の落ちない演奏なのではないでせうか。
(写真は、ジャケットから)