2023年の世界の混乱はグローバリズムと多極主義の対立が全ての原因なのですが、それを認めない限り現在の混迷した情勢を理解することは不可能です。新聞やテレビ、欧米の大手メディアは表面的な状況を伝えてはいるものの、明らかな矛盾が同じ紙面で記されている状況を「グローバリズム対多極主義」の視点からの解説ができないので矛盾のまま放置せざるをえない状況です。グローバリズムは間接的に米国民主党政権をコントロールし、政権が米軍・CIAと予算を自由にできる範囲で世界をグローバリズム一極主義の支配下に置こうと試みてきました。グローバリズムのもう一方の武器は金で支配するメディアであり、メディアであたかも科学的真実と思い込ませた似非科学に基づいた「感染症対策」と「遺伝子ワクチン」の強要による人類支配です。WHOには優秀な科学者などいないのに世界的国際機関という権威のみで政治的政策を世界に強要し、政府はそれに従う事があたかも正義である様に装います。
I. グローバリズムがウクライナで勝てない訳
2022年2月に始まったロシアとの直接戦争は圧倒的軍事力の差でウクライナグローバリズム側が敗北しつつあります。グローバリズム陣営は得意の経済制裁でロシアの国力が衰え、米欧のウクライナへの軍事支援でロシアが敗北するシナリオを描いていました。専門家と言われる人達が自信満々にロシアの敗北を予想していました。しかしグローバルサウスと呼ばれる人口では地球の半数を超える「資源や食料」という実体経済を支える国々とロシアが十分に交易し、ロシアが本格的に戦争経済体制に移行して米国を超える地上軍の軍事力を整えると2022年秋以降はロシア側の優勢が明らかになりました。2023年の稚拙な春季攻勢の失敗がウクライナの敗北を決定づけたと言えます。
ロシアの戦後処理政策の予想とされる図。場合によりオデッサまで含むかもしれない。
強い軍隊は「士気・統制・補給」が規模の大きさ、兵器の優秀さと共に必須の条件です。グローバリズム側の軍隊は優秀な兵器はあるかもしれませんが、多極主義がナショナリズムに基づいていた軍隊を持ち「士気・統制・補給」が充実している事に対して兵器の優秀さ以外優位な点を持っていません。アゾフなど一部ウクライナ兵の士気は高かったものの、地上戦の経験がないNATOの指揮・戦術は貧弱で、補給は限られていました。ミサイルや砲弾の補給はロシア10に対して欧米は1の状況が続き、精密な兵器は一度壊れるとウクライナ国内で修理することは不可能でした。
ちなみにガザにおけるイスラエル軍は予備役兵の士気は低く、統制は若い下士官ばかりで不十分であり、補給は米国だのみという状況です。国民は世界を敵にまわしてネタニヤフ政権が虐殺を続ける事に批判的であり、すでに厭戦気分が充満しています。イスラエルは間違いなく敗北するでしょう。
II. グローバリズムがガザ虐殺を支援する訳
米民主党が国民を敵に回してもイスラエルの虐殺を支援する事に違和感を感ずる人は多いと思います。しかしグローバリズム陣営としては、ウクライナでロシアが勝利を収め、今後欧州へのエネルギー事情が厳しいままである現在、ガザ近海にある天然ガス田を欧州へのエネルギー補給のために獲得する必要があり、「ガザを住民ごと排除する必要」があったのです。だから子飼いのハマスによるイスラエル国内への襲撃を赦し、自軍にイスラエル国民をハマスごと銃撃・殺害して「ガザを住民ごと排除」する必要性を作り上げたと言えます。我々常人は「そんな悪い事は人間するまい」と考えがちですが、グローバル陣営の計画者たちにとっては、当たり前の範疇でしょう。
ガザ沖の天然ガス田・油田を示す図(桜井ジャーナルブログから) 10月7日に自軍がイスラエルの家屋を攻撃した事をテレビ取材で認めるイスラエル軍大佐
III. ガザ虐殺で米民主党左派が離反
米民主党の左派を味方にしてグローバリズム支配を続ける事が多極主義のトランプを排除する上で必須の条件であったのですが、イスラエルのガザ虐殺はさすがに純粋なリベラル陣営をグローバリズムから離反させる結果になりました。最初に離反したのは真っ先に迫害され続けたパレスチナ住民への支援を表明したBLMであり、続いてバーニー・サンダースやAOCと呼ばれるコルテス議員らの明らかな離反を生みました。結果若者たちがグローバリズムの推進する政策に反対を表明しつつあり、今年の大統領選挙でグローバリズム・バイデン陣営が勝利することはまずないと言えます。
国連は米・イスラエル以外は虐殺に反対(当然ですが) 米国民主党もまともな左派は離反(ガザのパレスチナ人はユダヤに迫害されたキリストと同じと表明するAOC)
IV. つくろいきれない哀れな日本のメディア達
日本のメディアは未だに米国グローバルメディアの報ずるままを報ずる痴呆メディア状態のままです。表面上ガザの虐殺を批判していますが、戦犯イスラエル政府を南アフリカ政府やヒトラーになぞらえたトルコのエルドアン大統領の様に明確に批難する勇気は一切ありません。結果国際面など見ても、何を主張したいのか、何が問題なのかさっぱり分からない矛盾だらけの紙面、あるいは中身のない薄っぺらの記事ばかりで、「お粗末」を通り越して「哀れ」という表現がぴったりです。もうジャーナリストたちは矜持などと呼べる物など欠片もなく、自分でも恥ずかしいという気もおきないのでしょう。
ロシアのウクライナ攻撃を「テロ」と書きながらイスラエルのガザ難民キャンプ攻撃は「テロ」と書けない東京新聞。雑誌「選択」の新年巻頭は「トランプ復活で世界は未曽有の混乱」とあおりながら中身は「バイデンが行ってきた政策ができなくなるから」とお粗末で空疎な内容。「グローバリズムの自由にならない世界」と明確に記した方が100倍分かりやすいのに「ガザ虐殺の批判」も一言もなく、「奴隷三流ジャーナル」に落ちぶれた結果と言わざるを得ない哀れな中身である。