前回の医療系の話題である「コロナワクチンの接種は打つとしても1回でよいだろう」でも言及しましたが、コロナワクチンについて説明するべき内容について具体的に指摘しました。今回in deepさんのブログでドイツにおいてCovid-19感染症への対応に批判的な科学者達の団体が企画したワクチンについての専門家(ヴァネッサSクリューガー博士、ほか)を招いた公聴会が紹介されていて、ファイザー/BioNTech製のワクチン(コミナティ)について同社がリリースした資料に基づく説明がなされていて疑問を解く参考になったので紹介します。尚、コミナティについての厚労省の説明はここで示されています。
以下にrakitarouが提示した疑問に対する、聴聞会などで示された答えに相当する部分と、その答えについての感想を示します。
〇 mRNAとして体内に注入される遺伝子配列(AUGCかATGCからなる)の明示
トジナメラン(ヒトの細胞膜に結合する働きを持つスパイクタンパク質の全長体をコードするmRNA) 厚労省による説明ではスパイク蛋白の全長が含まれるとされます。但し、聴聞会で明らかにされたように、製品であるコミナティにこの有効成分がどれだけ確実に含まれるか、夾雑物(増殖用大腸菌のDNAやmRNAの断片)がどの程度あるかは明らかではありません。製品の品質を調べる「標準製品」が現在作られていない由です。
〇 投与されたmRNAに反応する宿主側の細胞の特定
主たる細胞は注入部位の筋細胞ですが、注入後15分で20%は肝臓内でも特定され、脾臓や生殖器細胞でも血流で運ばれた事が発光酵素ルシフェラーゼmRNAを用いた実験(使用量はワクチンで用いられる30マイクログラムの15分の1である2マイクログラムで実験)で証明されている。つまり体内いずれの細胞にも作用し得ると言える。
〇 反応して作られるタンパク質の機能と構造
mRNAの設計上はスパイク蛋白の全長が作られる事が企図されているが、断片化されている場合は異なる3次構造を持つ蛋白が作られることになり、それに反応する抗体も本来のスパイク蛋白とは異なる物が作られ得る。タンパク質は4次構造まであることは高校以降の生物学で習うと思う。聴聞会ではこの誤った蛋白が宿主免疫に悪影響を及ぼす可能性は少ないと分析している。
〇 蛋白を異物として認識する宿主の免疫細胞の特定(メモリーT細胞までの道のり)
クリューガー博士が公聴会で説明しており以下になります。抗原提示細胞(APC マクロファージ、樹状細胞、B細胞)がmRNAに反応して異常蛋白を作った細胞が発する何等かのサイトカインを認識してT細胞を連れて異物蛋白を作る細胞の所に行き、反応した細胞が作って放出したスパイク蛋白を捕食したり、蛋白自体を分解して提示している反応細胞に対応することで、APC細胞表面のクラスII MHC分子にスパイク蛋白(や破片)を乗せてヘルパーT細胞に免疫応答するよう指示します。このT細胞がB細胞や他のT細胞に抗体産生や細胞攻撃の指令を出して獲得免疫が形成されます。ただこの機序は単純ではなく、特に本来自己である(筋)細胞が異物を提示することでキラーT細胞からアポトーシスを命じられたり、遺伝子の媒体である陽性荷電したLNP(脂質ナノ粒子)が細胞毒として機能する事も考慮する必要があります。参考の図はコロナ制圧タスクフォースのサイトから引用しました。
参考図はワクチンに対する反応ではなく、一般的なウイルスに対する免疫反応の機序を示す
この機序については極めて重要ながら、複雑系で個人差もおこり得る内容であり、将来自己免疫疾患やアレルギーに発展する可能性がある部分です。本来ならばこの機序について安全性の見極めに数年かけるのが常識であって、「とりあえずやっちゃえ!」が今回のワクチン接種であることは知っておくべきだと公聴会でも説明されます。「mRNAワクチンは安全」などと自信満々で話す人は明らかな「嘘つき」あるいは、「科学は無知」のどちらかと断定して良さそうです。
〇 宿主が作る中和抗体が多種なのかモノクローナル(1種類)に近いのか
スパイク蛋白以外の部位への抗体ではない、と言う点ではポリクローナルながら目標は一つという事。但し、大量に注入される媒体であるLNPに対する抗体も作られる可能性が高い。またLNPが肝機能障害(門脈血管周囲細胞の空胞化という組織障害が動物実験で見られた)を起こす可能性も指摘されている。
〇 作られた抗体のウイルスへの効果
これについては示されていない。いくつかの論文では作られたIgG抗体の量が測定されている。
〇 反応した宿主細胞がいつまで抗原を作り続け、反応した中和抗体がいつまで体内に存続するか
数時間で蛋白は作られ始めて、抗原は1-4週間後も作られ続ける、主にmRNAの安定性によるが、スパイク蛋白のmRNA安定性の細胞内評価のデータはない。中和抗体は他の論文では1回投与で90日後にも存在したとされる。
〇 注入された遺伝子がレトロトランスポゾン化して宿主DNAに取り込まれる可能性の有無
公聴会ではクリューガー博士は明言を避けているが、注入されたRNAが細胞内のどこに落ち着くか(核、ミトコンドリア、細胞質)によるとだけ答えている。但し、筋肉注射されたワクチンは生殖細胞にも移行する事は証明されているし、胎児への影響・移行についての情報は全く皆無と言ってよい。ファイザー自体が世界からの副反応などの情報提供を希望している。
他にも興味深い情報として、今回のコミナティワクチンは1回30マイクログラムのmRNA注入を基本としているが、臨床試験では10マイクロ、20マイクロ、30マイクログラムがテストされ、免疫的な反応の強さはそれぞれでほぼ同じであったが、副反応は量を増やすほど増加したという結果が出ている。しかし何故か製品化された段階で最も副反応が強い1回30マイクログラム投与と決められた。この理由は明らかにされていないが、試験用はかなり純度の高いmRNAが用いられたが、工場で大量生産されている製品化されたコミナティは純度が40-50%の物もあり、ロットによって一様ではない(そもそも検定されていない)ので効果としての安全策で最大の30マイクロが選択されたという工業製品としての純度の問題が背景にありそうだ。また2回打ちの間隔3週間というのも明確な科学的根拠を基に決められたわけではないと明らかにされた。
また基質の一部として使用されるポリエチレングリコール(PEG)に対するアレルギーの危険性も指摘されています。PEGは化粧品や保湿剤としても汎用されていて、女性が日常的に化粧品として使用しています。世界中のアナフィラキシー例に女性が多い事、日本において先行接種された医療関係者のアナフィラキシー例11例中9例が女性であったことも(日本は全例重篤にならず救命しえている)化粧品などに含まれるPEGに対する抗体が既に存在したために起こったアナフィラキシーである可能性があります。
粗製乱造ではない、通常の医薬品の様な製薬基準を満たした純度の高い製品であれば、量によって増加する副反応が少ない10マイクログラム投与で十分であり、最近の研究からも1回投与で十分な免疫的効果が得られると私は考えている。それでも量にかかわらずアナフィラキシーは起こるので注意が必要と思いますが。
欧米の数十分の一の患者しかいないのに、同じ程度のGDP低下という経済損失を招き、慌てて粗製乱造のワクチンを言い値で購入して言われた通りの投与方法で健康な日本人に次々と投与する「なんとあっぱれな国民ではないか!」