rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

陰謀論から見たウクライナ情勢

2022-02-25 23:21:10 | 政治

2022年2月21日、プーチンロシア大統領はウクライナのドネツク、ルガンスク両州の独立を承認、翌22日にロシア軍を両州に派遣することを指示しました。EU外交部は同日ロシア軍がドンバスに侵攻したと発表、その時点では国籍マークなどを消したロシア軍車両が大量にドンバス地域に侵入していた様です。23日には欧米のメディアが一斉にロシアの侵略を批難し始めました。2月24日にはウクライナ各地で空爆(ミサイル攻撃?)とみられる爆発が起こり、ロシアによる本格的な戦争開始が誰の目にも明らかになってきました。

 

私の個人的な意見としては、戦争で得をする現地の庶民はいない事は明らかである事。ウクライナが穀倉地帯である上に工業地帯としてもソ連時代から発達していたという地域性、ソ連スターリンの時代からウクライナは歴史的に略奪と虐待に遭っており、反ロシア感情や独立心が強い事など鑑みて、「ロシアからは独立した国家とするも、ロシアと緊密な関係を維持する」ことでロシアよりも国民は豊かな生活を送れるだろうと考えています。欧米諸国はウクライナ国民自体の幸福など考慮せず、「対ロシアの地政学」と「ウクライナ産業の経済的収益」のみ考えてNATOへの加盟やバイデン親子が現地財閥の重役になるなど、かつてのソ連に代わって収奪することのみ考えて介入している事は許せない事だと思っています。

 

陰謀論からみたウクライナ情勢

 

現在のウクライナ情勢を20世紀的な旧西側と旧東側の対立(新たな冷戦)という視点で理解しようとしてもそれは不可能です。21世紀に米国一国支配が確立してからは、一極世界支配を続けようとするNew World Order (one world-ロックフェラー・米国民主党リベラルdeep state側)と、多極的支配に変えようとするロスチャイルド系、(米国共和党・いわゆる保守側)のせめぎ合いで考える方が理解しやすいです。一極勢、多極勢ともに特別庶民の味方、民主主義の味方ではありません(そのふりはするでしょうが)。アントニオ・ネグリの言うところの「帝国」側のそれぞれの勢力にすぎない事は理解していないと思わぬしっぺ返しを食らいます。ただ経済を牛耳る一握りの人が表舞台に出て世界を動かすと思われる事は避けたいようで、このような議論は「陰謀論」というレッテルを貼ってメディアの報道から除かれています。

陰謀論からみた新型コロナや国際情勢などをざっくりとしたまとめですが、表にしてみました。一極支配側の試みは市民の抵抗にあってあまりうまく行ってない様に思います。メディアは一極支配側なのでこれらの動きを批判しませんでしたが、ネットやSNSでは多極支配側の論説の方が人気です。

 

今後のウクライナ情勢の予想

ニューズウィーク日本語版の3月1日号「緊迫ウクライナ・米ロ危険水域」という特集では、Foreign Polocy社の記者エイミー・マッキノン氏の予想で軍事進攻後には、ウクライナ国内で反ロシア派の検挙、拘束が始まるとされ、既に計画やリストまで作成されていると記されています。米国はウクライナ国内の大使館員や米国人を既に国外退去させており、ロシア侵攻後は米国に遠慮することなく容易に親ロシア派からなる新政府を作る事ができます。2月25日の時点で、ロシアは既に首都キエフに侵攻しつつあると報道されています。バイデン政権は「さあ、どうぞ」とウクライナをプーチンに差し出す様に米国人を全て国外に退去させました。イスラエル元外相のベン・アミ氏の寄稿「ウクライナ奪還」プーチンの本気度、という記事においても、昨年夏にプーチン自ら発表した長大な論文「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性について」に触れて、ウクライナがロシアの一部であるというプーチンの信念の強さを紹介しています。ロシアとウクライナの国民は共に第二次大戦で大祖国戦争を戦い、ファシズムに勝利したという共感が強く、お互いに戦争をして殺し合うつもりは元々ないと考えています。外国にいるウクライナ人は反ロシア感情や独立国としての自尊感情を強く表明しがちですが、言葉も宗教も同じ人間同士が強い憎しみを今から持つ事は考えにくいのが本当ではないかと私も思います。2014年は民主的な選挙で選ばれた親ロシア派のヤヌコーヴィチ政権を西側主導で暴力的に倒し、親欧米の政権を作らせましたが、その逆をロシアが軍を使って行うというのが今回の結末と思われます。

 

米ロは戦争になるか

 

これも上記News week日本語版に紹介されていますが、1970年代の核冷戦の最中は、ひとたび米ソが戦端を開けば「先制攻撃に対する凄まじい核の反撃」体制が整っており、地球の人口が何度も死滅できるほどの核を両国が持っていることから、戦争になれば地球は滅びると考えられていました。今でも米国は1650発の実戦核配備戦力を備えており、全面戦争になれば結果は同じですが、現在の米国核戦略は「指揮計画選択肢(DPO)」と呼ばれる戦略に沿っており、一度に全ての核を用いるのではなく、サイバー攻撃や宇宙戦略などを駆使して、時宜に応じて小出しに核を用いる(核は分散使用する)方向に変化しているということです。戦争の段階は6段階に分かれており、phase 0の段階ではまず兵器を世界に分散させることから始まるとされています。私は米国がウクライナを守る本気度はプーチンがウクライナを攻める本気度とは比べ物にならない低さであるとみているので、米ロが直接対決することはないと考えます。

 

「オズの魔法使い」の世界にいる人達

以前ブログでも紹介したライマン・フランク・ボームの小説でミュージカル、映画にもなった「オズの魔法使い」ですが、フリーメーソン的内容があると言う評判もあり、陰謀論的でもあります。純朴な田舎の少女ドロシーが竜巻に巻き込まれて不思議なオズの国に飛ばされ、悪い魔女を倒して故郷に戻る物語です。ドロシー(純朴な庶民)はブリキの木こりや案山子(西側同盟国の庶民)と共に、故郷に帰る安寧のため(民主主義を守るため)悪い魔女(プーチンや習近平)と闘う様、黄色いレンガ道の向こうにあるエメラルドの都(ワシントンDC)に住む壮大な魔力を持つ魔法使いオズ(バイデン大統領)に命ぜられ、犠牲を払って必死に戦うのですが、結局オズはペテン師でしかなく、主人公達は自分たちの力で故郷に帰る(安寧を作る)という結果になります。米国は世界の警察官でバイデンはトランプと違い正義の味方で、強力な米軍が世界を統一して安寧に導くというのは余りにナイーブな世界の見方です。一極主義と多極主義の戦いに庶民が駆り出される必要はありません。新型コロナもウクライナ情勢も醒めた冷静な見方で観察する必要があります。自らミュージカルの役を演ずる必要はないでしょう。


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4 コメント

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ミラ・ジョヴォヴィッチ (宗純)
2022-02-28 11:06:43
あの日本製ゲームを映画化して大ヒットした「バイオハザード」のヒロインのアリスを演じていたミラ・ジョヴォヴィッチのルーツがロシアとウクライナ。今回のウクライナ侵攻では複雑な心境を語っています。
アメリカのハリウッド映画のような善と悪の対決のような単純なものではないが、困ったことに日本では全員が「ロシアが悪い」の大合唱。これでは報道ではなくて単なる稚拙なプロパガンダですね。それに比べればこの記事は2万倍は優れています。

ウクライナ大統領のゼレンスキーが何故か逮捕された犯罪者とそっくり。大統領執務室での撮影ではないし、執務室のデスクでもない。真冬に半そでTシャツ姿のままビデオで国民に徹底抗戦を呼びかけているのですが、これは極寒のキエフではなくて常夏のアメリカのハワイかバミューダ諸島と勘違いしますよ。ネオナチのバンデラ信奉者以外はロシア軍と戦いたくない。ロシア軍もキエフでの市街戦はしたくない。市街戦になれば無関係な一般市民が大勢犠牲になるのは日本の沖縄戦で証明済み。
逆にオランダなどNATO諸国の一部は携帯対空ミサイルや対戦車ミサイルなどゲリラ戦用の兵器をウクライナに提供して泥沼にする作戦のようですが、これは「ソ連憎し」の半世紀前の冷戦時代の発想で、その結果はイギリスフランスなどのイスラム国内テロのブーメランになったことを忘れている。
それにしてもウクライナ云々より、新コロ騒動の真っ最中なのにピッタリ報道が止まったのが???ひょっとすると新コロを有耶無耶にする猫だましの赤いニシンかも知れません
安保理決議に中印UAEの3ヶ国が棄権するがウクライナより世界最貧国のイエメン停戦の方が順番として先で政府やメディアの価値観の根本が狂っています
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思わず「なるほど。納得」と思ったTwitter (宗純)
2022-02-28 12:04:18
yumi ゆみ@ygjumi·2月27日

世界中の人が力を合わせて闘うべき時なのに、
人間は何をしているんでしょうね。

Koichi Kawakami, 川上浩一@koichi_kawakami·2月27日
ワクチンで勝てないことがわかったので、自暴自棄のようにも見えます。

には爆笑。アメリカほどではないが、ロシアの新コロ感染者や死者は半端ではない。
ワクチンでは防げないことは明らかで、バイデンもプーチンも大きな方針転換する必要性があるが、
同時に一般市民からは、その事実を隠したい。

今までの一連の流れからは、バイデンとプーチンの出来レース。八百長プロレスに見えます。典型的な猫だましの赤いニシンです。
アメリカですが、何とかしてロシア軍をウクライナ侵攻に無理やり導いたように見えるが、正体不明の新コロ騒動のほかにも、半世紀前のアポロ11号着陸船の写真は重荷にあえぐラクダの背骨を折る最後の藁束に思えます。しかもそれを提供したのがインドとNASAなのです
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本当に反戦なのだろうか (rakitarou)
2022-02-28 13:00:04
宗純さん、記事を評価いただいてありがとうございます。NATOが兵器を送る決定をしたことに日本のメディアは批判をしないのが不思議でなりません。あれだけ反戦や武力行使を批難しておきながら民衆が不幸になる決定を批判しないとはいかに普段が口先だけかが解ります。
私は元自衛官なので野戦訓練も経験してますし、一兵士が訳も分からぬうちに戦死すればまだ良いですが、手足を失ったり、視覚聴覚を奪われてあとの一生を過ごすことになる悲惨さをわが身と感じて過ごす時期はありました。多くの戦争は一部の人間が経済的に得をするために起こしているから戦うに値する戦争があるかは疑問ですが、どうしてもという場合は仕方ないとは思います。しかし殆どの場合戦争になる前に妥協の余地が十分あるのが普通です。真の愛国とは勇ましく戦争をして民族が滅びる事ではないと考えます。
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リンクさせて下さい (小寄道)
2022-03-04 17:29:22
事後報告です。この記事を、小生のブログにリンクさせていただきました。
ウクライナ情勢が、のっぴきならない状態に進んでいて、rakitarouさんの陰謀論の見立ても充分な信ぴょう性を見せはじめています。
どう収束するか、まるで予測不能。現段階では、核施設まで被害を及ぼす始末。
宜しければ、小生の記事にも感想などお願いいたします。
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