Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

JIMS@摂南大学 2日目

2006-06-25 18:47:58 | Weblog
松村さんの Influence Diffusion Model は反響が大きかった。「主だった人」はみんな聞きに来てる感じだった。この学会でも,ブログなどネット上のコミュニケーションを扱った研究が急増している。そうしたなか,一日の長を見せつけた感がある。座長として鼻高々。松村さん,ありがとう。

あと目立ったのが,社会ネットワーク分析の応用が増えてきたことだ(佐藤さん,濱岡さん,熊倉さん…)。中西先生がコメントで,この手法は柔軟であることの代償として,恣意性が入り込むと指摘していた。

芳賀さんの代役で報告した「広告の短期効果」は聴衆がまばらだった(ただ聴いてほしかった人が,何人かいてくれたことが救いだ)。裏番組の「コミュニケーション構造と広告効果」に相当流れたのだろう。ハンドアウトを見たところ,中島望さんが,消費者間ネットワークの特性(strong tie/weak tie)とコミュニケーション効果の関係をシミュレーションで調べている。ぼく自身興味のある話でもある。

JIMS@摂南大学 初日

2006-06-25 08:04:10 | Weblog
京阪電車に乗ると,昔,正月のたびに寝屋川に住む伯父のところに行っていた頃を思い出した。摂南大はその寝屋川市駅からバスで15分ほどのところにある。

JIMSの初日は,まず早稲田大学の豊田先生によるチュートリアル。話のメインは,変数に非正規性があることが,むしろ因果性の把握(x→yなのかy→xなのか)に役立つという話。シミュレーションの結果からも,この手法の強力さはわかるが,なぜそんなことができるのか,直観的にはよくわからない。3次,4次のモーメントの持つ情報が鍵なのだが,ふだん平均と(共)分散しか考えていない頭には,ピンとこない。いずれにしろ豊田さんのような高名な先生とじっくり(しかも非学問的馬鹿話を含め)お話しできることが,この学会の魅力の一つであろう。

若手セッションも例年以上に面白かった。特にブログを使ったキャンペーンの話をした,日経Rの佐藤さん,イオンの井関さんからは,今度ゆっくり話を聞くことにした。

懇親会では片平先生や山本さんと久しぶりに話ができた。JIMSとJACSは,メンバーがかなり重なるにもかかわらず,雰囲気が少し違う。個人的には,JIMSのほうが居心地いいかな。