HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

LAST DANCE

2017-11-14 00:16:37 | 日本のロック・ポップス



今年の5月だったろうか、ショーケンがビルボードで行うライブを生中継するというので、
普段は加入していないスカパーの某チャンネルを1か月だけ契約した。今更、ショーケンに
何を期待するのか自分でも謎であった。このところアルバムは出してもいないし、03年の
ライブを捉えたDVD「エンター・ザ・パンサー」に少々がっかりしたというのもあり、
怖い物みたさといったところか。いやいや、かつては日本で唯一ミック・ジャガーを凌駕できる
シンガーと本気で思っていたので、その残像が消えないうちに今の姿を見たいと思ったのだ。

演奏というか、ショーケンの歌唱は03年の映像よりは良かったが全盛期を超えるものでは
なかった。ま、これはどんな優れた歌い手にも年齢と共に声量や声域の限界がくるので仕方ない
のだが、そんなものを遥かに超えた次元にいるショーケンの調子が少しは良さそうと
思えただけでも良かったのだ。

掲載写真左は7年ぶりにリリースされたショーケンのスタジオライブ盤「LAST CHANCE」。
過去のレパートリーを新録しているわけだが、あれ、7年前の「ANGEL OR DEVIL」も
同趣向の盤だったじゃないの、なんて思ったのだがそれでも聴きたい気持ちに変わりはなく
手にすることに。

スタジオライブといっても、幾つかのSEを入れるところは「ANGEL OR DEVIL」と同じだし
『ぐでんぐでん』に於ける歌いまわしのフェイクも同じような感じ。それでも、良し悪しは
ともかく『Ah ! Ha !』での今回限りの歌詞や、前回は無かった『ホワイト&ブルー』の
新解釈等、ファンには聴き逃せない箇所は多い。『I SHOOT THE SHERIFF』や『MONEY
FOR NOTHING』のイントロを拝借して自身の曲に繋げるのも、私のような洋楽好きには
ニヤリとするところだし。

今、ショーケンの歌がラジオやTVから流れてきたら何も知らない若者はどう思うだろう。
放送事故だと思ったりするかも。カラオケでショーケンの真似をして歌ったら「この爺、
頭がおかしくなったのか。」と思われたりするかも。それはそのままショーケンの歌は危険と
いうことに繋がる。耳障りのいい音の中を掻い潜って多くの傷跡が残ればいいと思う私は
12月に出るDVDも予約してしまった。(笑)

 9月に何枚か過去のアルバムが17年
リマスターで再発されたのでLPでは所持しているがCDで未所持の「STRAIGHT LIGHT」も
購入。この盤がリリースされたのは87年2月25日。私は28日の土曜日に手に入れた。
その日の京都は確か午前中は雪だった。やがて止んだが積もったように記憶している。
市内に中古盤探しに行ってこれといった収穫がなく手ぶらで帰路につき、下宿近くの
バス停前の普通のレコード屋に入って偶然に新譜に出会ったのであった。この日は大学の
東門前にできた中古盤屋のオープンの日であったことを後で知り、雪の日に街まで出掛けた
自分の間抜けな行動を嗤ったものだが、この妙なチグハグ感と購入日の寒い空気の思い出が
アルバムを聴く度に私に圧し掛かる。

そんな記憶があるからこそ大好きな盤でもある。LPだとB面最後に収録されている『FAMOUS GUY』の
エンディングがCDだと長いことを、発売から30年経って初めて知ったよ・・・。

コメント (2)
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