HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

ABC OF THE BLUES

2010-10-27 22:17:44 | ROCK

なんとも凄い箱だ。本日到着してまだ1枚しか聴いていないのだが、掲載写真は「ABC OF THE BLUES」と
題された52枚組CDボックス。10インチ・サイズの箱にジャケットと同一デザインの薄っぺらい紙ジャケが
52枚、おまけにホーナーのハーモニカまでついている。驚くべきはその価格でHMVだとマルチ・バイを
使って4477円で購入できる。昔の音源の使用であることと、おそらくはホーナーがスポンサー的な存在に
なっていてこの価格が実現できたのではないだろうか。ブルーズに興味を持ってハーピストになりたいと
思う人が増えればホーナーの商売が拡がるのだから。なにせギターと違ってハーモニカはキーを変えるわけには
いかないから、何本も買う必要ができるというわけで。

下種な想像はさておき、まさにこの箱はブルーズの洪水だ。楽曲が録音された年代のクレジットが無いのが
不親切だが、この箱で興味を持って各アーティストのアルバムを揃えていけば自ずと解かってくることだ。
年代別やジャンル別でなく、アーティスト毎の編集なのが良い。ほとんどのCDが1時間弱の収録時間内に
2組のアーティストを収録しているが、ライトニン・ホプキンスやハウリン・ウルフといった超大物は
1枚全てを使って収録されている。ただ、代表曲が全て収録されているかと言うとなんとなく物足りない
選曲の人もいて、まあライトニンやマディはオリジナル・アルバムを買えということだ。
ロバート・ジョンスンもCD1枚を占める栄誉を与えられていて、別テイクを除いて生前に残した
29曲中20曲が収録されている。53分29秒で20曲、あと9曲が何とかならないところが
渋い。(笑)渋いと言えば、1枚のCDにソニー・ボーイ・ウイリアムスンⅠとⅡがほぼ10曲ずつ
収録されているのが実に渋い。聴き比べに便利なのだ。

そんなことよりも収録アーティストが100を超えることに着目すべきだろう。
ブルーズの特集を組まれても必ずと言っていいほど軽視されるスクリーミン・ジェイ・ホーキンスは勿論、
ワイノニー・ハリス、スリム・ゲイラード、ゲイトマウス・ブラウンといったところも集めているところが
素晴らしいし、更に広義で解釈しボ・ディドリーやプロフェッサー・ロングヘア、ヒューイ・スミスもたっぷりで、
これは本当に楽しい。フレッド・マクダエルが収録されていないのが謎なのだが、そんなことが
気になるのは私が単なるストーンズ・ファンだからだろう。

いつになったら打者一巡できるか不安だが(笑)なるべく早いうちに一周りしよう。
「THE ULTIMTE COLLECTION FROM THE DELTA TO THE BIG CITIES」というコピーに偽りなし、見つけ次第
捕獲することをお勧めする。
あっ、私はハーモニカは見て楽しむだけにしておきます。

レゲエでこんなの出ないかなあ。(笑)


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6 コメント

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気になります! (bluewind)
2010-10-28 02:43:27
これは物凄くそそられます。

「ブルースCDガイドブック2.0」という本を持っているのですが、すさまじい量が記載されていて、これに載っているアーティストを聴き込んでいくには何から手をつけていくべき……かと圧倒されました。
ビッグネームを中心にチョイスして少しずつ聴いています。

このボックスの破格さは魅力的です。まだ手をつけていないアーティストを知るための入り口に……チェックしたいです。
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Unknown (たこべい)
2010-10-28 10:38:38
52枚組とは !! しかもこの値段。
先週、近所の秋祭りのバザーで中古CDが並んでまして、その黒々としたラインアップがなかなかのもの。買いそびれていた「Blues LIve」(ロックウッドの日本公演コンプリート盤)、J・コットンのライブ、とかジャケ買いで、オーティス・ブラックウエルの作品集(エルビスなんかが入っている)とかとかをまとめ買いをしたところでした。
しばらくブルースから離れていたのですが、ちょいと聴き直してみようかなと思っていたところでした。
52枚ですか。聴かないCDとか出てきそうですが、、ポチしそうだなぁ。
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実になります (ハリー)
2010-10-28 20:59:47
bluewindさん

そういえば、私はブルーズに関しては何故かガイド本を買ったことがありません。他のジャンルは
何らかの本を数冊買っているのに。多分、かなり
昔にどこかで貰ったP-VINEのカタログを見て覚えているものから揃えたような気がします。


この箱は値段も量も凄いので、サンプルだと思えば
本当に安い買い物だと思います。
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Unknown (ハリー)
2010-10-28 21:04:37
たこべいさん

実は私もブルーズはかったるく感じる時期が長かったのですが、先日グルーヴァーズのライブ前の
BGMで流れたブルーズの数々を聴いて、じわじわと盛り上がってきました。

バザーで見つけるにしては、実に洒落ているCDを
発見されて羨ましいです。体験として記憶に
残りますから。

確かに趣味で無い人(私だと女性ボーカルもの)も
出て来ると思いますが、この量ですから新たに
気に入る人も出て来ると思い、そちらに期待する
方が楽しみです。

是非に。
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Unknown (たこべい)
2010-10-29 07:34:27
買ってしまいました。
ブルースは、「じわじわ」って感じがぴったりですね。正直、52枚はハードルが高いのですが、そう遠くない老後の楽しみにとっておこうかなと。
ブルースを熱心に聴いていたのが、ロックウッドのライブに行ったからで、今でも、じわーと熱くなってくるあの感覚は、他のライブでは経験できないものでした。
ビッグ・ジョー・ウイリアムスとか、ジョン・リー・フッカーとかがお目当てです。
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Unknown (ハリー)
2010-10-29 21:43:55
たこべいさん

買いましたか。(笑)

52枚は確かに多いです。私は買ってからまだ
4枚しか聴けていません。(笑)
まさに、これからじわじわと責めて行きます。
老後と言わず、秋の夜長に・・・・。

ジョン・リーがまるまる1枚の収録で無いという
ところも、なんだか凄いのです。(笑)
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