rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

知性の韜晦を真に受ける愚昧

2017-02-14 13:35:16 | その他

有名なテレビドラマの「刑事コロンボ」はぼろぼろのコートを着てうだつの上がらなそうな刑事コロンボが「ウチのカミサンがね、・・」などと言いつつセレブで上から目線の犯罪者達を理詰めで追いつめて行き、最後はギャフンと言わせる人気シリーズでした。米国の刑事物なのに銃を撃つシーンは皆無(一応持っているが<当たりゃしない>と本人談)というのも良い所でした。

 

さて、相変わらず批判の多いトランプ大統領ですが、未だにメディアでは「トランプ氏を政治の素人」「知性が足りない」とバカにした上での論評が絶えません。人をバカにして自分が考える枠内の人物であると決めてかかる事程、対決してゆく上で危険なことはありません。実社会で十年以上それなりに揉まれていれば、「相手を見下して油断する事の危険性」あるいは「己の方がはるかに愚かであったことが後で解って恥じ入る危険性」は学習し理解してゆくものです。だからメディアなどで「政治家の知性の韜晦」を真に受けてバカにして上から目線で論評している批評家を見ると「その批評家自身が愚昧・三流である」という印象しか私は受けません。きっと本人にそのようにアドバイスしてくれる友人もいないのでしょうし、自分は賢いと勘違いしてしまっている「その程度の人達」には何を言っても無駄なのかも知れません。

 

私は興味ありませんが2チャンネルなどでの論争やネットの掲示板、ブログコメントなどにも時々「自分が超越的に賢い」と勘違いした「上から目線」の書き込みがあって面食らうことがあります。まあ実社会に出て活躍したことがない人か、精神疾患に伴う薬剤の影響で自己万能観に陥っている場合もあるので深く追求しないことにはしていますが。

 

トランプ大統領ですが、共和党の代表選の段階からメディアの性質を知悉してその愚かさを逆手に取って金をかけずに自分を売り込み、クリントンとの大統領選においても敵に湯水のように金を使わせて結局自分を好悪織り交ぜて売り込むことに成功してきました。この「何をするか解らない」というイメージを大統領になってからも大いに活用していることが伺えます。日本などは首相が虎の子のGPIFの資産143兆円の1/3にあたる50兆円を米国のインフラ整備に投資しますよという土産を持ってゴルフをしに馳せ参じて満面の笑みで迎えられたのは報道された通りです(直接投資は否定してますが、債券などを経由して遠回しに使われることになるのでしょう)。代わりにトランプ大統領は「日米同盟は固い絆」「尖閣は日米安保の防衛範囲」という今までと何も変わらない原則を述べたのみ。しかもその前日習近平国家主席と長時間電話会談を行って恐らく「明日安倍が来るから尖閣は安保の同盟範囲と言うぜ!」という話はしたに違いありません。習近平氏としては最終的には南シナ海や台湾との「一つの中国問題」で「いずれどこかで折り合いを付ける」という希望的観測をトランプと話をしたことで感触を得たのでしょう。日本の尖閣の事など中国全体の外交問題においてはどうでも良い事であり、トランプに尖閣について言及することを了解して恩を売る位「何もしないことで利を得る」という中国古来からの最高の勝ち方に過ぎません。トランプもそれで50兆円もらえれば言う事無いでしょう。

 

トランプ氏は「何をするか解らない、知性の韜晦を装う強面で最初脅して、後から少し譲歩することで相手を喜ばせて大きな利を得る。」という作戦で米国国内においても反対派を翻弄しており、対外的には中国も慌てさせているのが実体と思われます。日本のメディアの政治経済評論は当たらないし底の浅い下らない物ばかりですが、トランプをバカにして論評するような三流評論家はそろそろ退散した方が良いと思います。また問題発言などに対する抗議デモを報ずるのも良いですが、抗議している人達の背景や「どうして欲しいのか」(実はグローバリズムの推進だったりする)事もしっかりと追求して報道してほしいものです。

 

NHKのニュースウオッチ9に対しては辛口のコメントが多くなりますが、先日もfake newsについての報道で、「自分達メディアの報ずる真実と政府が発表する内容が異なると政府がfake newsを自ら流すことになる」などとメディアが絶対的な真実を報じているという思い上がりの勘違いのコメントをキャスターが述べていてこれまた「唖然」としました。メディアが真実を追求する姿勢は大切ですが、「我々が報道している事が絶対真実なのだ」などという思い上がりは禁物のはずです。常に「真実は他にあるのではないか、」という謙虚さをメディアが持っていて初めて我々はメディアを信用しても良いかもと思えるものです。小保方さんの件をノーベル賞級の大発見と持ち上げたのはNHKです。その後の展開、そして放送倫理にもとる特集を組んで報道したのもNHKです。「恥を知り、謙虚になれ」「2チャンネルの勘違い上から目線野郎達と同じではないか」とあのキャスター達を見る度に思います。

コメント
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