HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

INNER SPACE

2012-04-01 11:23:53 | ROCK

           

カンの未発表音源を3枚のCDに収録した「THE LOST TAPES」が6月にリリースされる。
68年から77年に録音された30時間以上のテープから編集したという触れ込みで、実に楽しみなのだが
CD3枚といわず、10枚とか20枚でもよかったのだけど。(笑)
収録時期が68年頃からというのは、もうそれだけで期待してしまう。当然ながらカンを名乗る前の
録音の発掘にも期待しているのだが、いいのだろうか。(笑)

インナー・スペースという名前は、カンの前身バンドとして知られている。
掲載写真右は68年にドイツ映画「AGILOK & BLUBBO」のサントラとして録音されながら、当時は
未発表に終わったサントラ盤として09年にCD化された。アルバム収録曲中1曲目と6曲目だけが
シングルとして69年にリリースされ、その他の曲は全て初登場。そのシングルにもなった
ジャケット写真に写る女優のロージー・ロージーが歌う『KAMERASONG』が妙に浮いて聞こえるが
それも御愛嬌。ミヒャエル・カローリのクレジットが無いが、聞こえてくる音は紛れも無くカンそのものだ。
(多分、実際は参加しているだろう。)

カンの優れたところは、どんな角度から責められても(ジャンル分けされても)それらを全て許容することが
できることだと思う。プログレでもサイケでもポップでも何でもいいが、こういうジャンル分けをすると
何がしかの部分が欠落しそうなものだが、ある時代までのカンは、それらの全てを備えているところが
今日まで多くのファンを獲得している明確な理由だろう。尚且つある意味でフォー・レター・ワーズ的に使われる
「プログレ」が時代の流れに取り残されても、彼らが現在でも有効なのは、強靭なリズムを叩きだしたことに
よることも再認識しなければならない。

掲載写真左は69年に発表された、これも映画「KAMASUTRA」のサウンドトラック。
こちらはイルミン・シュミット&インナー・スペースというクレジットだが、こちらも当然ながらカンそのもの。(笑)
夜でなく、今日のようないい天気の日中に部屋で流しても全く違和感がないのが、先に書いたカンの強靭なところ。
シタールやタブラが入るインスト曲も、ギターとパーカッションが被さってくると全くのカンのオリジナル曲に
なるところが素晴らしい。

ハーモニカが入るオーソドックスなタイプの曲なんかは「えっ、これってカン?」的な瞬間もある。
まあ、実際数多あるバンドの曲なら「普通」なのだが、カンというグループの縛りだと「退屈」だったりするかも
しれないのが、ハードルの高いところか。(笑)ところが、ハーモニカが消えてしまうと、とたんに格好良く
なったりするのも面白かったりで、やはり一筋縄ではいかない。

さあ、次は「DELAY 1968」を聴こう。

コメント
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