HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN - 100

2011-10-12 21:45:01 | DAY BY DAY

09年6月のアン・マーグレットから始まった「YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN」も、
遂に最終回。元々は、女性が歌うレコードに縁遠かったかつてのリスニング・ライフを反省する意味で
始めたものだが、「100人の女と何をする」というタイトルからもわかるように、私自身が100人の女性と
逢瀬を楽しむような馬鹿げた感覚を楽しむものでもあった。

よって、記事を書いた時点で取り上げた100のアルバムに関連する女性に故人はいなかった。
そのうちキャンディーズも取り上げたいと思っていたが、いつか別の機会に。
不覚にも故人となられたことを先日知ったのだが、個人的な記事の中でシルヴィアを「YOU CAN DO」で
取り上げることが出来てよかったと思っている。

1回の記事毎に、一人(一組)の女性ミュージシャンを取り上げてきたが、1度だけ二組を同時に
取り上げた。(11年5月)これは、ボブ・ディランの『RAINY DAY WOMAN #12 & 35』が頭に浮かんで、
特に意味は無いのだが、何となく二組同時に取り上げようと思ったからである。

このシリーズを始めてから、誰を何時取り上げるかは、その時の気分であったが、最後に取り上げる
レコードは開始当初から決めていた。それが掲載写真の「まいど・・・日本の放浪芸 小沢昭一が訪ねた
オールA級特出特別大興行 一条さゆり・桐かおるの世界」と題された4枚組のCDである。

レコードとは、文字通り記録である。これは小沢昭一が取材・構成・ナレーションを担当し、日本の
放浪芸をドキュメンタリーとして記録したシリーズで、録音は1976年。テキ屋の口上や、僧侶の説教は
ともかく、ストリップを「放浪芸」と捉えるかどうかは賛否両論があろうが、単純に女性の裸を見るというだけの
目的を達するためなら、ストリップは「芸」にはならなかったろうし、「当初の目的」を遥かに超越して、
客を楽しませ驚かせようとする出演者の芸心が、ストリップを他の風俗産業とは別次元のものにしたのは事実である。

小沢昭一のことは、ラジオ「小沢昭一の小沢昭一的心」で知った。親父が車の中でかけていたラジオで
よく聞いたのだが、子供心にも軽妙でユーモア溢れる喋りは面白かったと記憶している。

ここで聞くことができる題材はストリップということもあって、つまりおおっぴらに語ることがはばかられ、
捉え方によっては法に触れるだけに、何か非合法な物を楽しんでいるような感覚と権力に抗っているような
感覚を覚える。二人の女性の生き様は、舞台の様子や楽屋での会話などから生々しく感じることができ、
綺麗事だけであろうはずもない、人間の「生」と「性」をリアルに捉えた記録として貴重なものだと思う。

有名になりすぎたために、実際に一条さゆりをスケープゴートにした事件を廻るあれこれや、
ストリップを見たことがある方なら思い出すであろう、場内のアナウンスやステージの雰囲気は
ほんのついこの間まで、昭和の時代であったように思わせる。

今現在、ストリップがどれくらい需要があるのか(どれくらい劇場が残っているのか)は知らないし、
ストリップ産業が刑法175条と、どのような折り合いを付けているのかも知らないのだけど、この記録が
「YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN」シリーズの最後に相応しいと思ったのは間違いでは
ないだろう。

音楽的笑い処は・・・。ステージのBGMで使用された「青い影」「オリーブの首飾り」「メリー・ジェーン」といった楽曲の
需要の大きさと、その強靭な耐久性といったところか。(笑)

取り上げた記事の中には、無理やりこのシリーズの枠に押し込んだきらいの物もあったが、とりえずこれで大団円。

明日からは普通に・・・。
いや、今日も別に何も変わらない。

コメント (4)
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