rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

法を堂々と無視するのは暴力団(無法者)だけである

2015-06-05 17:27:24 | 政治

与党参考人が安保法案「違憲」 “人選ミス”で異例の事態 野党「痛快」 憲法審査会

時と場合によって法は無視せざるを得ない場合がある、というのが「大人の対応」である。というのはその通りだと思います。社会生活をしていく上で一切の法規を破る事なく過ごす人は裁判官であっても皆無です。それは法が「所詮は人間が方便として作った物」であり、完璧なものではないからです。法は人として守るべき「道徳」の一部と合致しますが(道徳規範)、道路交通法や商法などの約束規範に至っては道徳でさえありません。

しかし、「国家の運営」という人が決めた法に基づいて行われなければならない「場」においては、全ての行いは法を遵守して行わなければならないのは当然です。将棋を指すにあたって臨機応変に駒の動かし方が変わるようではそれは将棋ではない事になってしまいます。国家の運営とはそういうものです。憲法審査会において、このような裁定がなされるのは当然すぎる話です。閣議決定で解釈を変えて集団的自衛権が憲法上認められるなどという全く法的根拠のない政治を行ってしまったのは完璧に「アウト」なのです。どんな学者を連れて来ても現在の憲法で今の内閣が法規化しようとしているような集団的自衛権の行使が「合憲」と言うような「クルクルパー」はいるはずがありません。憲法解釈で長年飯を食って来た専門家達が「合憲」「合法」と言うはずがないでしょうに。現実に合わない法は改正すれば良い、法とはそういうものなのですから。

ただ最近、尖閣が、竹島が、と言う議論で憲法改正を促す人もいるようですが、日本国憲法に9条がなかったとしても、韓国という国は平気で竹島を占領したでしょうし、中国も同様に仕掛けて来たでしょう。それは南沙諸島の情勢を見れば明らかです。彼らは日本国憲法を勘案しながら政治をしている訳ではありません。日本が9条を改憲したところで、それではといって韓国や中国が日本の言う事を何でも聞くようになる訳でもありません。その程度の事は容易に理解できると思います。

日本が今後、種々の国際情勢によって自衛隊を海外に派遣してそこで戦争に参加せざるを得ない状況になる事はあり得ると思います。そのような状況も「止むなし」と判断することは「政治的な大人の対応」としてはありえる事です。しかしそれを合憲と理屈を曲げて言う事は「大人の対応」とは別の話で、単なる「卑怯な責任逃れ」でしかないと言えます。現在の自民党中枢が、大人の対応として「自衛隊を海外派兵して戦争に参加させなければならない」という判断を政治家として下したのならば、「これは「違憲」ではあるけれど政治的決断でやります。」と言えば良いのです。その上で憲法違反を犯した自民党という政党は解散し、自分達の政治生命も絶てばよろしい。それくらいの重い判断をする切羽詰まった状況があるのならば、その後改憲の国民的合意も生まれてくるでしょうし、辞任後の解散総選挙で改めて国民に信を問えば法治国家としての筋道も立ちます。勿論今現在の世界情勢がそのような状況にないことは誰も目にも明らかです。

「アメリカの覇権が崩れそうだから、日本の自衛隊を米軍の一部として協力部隊として使えるようにしろ」というアメリカの軍産複合体からの命令に従って、あたかも日本の国粋的な精神の発露であるがごとく偽装して自衛隊の活動範囲を広げ、アメリカから政権の安定を保証してもらおうという安倍内閣のお粗末ぶり、それに対して徹底してサポタージュをしない官僚、司法関係者達、国民や真の国益を考慮しなくなったマスコミの情けなさが目立ちます。明らかに違憲であるのに、合憲であると言い張ることは法に違反したことに責任を取ることを避けようとする卑怯な責任逃れでしかないのです。その意味で「権力側にお追従できる阿呆学者を選ばなかった"人選ミス”」という表題はけっこうイケテルのかも知れません。

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